109.『恋の七不思議』には続きがある
どうも、玉平です。
わたしが持っている古い手帳にはね、ゆずちゃんにも教えた、『恋の七不思議』が書いてあるのよ。そのページには、今でもモミジのしおりが挟んであるの。
そう。いつでも、何度でも、すぐに読み返せるようにね。
そして、『恋の七不思議』の隣のページには…
『神様お願い、もう一度チャンスをくれませんか。こんな愚かなわたしに。』
当時、わたしが書いた文字が、まだそこには刻まれてるのよ。
好きでいる資格はない。でも、嫌いになる資格もない。
後悔は千年でも、万年でも忘れられない。
けど、忘れてしまうよりずっといい。
心の扉が閉まる前に、伝えたい想いは届く間に。
チャラ男、『たまひらハイツ』行くって、やっと言ってくれたのよ。
言うと思った。
あら?モミジの葉がどこからか…
チャラ男の自転車のサドルに着地したじゃない。
今も昔も、紅葉が綺麗ですね…
本当はね、『東南光葉高校』の『恋の七不思議』の7つ目には続きがあるの。
その7、校庭の石碑の下に想いを綴った手紙を、夕方太陽が沈むまでに埋める。その姿を誰にも見られてはいけない。
モミジの葉のしおりを一緒に埋めると、その二人は結ばれない。
でも、また、必ず逢える。
そう、また逢える…
自分の運命を悟って、わたしはこの七不思議を選んだのよ。
チャラ男、あなたは間に合うんだから。あなたは違うんだから。
チャラ男を連れて『東南光葉高校』へ行ったのよ。
泣いてるのって?
まったく、チャラ男は何言ってんだか。
勢いよく自転車を漕いだから、目にゴミが入ったのよ。
そう、恋…だから。