今年のカンヌ映画祭 面白い作品、あるよ。
第75回カンヌ国際映画祭(2022年)コンペティション部門21作品からピックアップしたいと思います。
⭐『Crimes of the Future』⭐
製作国:カナダ、ギリシャ、フランス
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
キャスト:クリステン・スチュワート、レア・セドゥ、ヴィゴ・モーテンセン
あらすじ:人類が人工的な環境に順応し、身体的にも変異を遂げた未来。前衛的なパフォーマンスアーティストのソール・テンザーとパートナーのカプリスは、自身の臓器の変異を披露するパフォーマンスを行っている。一方、二人の行動を執拗に追う国立臓器登記局の捜査官ティムリンは、なぞの集団の存在を突き止める。
私の大好きなクローネンバーグ監督の新作。『ザ・フライ』もそうだが、クローネンバーグ監督は「人体の変異」を一貫して描くことに固執した監督である。年齢を重ねると表現方法が守りに入る映画監督が多い中、クローネンバーグ監督の映画に対する表現は一貫しており、ブレがない。それが私がクローネンバーグ監督の好きな理由である。
⭐ 『Decision to Leave』⭐
製作国:韓国
監督:パク・チャヌク
キャスト:タン・ウェイ、パク・ヘイル
あらすじ:ヘジュン刑事は、ある男性が亡くなった殺人事件の捜査を担当することになる。さまざまな観点から調べを進めるうちに、犠牲者の妻である謎めいたソレにますます疑念を抱くようになっていく。
私の大好きな、大好きなパク・チャヌク監督の新作。男女の心理戦、そして台詞の駆け引き。私の大好物なジャンルです。そして音楽を担当したのは長年タッグを組んでいるJo Yeong-wookというのが尚、嬉し。
⭐『ベイビー・ブローカー』⭐
製作国:韓国
監督:是枝裕和
キャスト:ソン・ガンホ、カン・ドンウォン
あらすじ:借金苦にあえぐクリーニング店主サンヒョンと、“赤ちゃんポスト”がある施設で働くドンス。乳児売買を裏稼業とする二人は、若い女ソヨンが赤ちゃんポストに預けた赤ん坊を連れ去るが、思い直し戻ってきたソヨンが警察に通報しようとしたため、やむを得ず一緒に養父母探しの旅に出る。
他人だったものたちが、乳児を介して疑似家族になってゆき、絆が深まってゆく。まるで『万引き家族』の『赤ちゃんポスト』版である。是枝監督が新作を韓国で作ったのは『万引き家族』を上映したときの日本の反応が起因しているのではないだろうか。こういう社会問題をテーマにした作品を日本で作りにくくなっているのは悲しい。
日々観た映画の感想を綴っております。お勧めの作品のみ紹介していこうと思っております。