#10 初恋💖 カノンとマロン
💖カノンの恋
2024年1月16日
10時過ぎに淡路島モンキーセンターに到着しました。
『#5AWAJIの恋』でも書きましたが、1月は『恋の季節』(発情期)の真っただ中。
駐車場でも山の中から「キャッキャッ」「ギャーギャー」とおサル達が恋の駆け引きをしている声が聞こえてきます。
おサル達の賑やかな声を聞きながら、坂道を上がり始めてすぐ
私が目にしたのは・・・
「こんなところでー?!🙈」
思わず声が出ました。
こんな情熱的なハグをしているのは誰?
気になります。
回り込んで見てみると、小さなメスはカノンちゃんでした。
オスの背中に回した右手はギュッと毛をつかんだまま、左手は時々ムギュムギュとリズムを刻むように動かしていました。
お相手のオスは、カノンちゃんの腰のあたりにしっかり両手を回し、完全に受け入れ体制です。
2人共カラスや他のおサルの声を気にする様子は見られましたが、しっかりと抱き合ったまま、私が真横でジーッと見ていても威嚇してくることもなく、完全に2人だけの世界でした。
どう見ても相思相愛の2人ですが、カノンちゃんの手、特に指先に注目すると、ただ彼の背中に手を添えているのではなく、完全に毛をギュッとつかんでいます。
そして指先を何度もムギュムギュと動かしているところに「絶対に離れたくない!」という気持ちが現れているようでした。
どうやら、カノンちゃんが彼を想う気持ちの方が強いようです。
💖マロンの恋
2023年12月26日 16時50分
多くのおサルが山に帰ったあと、管理室前でハグをしている、顔が真っ赤な2人を見つけました。
しかし、写真を1枚撮影した直後にパッと2人は離れてしまいました。
離れた後もオスはその場に留まり、マロンちゃんも少し距離を空けて様子を見ていたので、私はそのまま観察を続けることにしました。
相手は年上のオスです。
オスから攻撃されることを恐れているのか、慎重に動こうとしているように見えました。
オスはすぐに移動する気がないとみたのか、マロンちゃんの方から接近していきました。
視線を合わせず、小走りでオスの傍まで一気に近づきました。
ちょこんとオスの目の前に座ると、オスの視線と同じ方向をチラッチラッと2回見たあと、地面を見るようにうつむき「クー」と短く一度だけ鳴きました。
声のトーンとマロンちゃんの仕草から見て、これは間違いなく
『恋のアピール』=『恋鳴き』です。(個人的見解です)
短く一度鳴くと、すぐに顔を上げて周りをキョロキョロを見まわしました。
なんとなく恥ずかしがっているように見えます。
数秒後、今度はオスと目が合わないように注意しながら、チラッとオスの顔の方を見上げ「クゥーン」と先ほどより少し長めに鳴きました。
少し長めの「クゥーン」の後は、また照れを隠すように左→下→オスの胸元の順に素早く視線を動かしてから軽くうつむき
「クゥーン、クゥーン、グギャーッ、クッ」と今度は長めに、少しずつ声のボリュームを上げながら恋鳴きしました。
マロンちゃんの熱烈な恋鳴きアピールがオスに届いたのでしょうか。
マロンちゃんの長めの恋鳴きが終わった瞬間、オスの右手がスッとマロンちゃんの腰に伸びました。
オスがマロンちゃんを抱き寄せようとすると、とても自然にマロンちゃんの左手がオスの膝に触れたのですが…
一瞬だけオスの膝に触れると、クルッと体の向きを変えました。
彼からの急なハグに戸惑ったのか、それとも恥ずかしくなったのでしょうか?
マロンちゃんは左手で彼の右手を上から握っていました。
どことなくドキドキ、モジモジしているような雰囲気です。
このまま7秒ほど経過。
またマロンちゃんが動きました。
スーッと体をひねって向きを変えると、ゆっくり彼の背中に両手を回しました。
しかし、表情を見るとまだドキドキしているようです。
手の動きを見ても、いきなりギュッとオスの毛をつかむのではなく、まずは指先を伸ばしたパーの形でソフトタッチ、そして一呼吸おいてから
ムギュッとオスの毛をつかみました。
でも、また恥ずかしくなったのか一度ムギュッとしただけで
またクルッと体を横に向けてしまいました。
そのままの体制でオスの右手を毛づくろいするように触ったり、手の甲を擦りながら10秒ほど経過…
「あら?」
マロンちゃんがオスの右手をスーッと下ろしました。
その行為はまるで「もうハグはしなくていいよ」と言っているようでした。
右手を下げられたオスは、あっさりマロンちゃんのもとから去っていきました。
どうやら、この2人の場合はマロンちゃんの片想いだったようです。
オスは彼女を恋愛対象として見ておらず「まあ、俺でよければハグの相手くらいはするよ」と、彼女の気持ちを受け流しているように感じました。
そんな気持ちをマロンちゃんも感じ取って、握っていた手を自ら下げたのかもしれません。
💖2人は同い年
カノンちゃんとマロンちゃんは2019年生まれ。
現在4歳です。
人間の年齢に換算すると16歳くらいでしょうか。
おサルの世界では、メスは4歳頃から発情が始まるようなので、もしかしたら2人共に、今回が初恋だったのかもしれません。
私が淡路島モンキーセンターの存在を知り、YouTubeライブを見始めたのは2020年の春。
ちょうど2人が1歳になる頃でした。
可愛い盛りの1歳児達の様子はスタッフの方々のInstagramにも頻繁に投稿されていて、その写真や動画を通して2人の成長を当時から見てきました。
幼児期から知っている子ども達が成長して、初恋を経験する年齢になったことは感慨深い思いです。
初恋が実って幸せそうだったカノンちゃんと、ちょっぴり切ない初恋だったマロンちゃん。
私が目撃した2人の初恋は対照的な恋模様でしたが、おサル社会にも人間社会に似た感情が確実にある事を感じることができた素敵なシーンでした。
おサルの『初恋』を見て、こんなにキュンキュンさせられるとは思ってもいませんでした。
現在の淡路ザルの様子が気になる方は、ぜひYouTubeライブをご覧ください。
淡路島モンキーセンターのホームページは、こちらからご覧ください。