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舞台『日本昔ばなし 貧乏神と福の神~つるの恩返し~』


久しぶりに舞台を観ました!
シンフォニー音楽劇『蜜蜂と遠雷~ひかりを聴け~』で私も大変お世話になったモトイキシゲキさん脚本、演出。同作で共演した、黒田こらんさん、石井智也さんが出演された舞台です。


■劇場:東京芸術劇場シアターウエスト(小ホール2)
■公演日程:2022年11月17日(木)~11月27日(日)
■出演者
寝太郎/碧空村の百姓:小出恵介
つる/庄屋の娘:中村ゆりか
俵屋長兵衛/碧空村の庄屋:丹羽貞仁
お徳/庄屋の内儀:黒田こらん
新之介/町の豪商 白木屋:大倉空人
甚左衛門/碧空村の村長:中西良太
千羽鶴/鶴の妖精:原日出子
はる/寝太郎の母:安寿ミラ
貧乏神:星田英利、片岡鶴太郎、生島ヒロシ(日替わり。私の観た日は、生島ヒロシさんでした)
お笑い福の神:肥後克広(ダチョウ倶楽部)、星田英利、レギュラー、コロコロチキチキ、ひょっこりはん、かなで、彦摩呂(日替わり。私の観た日は、彦摩呂さんでした)

公式ホームページによると、「国民的TVアニメ『まんが日本昔ばなし』のお話をもとに初舞台化」
私も子供のころ、テレビ番組『まんが日本昔ばなし』を観て育った世代なので、タイトルを見ただけで、とても懐かしくなりました。

昔ばなしの世界へ

「ぼうや~よい子だ、ねんねしな~♪」

とお馴染みの歌と、子どもが龍に乗った、あの映像も映し出されました。そして、なんと故市原悦子さんのナレーションも。AIの技術だそうですが、このナレーションを聞いただけで、涙が出そうな懐かしさ。舞台序盤の演出に、テレビの前で物語の始まりを楽しみにしていた子供時代にすっかり戻っていました。

物語は、「つるの恩返し」「三年寝太郎」「貧乏神と福の神」と、いろんなお話が絡み合って進んで行きます。

あらすじ
夫を亡くし碧空村に住む“はる”(安寿ミラ)が、息子を背負って町から帰る道すがら、夫婦鶴が幸せそうに愛の告白をするところに出くわします。その時、大きな銃声が響き、夫婦鶴に命中。鶴は、崖から落ちていきました。
鶴の行方が気がかりな“はる”は、崖を降り、鶴を探します。しかし、そこにいたのは、瀕死の状態となった鶴の精霊である“千羽鶴”(原日出子)とその赤子。“千羽鶴””は“はる”に、赤子を託すことを懇願し、崖から飛び立ち、命を落としてしまいます。
そこへ、狩りをしていた、村の長“甚左衛門”(中西良太)らがやってきて、赤子の親を間違って撃って殺めてしまったと勘違い。赤子を引き取り、育てることになるのだが…。

舞台『日本昔ばなし 貧乏神と福の神~つるの恩返し~』公式ホームページより


ちなみに黒田こらんさんは、俵屋長兵衛の妻、お徳役。20年大切に育てた”つる”が、少ない余命を悔いなく生きようと葛藤する姿を複雑な心境で見つめ、ときにはシリアス、ときにはちゃっかりコミカルな役柄でした。特にコミカルな演技が印象に残り、終盤になると、また何か面白いことをやってくれるのではないか、と期待してしまうほど。たくさん笑わせてもらいました(笑)

そして石井智也さんは、”お笑い福の神”彦摩呂さんを先導する、ミニ?福の神様役。金と朱色の光輝く衣装を身にまとい、大きな笑い声と笑顔で、ステージが一気に明るく賑やかな雰囲気になりました! 

共演したことがある方々が出てくると嬉しくなり、ちょっと身を乗り出してみてしまう私でした(笑)

大切なこと

休憩なしの1時間40分くらい。笑って、涙して、本当に観てよかった! 
生きる活力が湧いてくるメッセージがいっぱい詰まっていました。
貧乏でも、笑顔で暮らしている寝太郎とはるさん親子、その家に住み着いている貧乏神。貧乏神とはいえ、この家をお守りいただいた神様だから、と暮らしぶりがよくなってきた寝太郎の家にやってきた福の神を追い返して、貧乏神を守る、という展開に! この感覚は八百万の神々を大切に信仰してきた日本独自のものかもしれません。最後は会場全体が、とても温かい雰囲気に包まれ、事前に出演者から「いっぱい笑ってくださいね」と言われていた意味が分かりました。ただ面白く笑うことはもちろん、自然と頬が緩み、笑みが浮かんでくる、そんな幸せを共有できる舞台でした。

帰り道、とてもほっこりした気持ちで、私も笑顔になっていたと思います。お話を通して人生の教訓を教えてくれるものだと、改めて昔ばなしの大切さを見直しました。

また、他の昔ばなしも観たくなってきたな~

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