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【映画】②ツレがうつになりまして
マイナス思考の塊で怠け者で唯一好きになったのが漫画というはる。才能溢れる人々に自分はだめと落ち込んだ彼女に漫画は自由で豊かであると教えてくれたつれ。「漫画だけを書けよ。生活の面倒は僕がみるから」と彼のプロポーズで2人生活が始まる。
イグアナのイグとのごく普通の毎日が…ある日、死にたいという彼の言葉から一変する事に…。
うつ病と診断された彼にお医者さんが勧めた日記を密かに書き始めるつれ。そのつれの毎日を漫画で描くはる。その二人を見守るイグ。
「うつ病と診断されました」と話すつれに「うつ病なんか…こんな忙しい時はみんなうつ病みたいになるんだよ」と軽々言う上司。
つれが退職届を書くシーンで流れる「月の光」…『蜂蜜と遠雷』で二人が弾いた「月の光」が過去から未来への希望の光とすれば、ここでの「月の光」は絶望の彼に注ぐ慰めの光…。
庭で雪と向き合う彼に流れる「愛の夢」彼の心は荒れてるが、彼を見守るはるの心は静かな「愛の夢」を夢見ている…。
うつ病を乗り越えて、彼がはるに参考になればと渡した日記のおかげもあって…本が出版され、講演依頼にも出ることになったつれ。講演会に現れた一人の男性。
「恐縮だが、一言尋ねたい」といつも電話で彼にクレームをかけた彼…「この本を作ってくれて本当にありがとう」と去る…。ヘビークレーマーであるほど心の病を抱えているのではないか……彼もそうだったのであろうという余韻があたたかい。
講演でつれが話したうつ病を克服するため「あとで」が印象深い。
あせらせない
とくべつ扱いをしない
できることどできない事を見分ける
割れなかったから今ここにある…。
割れない事に価値がある。割れないで、つれ。
はるの願いに答えるように…割れずに笑顔を見せたつれ。
人は誰であれ割れそうな時があるのでは…。ひびが入る事で済むときもあれば、割れてしまう時もある。それも人生…。その後、どう立ち直るかによって…また新しい価値が…希望が生まれる。
新型コロナ…大雨…病院、災害現場、避難所、学校…至る所で…疲れの果で働き続ける方々も多いのでは…今だからこそ…余計に…色々考えさせられる映画。
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昨年見た映画です。アマゾンプライムで観られましたが、今は有料…です。