人間の抱える究極の問題の解答とは!?
物理学者が宇宙を統一するシンプルなたった一つの理論である大統一理論を実証したがるように、
心理職を長年行っていると、すべての問題の解決になる技法や理論とは存在するのだろうか!?という誘惑にかられます。
臨床活動における、様々な問題のカテゴリーは大別すると4つに分類されるのではと思います。
それは、
1,経済.2,人間関係.3.健康 4.生きがい
といったジャンルです。
これらの問題が様々に状況によって絡み合うことで問題が複雑になって行きます。
問題とは、正に災害の台風のようなもので、様々なものを巻きこみながら大きく発達していくように見えます。
しかし、台風が自然と消滅するように、問題も自然と消滅しているかのように見えることがよくあります。
物理学では、強い力、弱い力、重力、電磁力からこの世は構成され、この4つの力を一つにまとめる理論が存在するはずだ、ということが議論され続けています。
人間の苦悩の4つの問題を一気に解決する理論は存在すのでしょうか!?それにはまず、この4つの問題を一つにまとめる、大きな問題、つまりビッグクエッションを推測することから考えるとよいかもしれません。
ビッグクエッションへの解答とは!?
1,経済.2,人間関係 3.健康 4.生きがいをまとめるビッグクエッションの根幹になるエネルギーとは何でしょうか!?
それは「執着」であり、別の表現で表すと「依存」「拘り」といった現象でしょうか。
その執着の対象とは、
それは「私」という存在の「生」への執着であり、
同時に「死」からの逃避から生じる現象です。
エゴは足ることを知らないので、生について様々な装飾物を施します。「こうしたらより魅力的だ、快適だ…」と。その制限は限りありません。
しかしそれらは思考が創った創造物で、実際の「生」とは関係ありません。
マインドフルネスで、「今ここ」という「生」に直接触れると、これまで依存や執着していた不快な感情のエネルギーが徐々に「溶けて」行くことが分かります。
しかし、日常に置かれている状況によっては、酒やたばこ、ギャンブル、ゲーム、性、地位、名誉、お金、という強烈な快感におぼれて、
先ほどまで薄まったネガティブな感情が復活してしまします。
しかし、「継続は力なり」というもので、
最初は一日に一度一分からでも、今ここの感覚に浸る練習をすると、確実に人生はより快適で、穏やかな方向に流れていきます。
直接「生」を体感する方法
まず最初に、
目を閉じて、
鼻から冷たい空気が入り、暖かい空気が出ていくことに気がつきます。
鼻から息が入ってきた感覚と同時に「吸って」と心の中で唱えます。
次に鼻から息が出ていく感覚と同時に「吐いて」という言葉をゆっくり心の中で唱えます。
空気が入ったり出たりするたびに、楽な感覚で
「中に・・・・・外に。深く・・・・・ゆっくり。穏やかに・・・・・楽に」
と正確な言葉や順番にこだわらなくてよいので、心の中で自身のペースで唱え続けてみてください。
しばらくすると、
心地ちよい「感覚」に「気づく」かと思います。
では、その心地よい感覚に、ただ「気づいて」いてください。
それをしばらく維持します。
その心地いい感覚。
それが、思考の背景にある、「生」そのものです。
思考の中に、様々な問題が生まれては消えます。思考の中に時間も死も存在します。
しかし思考を支えている「生」には時間も死も存在しません。
その「生」はあなたや私が、気づいていようがいまいが、常にすでにそこにあったもので、これからも変わらず常にあり続けるものです。
ただそれだけ
私の好きな著書に「ただそれだけ カリヤニ・ローリー著 ナチュラルスピリット刊」があります。
その中の好きな一説をご紹介したいと思います。
「質問者:あらゆることが存在するなら、そのとき死とは何ですか?
ボブ:・・・(中略)・・・あなたが生を生きているのではなく、生があなたを生きているのです。あなたは自分がいつ生まれたのか、言えますか?
質問者:いいえ、私は実際覚えていません。
ボブ:いいでしょう。では、あなたは自分がいつ死ぬか、言えますか?
質問者:いいえ、言えません。
ボブ:ということは、あなたは自分が死ぬ時を想像しているのです。自分がいつ生まれたのか、あなたは言えません。もっとそれを詳細に見てみれば、生命とはたえず生命を食べて生きていることが分かるでしょう。その中にどこに死がありうるのでしょうか?」
ビッグクエッションの解答は、「生」そのものだともいえるかと思います。
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