「人生が困難だとしたら、難題を自身の成長、変容に使う機会を人よりも多くもっているということ」
ホールネスワーク
以前にも紹介したことがありますが、とてもお勧めの本で「ホールネスワーク」という本があります。
この本は、個人的には非常に画期的な本だと感じています。本の内容は、サブタイトルにあるように「人生の質を変える癒しと覚醒」についてです。
「癒しと覚醒」というテーマは、長い間人間のテーマとなってきており、それはおもにスピリチュアルの分野に任されていました。
スピリチュアルの核心には非二元、ノンデュアリティがあります。それは端的に言うと「私という分離した個は存在しない」「私は幻想で、あるのはただ広大な愛だけ」ということを述べます。
そして、そのことを話すマスターと呼ばれる覚者が伝統的に存在し、有名なものでは仏陀やキリスなどの法脈から連なる伝統的な教えです。
マイスター・エックハルト、ラマナマハリシ、プンジャジ、ニサルガダッタ・マハラジ、高名な禅僧などの前近代の偉大なマスターの流れを組んだ教えは現代までも脈々と受け継がれています。
日本で行われていた禅は海外に渡り、そしてまた海外から逆輸入されることでその価値を見直され、現代ではマインドフルネスという言葉で医療現場でも応用されています。
スピリチュアルの書籍でも、結局はこの非二元のメッセージはノンデュアリティという言葉を変えて多くの人の目に触れるようになりました。
多くのマスターの威光に隠れてしまい、遅れてしまった教えの成長
マインドフルネスにしても、非二元/ノンデュアリティにしても、そのメッセージは数千年殆ど同じことを繰り返しています。
そして、その教えは核心をついています。
そうなると人間は、その教えを述べるものの威光に目がくらみ、その教えが最高のものと感じ、その教え以外のものに触れたり、教えを改良したり、進化させようとする発想すらも生まれてきません。
未熟な幼い反応としては、その様な動きがあろうものなら、邪教や異端としてのけものにするような動きも見られました。
そうなると、マスターの言うことや非二元/ノンデュアリティの話が究極的だと思い込んでしまうバイアスが生まれてきます。
その様な大きな流れと圧力がありながらも、「ホールネスワーク」の著者コニレイ・アンドレアスは、「癒しと覚醒」をより多くの人々に届ける手法を可能にしたように思えます。
著書では、「第18章 スピリチュアリティの実践でよく語られる謝った九つの通説」という章がわざわざ設けられています。
通説1:私たちは意図して覚醒することは出来ない。覚醒への手順など存在しない。
通説2:小さな『私』など幻想である。そのようなものは存在しないので「大きな自己」にだけ意識を向けよう。
通説3:覚醒とは自分自身を「広大さ」として体験することである。よって広大であればあるほど良い。
通説4:『気づき』は至高の体験である。
通説5:「覚醒」は一度きりの出来事であり、ドラマ地区な体験であればあるほど良い。
通説6:マインドを騙さなくてはいけない
通説7:「覚醒」とは、今この瞬間に集中して存在することである
通説8:「覚醒」を体験したければ外側の世界から内側世界へと、意識を「方向転換」する必要がある。
通説9:「覚醒」するにはスピリチュアリティの先生など、他者の助けが必要である。』
というテーマに対して著者なりの見解を述べています。
この章に目を通すだけでも、覚醒に関心のある人はとても価値のある内容になっていると思います。
ホールネスワークとはどういうワークなのか!?
では実際にホールネスワークとはどういうワークなのか、といいますと
『ホールネスワークでは、まず初めにストーリーに気づきます。例えば、「だから私は悲しかった」というストーリーだったとしましょう。そして、「それに気づいている『私』はどこにありますか?」と尋ねます。この「気づいている『私』こそがストーリーを作り出しているのであり、この『私』が解けていくとともに、ストーリーも溶けていくのです。(本書p432)』
ということに集約されます。
ノンデュアリティや非二元では、自分という人生のすべては思考が作り出したストーリである、ということを「見抜く」ことが強調されます。
そして、そのストーリを形作る「意識」は生命そのものであり、愛やエネルギーと人によっては言い変えられます。
そして、ホールネスワークでは、そのストーリーを作り出している「私」を「気づき」という意識のフィールドに溶かすことを行います。
多くの悩みや困難を抱える人ほど、分離した「私」が多く存在するわけです。
その分離した『私』は、「気づき」という意識の広大なフィールドに統合し、融合されるのを待っています。
分離した『私』が融合されると、その気づきのフィールドは、以前よりも豊かになります。
自分の人生がより自由で深みを増し、意味のあるものとして体感できるようになります。
つまり、この記事のタイトルの
「人生が困難だとしたら、難題を自身の成長、変容に使う機会を人よりも多くもっているということ」
ということに繋がっていきます。
個人的にはこのホールネスワークを読んで実践したことにより、長年引きづっていた怒りと悲しみのストーリーを大きく緩和した体験があり、合う人には合うワークだと感じます。
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