93.掘り起こしてしまった玉平さんの過去
わたしは、知ってしまいました。
玉平さんの過去を…
いらっしゃいませ、そば処『つきなみ』の岩永ゆずです。
それは、ラストの『恋の七不思議』実行中の時のことです。
夕方、校庭の石碑の下をスコップで掘っていたら、カチッと音がして、スコップが何かに当たりました。
掘り起こすと、それは錆付いた缶の箱。
開けると、中身は厳重に包まれていました。
中にはモミジの葉のしおりと、メッセージカード。
『月並みだけど、そばにいたい』
メッセージカードに付いた土を払うと、
『玉平貞夫』
とありました。
その7、校庭の石碑の下に想いを綴った手紙を、夕方太陽が沈むまでに埋める。その姿を誰にも見られてはいけない。
玉平さんは、していたんです。
この『恋の七不思議』を、嘗て実行していたんです。
信じなきゃ、可能性は0パーセント…
そう玉平さんが言った『恋の七不思議』。
玉平さんは、一体誰に?
その恋は、叶ったんですか…?
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