刺し子・夜の手慰み
夜にふと何もすることのない時間がおとずれる。
まだ寝るにも早いし、複雑なこともしたくない。
でも何かしたい。
そんな時には刺し子をする。
刺し子というとさぞかし「丁寧な暮らし」をしていそうだが
そんなことは全然ない。
私はただ「運針がしたい」のだ。
ただひたすら線にそって針を刺す。
単純作業をぼーっとしながらやりたい。
刺し子はそんな眠れない夜の手慰みだ。
以前は刺繍も同じ理由でやっていたが、
刺し子はもっと単純だ。
色で糸を変えたり、
箇所ごとにステッチを変えたりすることもほとんどない。
並縫いを繰り返せばいい。
下手っぴでも気にしない。
ぼーっとするのにぴったりだ。
生地もあらかじめ縫う線が印刷されて
糸がセットになっているものが売られているので
もっぱらそれを使っている。
一本の線だった縫い目が徐々に重なって
紋様を生み出していくのは
達成感もあり、なんだかすうっと満足感がある。
無駄で贅沢な時間の使い方だなとも思う。
連休の今夜。
またさっきからチクチクやり始めている。