組織力で成果を出す!| ”脱”属人化で顧客満足度と労働環境が変わった
こんにちは、soraプロジェクト代表取締役の樋口です。
今回はお伝えするポイントは2つ。
先に結論から述べると、属人化を排除することで業務レベルが向上し、労働環境も改善されました。
「どのようにして属人化を排除したのか」「具体的にどのようなメリットを得たのか」、詳細が気になる方はぜひご覧ください!
人によってプロジェクトの質が変化|お客様の声から”脱属人化”を本格始動
弊社が”脱属人化”に力を入れたのは、今からおよそ2年前で私が代表取締役になる以前のこと。
きっかけはお客様からのクレームです。
もともとママさんたちが多い職場だったこともあり、以下の課題を抱えていました。
上記3点に関するスキル、経験値が圧倒的に不足していました。
そのため上記3つを任せられる人材が本当に限られており、満足のいくパフォーマンスが発揮できない。
結果的に仕事を任せてくださったクライアントの期待値を下回ってしまう。
そこで私は「このままではいけない」と思い、”業務の標準化”を目指しました。
ところが組織づくりというのは一筋縄ではうまくいかず、トライアンドエラーの繰り返し。
2年間は一進一退が続き、中々結果の出ない日々が続きました。
経験値のある人がいない中で、無理やりどうにかしようと試行錯誤をするものの、なし崩し的に以前の属人化された状態になることがほとんど。
当時の私は営業職としてお客様から案件を貰う立場でした。
案件を頂いたからには「最大限のパフォーマンスを発揮しなければいけない」ものの、私が案件を任せた人によっては品質が下がってしまう。
属人化された組織では、「この案件は簡単だからあの人でも大丈夫」「この案件は複雑だからあの人にしかできない」など、獲得後の案件の振り分けを自然と考えてしまいます。
顧客満足度を考えると、「属人化的な要素を排除して、誰でもお客さんに対する成果を上げられる仕組みを作らなければいけない」と心の底から思いました。
「このままでは営業としての私、そして会社全体の信用がなくなってしまう」
正直焦る気持ちも感じていました。
そんな弊社に転機が訪れたのは、2020年6月のこと。
福岡の天神に事務所を移転してから、状況が好転します。
フランチャイズ加盟企業を合併|タスクの明文化で見えた切り口
結論から言うと、天神に移ってからは、人材が増えたこともあり”業務の標準化”が順調に進みました。
まず、もともとフランチャイズとして加盟していた企業が解散することになり、弊社が合併。
その際にSVに勤めていたメンバー達が弊社に加入し、再度業務の標準化を始動。
大前提、SVとして経験のある人が揃っているため、「今回はうまくいくかもしれない」と手応えはありました。
「以前は人材が足りず業務の標準化ができなかったものの、これだけ経験のある人がいれば順調に進められるかもしれない。」
FC企業からジョインした優秀なメンバーをコールセンター部長に迎え、属人化を脱するために以下の2点に注力しました。
弊社にはトークスクリプトの作成や案件管理を行うマネジメントチームと、実際にコールをするオペレーションチームがあります。
今まではマネジメントチームが設定した内容をオペレーションチームが実行。
しかし、業務が明確に言語化されておらず、オペレーターがどうすべきかわからないこともありました。
そこで、以下のように、マネジメントチームの業務の言語化・タスク分けをし、3つのチームにすることで、業務の橋渡しを明確にすると状況は改善されていきました。
全ての業務を「マネジメントチーム」として一任するのではなく、上記のように業務内容に分け、それぞれのミッションを明確にしました。
最初は5つ近くのチームがありましたが、試行錯誤を重ね”かぶる領域がない、かつ不足している領域がない”3つのチーム編成に辿り着きました。
ここまで完成するのに約半年。今ではそれぞれのタスクが明確になりましたが、業務を組織化することはそう簡単ではありません。
チームを作ったものの、担当が分からず混乱すること。
今まで個人で動いていた人たちが、組織として同じ文化を共有すること。
特に明確に決まった業務を高いレベルでやってもらえる様になるまでのフェーズは相当苦労しました。
ましてや、部長に任命したメンバーは、後から入ってきてやたらめったら改革しまくったので(笑)もとからいたメンバーからすると面白くなかったでしょう。
時には、今までのやり方を否定されたように感じたこともあるかもしれません。
そういう方の心のケアもやりながら、ただ会社として進むべき方向はしっかり示し続けました。
変化を受容し、soraプロジェクトに残ってくれたメンバー
反発に会いながらも改革を進めたリーダー
どちらも本当に感謝しています。
補足ですが、今までのメンバーは、テレマーケティングに関する仕事のレベルは高かったです。ただ、組織作りに関しては経験が必要なので、今の部長の存在は大きかったと思っています。
このような状況だったため、メンバー間のチューニングや改善を重ねることは最重要。
「昨日までうまく行っていたが、よく考えると他のやり方がある」「今のままでは正確な連携が取れていない」など、業務の標準化に取り組んでいた半年間は頭が休まることはなかったです。
しかしチューニングを重ね”誰が何をするのか”を明確に切り分けることで、業務の漏れもなくなり仕事の正確性や効率性も向上しました。
ここで重要なことは、「すり合わせ(チューニング)に時間を使う」ことです。
最終的に3つのチームに辿り着く未来は見えていませんでしたが、試行錯誤と改良を重ねることで、3チームがベストであると明確な答えを発見。
その後適正を見極め、それぞれ3チームに適した人材を配置することで、分けられた業務の質も向上。
さらに業務の標準化が成功すると再現性が高くなり、どの案件も同じクオリティでお客様の期待に応えられます。
当社は頂いた案件を自社で行うケースと、フランチャイズ企業へお任せする2つのパターンがあります。
標準化ができていれば、社内で案件を進めようとも、フランチャイズ企業へ依頼しようとも、クオリティに差は現れません。
結果的に顧客満足度が向上し、継続的に弊社に依頼してくださるクライアントが増えました。
加えて紹介案件も多くなり、営業職も自信を持って提案ができるようになります。
頂いた案件に対して属人化していなくてもコミットしてる、営業も案件が獲得しやすくなるなどメリットがある”脱属人化”
しかし脱属人化がもたらす利益は、顧客満足度の向上のみにとどまらず、社員が働きやすい”労働環境のホワイト化”にも繋がりました。
エース社員は必要ない|均等な環境で叶える”脱ブラック”
もともとは顧客満足度の向上のために始めた脱属人化ですが、結果的には嬉しい副産物も手に入りました。
それは労働環境のホワイト化です。
特にコールセンターはブラックな労働環境が多く、アウトバウンドに関しては一定の営業力も求められます。
アウトバウンドのコールセンターでは、以下4つの業務を一人で背負います。
このような場合、「その人がいないと仕事が回らない」という状況が発生します。
これは、「その人に聞けば全部わかる」というメリットもありますが、逆に言うとその人しかわからない、ということです。
そのため、休みの日や夜中でもお客様から直接連絡が来たり、そもそも休めなかったりします。「休んだらお客様や会社に迷惑がかかる」という歪んだ認識にも繋がります。
弊社に来てくれたSV・リーダーの中には前職でつらい思いをした人がたくさんいることでしょう。
結果的にオペレーターのケアへ気を回したり、効率化が実現できず、「架電してなんぼ」「根性でアポを取る」、そんな企業も珍しくありません。
しかし弊社が行っているのはテレアポではなく”インサイドセールス”です。
インサイドセールスは時間の許す限りリストを消化していくのではなく、ナーチャリングやマーケティングなどを通し、最終的にクライアントの売上向上を達成する必要があります。
求められる業務のレベルが高いからこそ、根性論ではなく、再現性を持ってインサイドセールスを行っています。
当社には”元光通信や元証券会社出身のスーパー営業マン”はいません。
そういう人たちは、確かに”個のスキル”はすごく優秀ですが、結局会社自体が強いわけではないのです。
個のスキルに頼ることでクオリティに差が現れ、業務量にも偏りが生まれます。
そうなると、会社という組織の成長は見込めません。
しかし業務の標準化が順調に進んでいる今、業務を明確に細分化することで一人にかかる負担も減り、以前に比べ労働環境が改善されています。
正直この結果は予想外です。
業務の標準化に取り組んだ段階では、労働環境の改善まで見えていませんでした。
当時は「どうすればお客様の期待に応えられるのか」にフォーカスし、試行錯誤を重ねた毎日。
それが今では、「誰が、どの仕事をしても」同じ成果が出せる環境になっています。
よくお客様や同業他社からも、「soraさんは標準化ができていますよね」と言っていただけることも増えました。
それでも今の標準化の点数は70%ほどだと思います。
体制は整ったものの、人員が足りてるとは言えません。
嬉しいことに依頼される案件が増えているため、人員が増えればその分対応できる範囲は広がります。
弊社は前述通り、3つのマネジメントチームに分かれています。
そのため、「なにか1つを極めてスペシャリストになりたい」、そんな方が活躍できる環境です。
最後に。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
改めて今回は、
この2点をお伝えいたしました。
手前味噌ながら、弊社はコールセンターという業種の中では、労働環境は非常にホワイトな部類だと思います。
シングルマザーの社員からも、必要に応じて早退や時差出勤ができ、子育て両立しやすい環境との意見も挙げられています。
「ホワイトなコールセンターで働きたい」「組織化されたチームで力を発揮したい」そんな思いのある方はぜひ、一度お話してみませんか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?