アメリカのとある田舎町のコロナ禍の学校の様子 前編

今からちょうど1年ほど前、3月の上旬、アメリカのボストン近郊のとあるホテルで行われた企業のコンファランスにて新型コロナウイルスのクラスター感染が起り、感染者の家族がいる他の町の学校が休校になった。感染力が高い治療法が無い未知のウイルス。中国やヨーロッパで先に感染が広まり死に至るケースも出ていた。感染拡大とロックダウンに備えて、マスクやアルコール消毒液、続いて生活必需品のトイレットペーパーや保存が効くパスタや小麦粉などが市場から消えた。

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そうしてあれよあれよという間に、州の学校のすべてが休校になり、私達の住む町の公立学校も休校になった。

3月のちょうど半ばの頃だった。昨年の学校からのメールをみると、とりあえず「3月16日から22日までの一週間が休校になる。状況によっては延長する可能性もあり」という連絡だった。家にいてもダラダラするので子どもたちを連れて森に散歩にでかけたり、ジグソーパズルや、外でバスケやバレーボール、バトミントンをしたりして過ごした。おそらく休校といっても2週間ぐらいだろうと考えていたからだ。

しかし、私の予想は見事に外れた。アメリカ全土、また州内でも感染者数や死者が急激に増えていった。それに伴い休校期間が延長され、結局6月末の夏休みまで休校が決定したのだ。

休校の決定がなされてすぐ、学校からオンライン学習に対応できるように、クロムブックなど学習デバイスがない子どもたちや家庭内でWIFI環境が整っていない場合の申請についてのお知らせが来た。我が家も上の子はすでにクロムブックを学校から貸与されていたが、下の子は持っていなかったので学校に申請し受け取りに行った。

同時に、学校に申請をした家庭の子供に無料の持ち帰り用ランチが学校で配布されるようになった。通常は申請すれば低所得者の家庭の子供のランチ代が無料や減額になる。我が家は今回申請しなかったので、所得が関係していたのかどうかわからないが、他の町では所得に関わらず誰でもが無料のランチを受け取ることができるようだった。(わが町に関してはコロナ禍2020年の9月からの新学期以降現在(20213月)は誰もが無料でランチを食べることができるようになっている)

3月18日、休校のお知らせが来てから二日目、担任の先生より連絡があり、GoogleクラスルームやSEASAWというアプリを利用して、先生と子どもたちのコミュニケーションが始まった。

3月22日、休校から1週間後、今までの復習の課題がGoogle クラスルームを通じて担任の先生から指示が出た。と同時に、Zoomを利用し、不安な子どもたちのために、担任の先生と気軽におしゃべりができる面談の時間も取ってくださった。当時の担任の先生からのメールの内容から、学校側ではカリキュラムに沿ったリモート学習のための準備が進められていたようだ。

4月10日、本格的なリモート学習が始まる。午前中は国語や算数などの主要今日を担任の先生がZoomを使って授業を行った。午後は音楽や体育、アートなどの教科で、各自課題が与えられて各家庭で自主的に行った。この時点で、他の町に住む知人たちにリモート学習について話を聞いてみたところ、町によってバラバラだった。わが町は、公立学校の中ではリモート学習が進んでいる方だった。

4月29日、リモート学習が起動に乗り始めた頃、中学になる新5年生向けのオリエンテーションにてZoom爆撃が起こる。そのため、一旦Zoomを使ったリモート学習が中止され、数日後新たにGoogle Meetを利用したリモート学習が開始。Zoom爆撃については詳しくは下記の記事に記載しています。

6月になり、学年最終日も近づいてきた。子ども二人はそれぞれ小学校と中学校の最後の学年だった。日本のような卒業式というものはもともとないが、簡単な行事がある。昨年については、コロナ禍という事情を鑑みて、卒業のお祝いとして保護者とともに子どもたちが車に乗ってパレードが行われた。これは中学の卒業パレードの様子だ。それぞれの家庭の車で集合場所から中学までゆっくりクラクションを鳴らしながら最後に中学校に到着後、校長先生から卒業証書や記念品を受け取った。

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小学4年の娘も中学の8年生の息子の先生も、休校になって以来、自分自身や家族のことも大変だったとおもうが、子どもたちのためにリモート学習の対応に尽力を尽くしてくださり、学校の最終日は本当に感謝の気持ちで一杯になった。こうして去年のメールなどを見て振り返ってみても、休校と言っても実質的に何もしなかった日はほんの数日だった。また、以前からGoogleクラスルームにて課題や宿題のやり取りをしていたことが功をなして、子どもたちもスムーズにリモート学習に順応できたように思う。

夏休み、9月の新学期からについては中編に続きます。

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