125.運命を知らせる時計
はい、203号室の南雲あかりです!
家に帰って、部屋の中から見つけました!
昔、わたしが貰った桜貝を。
あの日、迷子になった6歳の男の子を、わたしは迷子センターまで連れて行った。
その子は、わたしの手を握ってずっと泣いていた。
そして、その後、男の子がわたしのもとに来ると「ありがとう」って、桜貝をお礼にくれたんです。
男の子のお父さんらしき人が近くにいました。
お父さんと海に来て、迷子になったのかな?
縁側にいる東さんに話しかけました。
時計が壊れたり、止まったり、時間が勝手に進み過ぎたりすると、イイことがあるの。
「なんですか、それ?」って、
ホント、なんですかだよね。
高校受験の日からそう。
受験日の朝、腕時計がちぎれて腕に巻けなくなったの。
不吉だと思った。でも合格した。
それからずっと、何か起きる時は時計が知らせてくれるの。自分の運命を。
けど、テスト当日に時計が止まるのは地獄。
でもそんな時は決まって成績が上がる前触れで。
自分の運命が動く時は、時空が歪む。なんてね。
でも、そんなイイことばっかりじゃない。花火大会の日は、いつも大雨。
英語の書かれたTシャツは、意味が分からないと怖くて着られない。
ほうきにまたがり続ければ、いつか飛べる気がする。
それもまた、わたしの人生。
聞かなきゃ、東さんに…
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