ふりかえり6

もちろん最初は教わる事ばかり、フォローしてもらうばかりの立場。
年の近い先輩も、年の離れた先輩もみんな親切で、楽しくバイトを続けた。
場を和ませるような冗談いっぱいな人。
黙々と仕事をこなす一生懸命な人。
みんなのお母さんみたいな人。
一方で、仕事はめちゃくちゃ出来るけど不機嫌が思いっきり表面化する人にも会った。普段は楽しく仕事してるのに、忙しくなってくるとイライラ全開。最初は自分が何かやらかしたんじゃないかとビクビクしたりもした。
聞きたい事があっても遠慮したり。イイ時とワルイ時のギャップがとても激しくて、その人と一緒だとちょっと不安になる。
でもしばらく気を遣って関わるうちに、私だけに対してそうなのではないとわかった。誰と一緒でも、誰が居てもそうなんだと気が付いた事で私の心が折れずに済んだ。
早いうちにメンタル鍛えられたな★と今では感謝している。
不機嫌なオーラに全く動じず、図太く居られるようになった。
この時以降、同じような状況に遭遇しても「この人のイライラは私のせいか…?」と冷静に考えるクセが身についた。これって本当に重要。自分を守るためにも、すぐ自分のせいだと思わない事!考えた後で、やっぱり自分に原因がある、と気が付いてから反省しても全然遅くないと思う。

後々、ある程度仕事が出来るようになった時に自分もイライラするタイプだというのもわかった。あれって「自分はデキる」って気持ちからくるものかも。「居ると助かる」と認めてもらい、怒られる事がなく日々過ごしていると知らないうちにプライドみたいなものが出来上がっている。悪く言えば調子に乗ってくる。
そうなっても謙虚な心を忘れずにいる事。当時の自分には、それが足りていなかった。
(失礼な表現になるけど) トロイ、何度も同じミスをする、要領が悪い、そういう人には年上年下関わらずイライラし、それが態度に出るようになっていった。最初の頃にビクビクしていた自分と同じ気持ちを、他の人にさせてしまっていたかもしれない。
ある時「あの子の事、嫌いでしょ?」と突然私に言ってきた人がいた。全く嫌味な感じではなくニコッとしながら聞かれて、答えに詰まった。図星。でもその話題の対象となったのは、先に書いたようなタイプではない。むしろしっかり仕事するタイプだったと記憶している。それなのになぜ…?「自信あります」が全面に出ていたのが私は苦手だったのだと思う。人にイライラはするくせに極端に自信がなかった私にとって、「自分に任せて下さい」みたいなオーラを放つその人が、とてつもなく変わった人物に思えた。
あれからウン十年…同じタイプには出会っていない。

先に書いた、私のメンタルを鍛えてくれた「あの人のおかげだ…」と思うような出来事はいくつか思い出される。
その出会いから数年経った頃、車の免許を取りに行った時の事。教習であたると事務員さんに変更を頼む人がいるくらい嫌がられている教官がいた。キツイ、ちょーコワイとか。女性だったんだけど、恐れられていて担当だとわかると「えー!無理なんだけど…涙」っていう声がよく聞こえた。誰かが変更を希望して通ったのが広まって、同時期のみんなが避けるようになった。
そんな中その教官にあたった私。「大丈夫?変えてもらえば?」って周りは言ってくれたけど、そのまま教習を受けてみた。噂通り、コワかった…。
安全面とか指導が厳しいのではなく機嫌が悪いコワさ。あ、そっち?と思った…笑
しかも2時間連続その教官にあたっちゃって、「もう次は変えてもらいなよー💦」って言われたけど、変な意地が顔を出した。自信はないくせに気は強い。私はアナタに何もしていない!の精神でそのまま教習を受けた。
そしたら教官の方から「2時間もゴメン。あとちょっとガマンして付き合って」って。体調が悪かったらしい。その人、妊婦さんでもう見た目でわかるくらいお腹が大きくて。妊娠後期になっても、つわりが治まらずツラかったみたい。2時間目はそれがわかって、雑談もしながら指導を受けた。なーんだ普通に喋れるじゃーんと、だいぶ気が楽だった。
でも1時間目にちょーーー細かくチェックを受けたお陰で、左折は今でもちょーーー小回りです!!!
みんなが嫌がって避ける人と、私は向き合ったぞ★という気の強さ。
向き合った結果、嫌な人じゃなかったぞ★私だけが知ってるぞ★という満足感を得た。


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