92.けがれを知らない恋よりも
どうも、玉平です。
翔君の通う小学校。また、以前のようにグラウンドを覗いている方がいたのよ。
そう、北山奈緒さんね。翔君のお母さんなのよ。
吾妻公園で少しお話をしたの。
この世には、好きなのに付き合わず、終わっていく恋もある。
奈緒さんは、愛する人と出会って、結ばれて、息子さんという宝物にも出会えた。
何もなく終わっていく人生よりもよっぽど彩りがある。
四苦八苦しながら進んだ方が、生きてるって感じじゃない。
人間なんて生まれた時から不平等。命の長さも不平等。
何もなく平凡に生きていけたら、人は幸せを忘れてしまう。
しらすの中に小さなタコが入っている。そういう小さな幸せをね。
まだあのブルーカーテンは、鮮やかなままよ。
わたしの心の中ではね。