20210412 1999年6月に東京まで出かけた
東京都現代美術館で草間彌生展と荒木経惟展が同時に開催されている。
これをどうしても見たくて、お金やら都合をつけて出かけていった。
前日に移動し、この年から東京で働き出した先輩と夕食を食べ、その後池袋かどこかの安いビジネスホテルに泊まったのを覚えている。
翌日、曇ってはいるけれど蒸し暑い中、東京都現代美術館へ出かけていき、展覧会をはしごした。
何だか豊かな時間だったのを覚えている。
そのときのネガが見つかったので、スキャンしてみた。
しかしながら、これがなかなかどういう設定をすれば良いのかよくわからず、あまりにひどいスキャンになっている。
ホコリは入っているし、フィルムの退色はムラがあるし。
こうしたものを丁寧に補正するほどの根気はない。
軽く補正をしたものを挙げてみる。
エントランス。
水玉模様と、アラーキーのポートレートが同居している面白い空間。
フィルムの左端だけが妙に退色しているようにも見えなくもないが、スキャンの生データはこの左端のところだけがまともな色味で、他の部分が黄色くなってしまっていた。
それを補正すると、左端は極端に青くなってしまう。
方法はあるのだろうけれど、その方法を調べて取り組むだけの気力はなかった。
このときに使ったカメラは、おそらく初代の京セラT-proof。
この数ヶ月後、資金繰りが悪くなって知り合いの人に買ってもらった。
現代美術館へは、行きは地下鉄で向かったのだが、帰りは東京駅まで場sに乗ることにした。
都営バスのバス停がものすごく昭和感を出していたので思わず撮ってしまった。
平成21年のことだけど、なんだか時代を感じる。
完全にお上りさんで、銀座の有名な時計台が見えたので、これもシャッターを切った。
バスの窓からもわかるけど、20年以上前というのを感じさせる。
この時期、精神的に参っていた時期で、衝動的に遠くへ旅に出たくなることがあった。
思い返してみたら、おそらくこの頃に双極性障害をはじめて発症していたのだと思う。
好きなことは行動できてしまうけれど、しなければいけないとわかっていることは逃避してしまう。
向き合えない。
何をどうして良いかわからない。
そんな感じだった。
東京まで長時間掛けて出かけていったのも、おもいっきり現実逃避だった。
そんなことを昔のフィルムをスキャンしながら思い出していた。