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【海のはじまり】人って正解も間違いもないんだな

ドラマ「海のはじまり」最新話観た。たぶん作ってる側の人との思惑とは違った受け止め方をしていると思うのだけど、このドラマを観るたびに と思う。 登場人物それぞれがそれぞれの事情を抱えていて生きている。同じ家族であっても、とても仲良くしている間柄であっても、自分と自分じゃない人の間には「自分じゃない」という壁があって誰にもそこを超えることはできない。気持ちをわかることもできない。決して同化することはない。その自他の隔たりをどう捉えるのかというのをずっと苦手にしていた私にとって

    • 【海のはじまり】弥生さんと水季

      第三話目、さらに弥生さんに対して色々感じる回だった。弥生さんが抱える過去。弥生さんが「こうであればいいな」と自分以外の人に抱く期待はことごとく敵わない。昔の彼氏や母親の言葉や姿勢が弥生さんの横をすり抜けていって冷たい感覚だけが残っていく。弥生さんは自分が他人に望むことを主張せず、通り過ぎていくのに争わない。一人で思いを抱えて乗り越えていく今までだった。 水希の他人との関わり方はもっと複雑で難しい。自由奔放にやりたいことをやったり言ったりしてるようでいて、海には全部を曝け出さ

      • 【海のはじまり】弥生さん

        一話の弥生さんはちょっと嫌な感じがした。物分かりが良すぎるというか、物分かりがいいフリをしているような感じというか。何かこう、匂ってくるものがあって「ん?んん?」と自分の触覚に触れてくる何かがあった。 夕飯を食べてる時に夏に電話がかかってきて、それを夏がとりながら冷蔵庫に向かう。二人の時間に電話がかかってくることを全く気にしないそぶりをしながら、立ち上がった夏に「あ、立ったんだったらマヨネーズ取ってきて」と頼む。冷蔵庫の前でショックを受け動きが止まる夏。時間がかかっているの

        • 【海のはじまり】それぞれの密やかで微かな心の動き

          『海のはじまり』第三話。誰にとっても簡単なことではないこと。いろんな思いが重なって捻れて、外に出たり出なかったり。登場人物みんなが愛おしくなる物語。誰かに共感するとか反感を持つとかそういうことではないお話だと思う。 先日第二話目見終わってとても素敵だったので思いのたけをnoteに書いていたけれど、あまりにもまとまりなく長くなってしまったのでそのまま放置していた。このドラマの余分なものが取り去られて必要な部分だけをさらりと穏やかに見せてくれてる形に惹かれて興奮して自分の感想を

          【日記】自分にこれと言える趣味が育たなかった理由

          今ここに長い文章を書いて消した。まさにそれこそが題名の「私にこれと言える何かが育たなかった理由」だ。自分にはいいものが作れると思い込んでいる節があって、いいものにならなくなったらそこでやめてしまう。とりあえず作りあげる、最後までやってみるということができない。自分にはいいものが作れるって思い込んでいて、そうじゃなくなっていくとそこでやめちゃう。そして見なかったことにする。万事がそう。だから何も続かないし育たない。 ちょっと今やってることを不恰好になっていっても続けてみようと

          【日記】自分にこれと言える趣味が育たなかった理由

          日記|中丸銀河チャンネルの衝撃からの中丸考

          中丸銀河チャンネル、おもしろいです。今は占いの人を呼んで中丸くんの質問に答えてもらっているシリーズなのですが、その「場の設定」に驚きました。中丸くんは知り合いの科学者が科学的な研究の中で知り合った占い師さんをその科学者とともに呼ぶという方法を取っていて、これがどこをとってもすごいなと思いました。 占いという題材はきっととても再生数が伸びる題材。多くの人が興味を持ちやすい話題で今までの視聴者でない人も取り込むことができる魅力的な題材。でも、諸刃の剣で番組を怪しくしてしまう可能

          日記|中丸銀河チャンネルの衝撃からの中丸考

          岸辺露伴ルーブルへ行く 見た

          岸辺露伴の続編があるとしばらく前からSNSで見ていて楽しみにしていて、先日放送されたのを観たら『密猟海岸』で「あれ?」と思った。ルーブル美術館で撮ったというのを観た気がするんだけど?『密猟海岸』も確かに面白くて楽しく観たけど、「あれ?」と思ったままでその謎がやっと解けた。ルーブルに行くのは映画だったのか。NHKも映画ってやるのか、知らなかった。そしてやっと謎が解けたそのタイミングでそれがテレビ放映されるという。絶妙なタイミングで放映された『岸辺露伴ルーブルへ行く』見ることがで

          岸辺露伴ルーブルへ行く 見た

          【ドラマ】舟を編む 第六話 熟字訓

          たった今第六話視聴。放送直後からXで公式さんや脚本家さんたちのやりとりが流れてきたけど、目を瞑ってスクロールしてやり過ごしまっさらの状態で視聴。これを書いた後、追いかけてそれらを読むのが楽しみです。 今回は紙の辞書を作る意味を自分たちの情緒を超えて説明する必要性に迫られた辞書編集部の面々がそれぞれに「過去があってこその今の自分」をポジティブに認識する回であった。To be, or not to be. 辞書も自分も。 今まで一貫して私は「人生に無駄なことなど一つもない。全

          【ドラマ】舟を編む 第六話 熟字訓

          【ドラマ】舟を編む 第五話

          五話、じっくりしっとりと心に来た。感覚でいうと、お習字紙に薄い墨が落ちてじわーっとゆっくり広がっていくような感じのお話だったので、2回見た。以前、何回か見て感想を書いたらなんだか感想ではなくて作り込みすぎたわざとらしさが滲んでしまった反省から、一度見てフレッシュな感想を書きたかったのだけど、”じわー”を言葉にすることが難しくてもう一度見た。やはり二度見てしまうと細かな好きな部分にいっぱい気づいて一度目の新鮮さは失われてしまうな。それは残念だけど二度目は二度目の良さがたくさんあ

          【ドラマ】舟を編む 第五話

          【ドラマ】舟を編む 第四話

          今、たった今観た、第四話。すごくよかった。泣いた。気付いたら涙が自然に出てきて頬を伝わっているのを感じた”泣く”だった。気持ちのいい”泣く”だった。 第三話感想を書くためにメモをとりながら2度目視聴をしたのは私のドラマを楽しむという大きな目的をかなり邪魔をしたので、今回はただ画面に向かって傍らにはコーヒーを置いて見始めた。そして感情の赴くまま今、感想を打ち始めている。まず、最初にも書いたが今回のお話は本当によかった。第一話、第二話で感じた胸を熱くするような感動が押し寄せてき

          【ドラマ】舟を編む 第四話

          【ドラマ】舟を編む 第三話(1)

          第二話の感想を第三話放送の日までかかって書いて、やっと第三話を見た。おもしろかったし、楽しかった。でも第一話、第二話の時に見たとにバーーーっと怒涛のように押し寄せたビビッドな感想が浮かんでこず、頭の中で細切れにほんわかしたものが浮かんでいる感じで、1度目の視聴では感想を書き始められなかった。先ほど2度目をメモをとりながら視聴して今パソコンの画面に向かっている。 今メモ書きを見返すと、1度目の視聴で頭の中がポヤポヤしたもので溢れていたために何かを見落としているんじゃないかと疑

          【ドラマ】舟を編む 第三話(1)

          【ドラマ】舟を編む 第二話(4) 「うまく言えないんですけど」についてなど

          第三話はもう放送されてしまった。見たい!でも見る前に第二話の感想を書いておかないと絶対ブレてしまう。2回目に視聴した時にメモしておいたことをもろもろ書き連ねて第三話を見る準備としようと思う。 馬締にみどりが失恋をしたと言った時の馬締の反応が面白かった。それまで描かれてきた馬締は朴念仁で恋愛やロマンス関連とは無縁のようなイメージだったけれど、「失恋をした」と聞いた途端飛び上がって驚いて「それは大変だ!!!」とびっくりマークなん個分もの反応を示す。この馬締のキャラクターのギャッ

          【ドラマ】舟を編む 第二話(4) 「うまく言えないんですけど」についてなど

          【ドラマ】舟を編む 第二話(3)宮本とみどりについて

          録画機器の音声が直りました。我が家のシステム管理者に感謝。ということで早速「舟を編む」第二話を視聴。もう一度見ると、先日書いた二話目の感想内のセリフは言葉が随分違っていたが、ニュアンスはあっていたのでそのままにしてフレッシュな感想として残しておく。 先日のポストから多少巻き戻るが、再視聴して改めて製紙会社の宮本のドラマの中での人物像がとても良かった。宮本が「いい」人であるし「描き方の手法」が「いい」。忘れ物を届けたみどりと話すシーンで『星の王子さま』の中のセリフを出してくる

          【ドラマ】舟を編む 第二話(3)宮本とみどりについて

          【ドラマ】舟を編む第二話(2)

          もう一度第二話を見てから続きを書こうと思ったけれど、うちの録画機器が壊れてしまいそれが叶わなくなった。正確には音声を出すソフトウェアの不具合なので、うちのシステム管理者が現在奮闘中で、いずれは直ると期待している。何卒よろしくお願いいたします。 さて、ドラマの振り返りを書きたい。今回は一話目から燻っていたみどりの恋愛関係の終結に至るお話だった。傷心のみどりが馬締に聞かれて失恋したことを告白。馬締に と言われ、「ん?どういうことだ?」と疑問に思いながらも忙しさに追われてその場

          【ドラマ】舟を編む第二話(2)

          【ドラマ】舟を編む第2話

          先日、『舟を編む』の原作本の感想を書こうとしたのに、見たばかりのドラマの方に気持ちが引っ張られてしまってまとまりのないポストになってしまった。今、先日の自分のポストを読み返して、私の頭の中のとっ散らかりぶりが明らかに見えて笑ってしまった。文章を書くのは久しぶりで、こんなにも自分の思いを文字にして、それをまとまった形にするのは大変なことなのだなと改めて思った。最近特に、自分の頭の中の無秩序ぶりに気づいて対処しなければと思っていたところだったので、文章を書くという行動は私にとって

          【ドラマ】舟を編む第2話

          【小説】舟を編む1

          NHK BSで野田洋次郎さん出演で『舟を編む』がドラマになるというのを知ったのはおそらく半年くらい前。ずいぶん早くに告知してくれるのだなと思っていたけれど、あっという間に時は過ぎて第一回目放送まで2週間に迫り、焦って原作を読み始めた。 主人公は馬締。音だけではその風貌のために「マジメ」というあだ名だと思われてしまう珍しい苗字の持ち主。言語系の院卒で大手出版社の営業部にいたが辞書編纂部に移動になるところから始まる。最初の章では馬締の目線で馬締の人となりを知ることができる。そし

          【小説】舟を編む1