128.キャバ子は、玉平さんに口説かれて!?
どーもー、201号室のキャバ子です。
あかりさんに聞かれた。
「キャバ子さんは、この『たまひらハイツ』の最初の住人なんですよね」
まーねー。
玉平さんに口説かれてやって来たもんよ。
海でさ、ぼーっとしてたの。帰る場所もなく。
『世の中ってイケメンじゃなければ、個性派って呼ぶのよねー。イケメンは個性じゃないのねぇー』って、玉平さん。
人は話題になった時だけ注目してさ、あとはポイよ。見向きもしてくれない。
でもさ、その人の人生は死ぬまで終わらないの。
誰も見てなかったとしても、誰からも注目されなかったとしても、生きていくしかないの。
生きたくても生きれなかった人がいる。
玉平さんは、それを一番知っている人。
痩せたいとか、整形したいとか、そんなのどうでもいい。
生きることに必死ならそんなこと言っていられない。
そんなことより、彩りある人生であるべきよ。人生が続く限りね。
自分の人生の主人公は、いつだって自分よ。
まったくもって、その通りです。
205号室の稲垣さんです。
おや?南雲さんがどこから来たのかと、わたしに尋ねています。
もちろん、205号室からです。
ちなみに徒歩で来ました。
セグウェイになんて乗っていませんよ。
えぇ、この前ベビーシッターで行った家にはありました。
なんと。南雲さんは、ベビーシッターのわたしが想像できないそうです!
誰と、どこで、どう生きるのか。奥が深いですな。
ホント、稲垣さんって勝手に入って来るのね。
もちろん、稲垣さんなので!
わたしは、『お前は今日からキャバ子だ!』って玉平さんに言われた時に、新しい人生が始まったんだなって思ったの。
え?そりゃそうよ。名付け親は玉平さんよ。当然じゃない。
玉平さんとわたしの関係、なめてんじゃないわよ。
割と気に入っているらしいですよ。
稲垣さんとしても、『キャバ子』という名は最高だと思います。
さすがは『たまひらハイツ』の大家、玉平さんです。
これは見習いたいものです。
南雲さん、あなたも全力で生きるのです!