ワタシは宇宙人 「前世の記憶の防御規制」 #38
誰にでもひとつはあるだろうか。
無意識に自分を守る方法を。
自分がこれ以上傷付かないようにする為に、無意識に自分を守るのは防衛規制のひとつなのかも知れない。
ただ、わたしは自分が大きな何かを隠しているような気がして仕方ない時があった。
わたしは人が大好きで、地球も緑も全てこんなに大好きなのに、小さい頃から、自分のどこかに深い闇を抱えているように感じていた。
それは、今、この地球で体験したことではなく、生まれてくる時にはすでに抱えていた気がしていた。
絶望的な悲しみ、怒り、恐怖…後悔。
そこに意識を向けると、自分ひとりでは到底解決出来ない気がしていた。だからあえて、そこに焦点を当てずにずっと蓋をしたまま、大人になるまで来た。
恐れや恐怖に焦点をあてると、その闇はたちまちに広がり、自分を飲み込んでしまう。そこから光を見つける術はひとつ。「自分」を信じることなのだ。
わたしは何となく答えを知っていた。どんなに辛い事があっても結局は信じるしかないのだと。相手の力を、自分の力を、自分の人生の全てを。
もう飲み込まれてはいけない。
そう。かつてわたしは、大きな闇に飲み込まれてしまったんだ…。
わたしは小さい頃から何度も何度も同じ夢を繰り返し見ていた。とてもとても古い時代の夢だ。
それが何を意味するのか全くわからなかった。ただ、いつも最後は闇に飲み込まれてわたしは死んでしまう夢だった。
その夢を見る度に、絶望するほど深い悲しみと後悔の気持ちに襲われるのだ。そして泣きながら目を覚ます。
それはきっと、むかしむかしのわたしの前世の記憶なのだろう。それは直感で分かっていた。場所はここ日本だ。でも、小さい頃は詳細が思い出せなかったのだ。
むしろ、思い出してはいけないと無意識に防御規制が働いていたのかも知れない。
そんな時は、いつも祖母や母の布団に潜り込んでは人の肌の温もりを求めた。
そしてわたしは泣きながら、何度も何度も何度もしつこく訪ねる。
誰もいなくならないよね?
すると、祖母や母はいつもこう答えてくれた。
大丈夫だよ。何も心配しなくて良いから寝なさい。
何度も何度もその言葉を聞いてひどく安心した。
わたしはその封印された記憶の蓋を、大人になって開ける日が来るとは思ってもいなかったのだ。