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古くて新しいコラボレーション――学生時代の原点に戻り挑戦したミニライブ
先日〔2022年5月1日(日)〕行った、森亮子さん(パイプオルガン)とのコラボレーションミニライブから一週間が経過しました。お客様の前で歌う機会がまだ少ない現在、一つのコンサートに臨む緊張感、かける想いが強く、先のコンサートでは体重が減ってしまったということを書きました。
今回は痩せてはいないようで、ちょっと安堵しながらこの原稿を書いています。
森先輩との再会
コラボレーションを企画するにあたり、重要だったのは「誰とコラボレーションをするか」、もっと正確に言えば「誰とコラボレーションをしたいか」でした。共演をする相手によって当然選曲やライブ全体のコンセプトが変わるので、とても重要なポイントです。そして今後もコラボレーションライブを企画していくことになれば、この第1回目が基準となるため、最初はとても肝心。
私の頭に自然と思い浮かんだのは、オルガン奏者の森亮子さんでした。
森亮子さんのプロフィールはこちらをご覧ください。
森先輩と知り合ったのは大学院時代、私より一つ上の学年でした。ソプラニスタやカウンターテノールという声種はバロック音楽が大切なレパートリーとなるため、私も学生時代にヘンデル、ヴィヴァルディ、パーセルなどをよく勉強し、歌っていました。大学院を修了するための試験でもヘンデルを歌うことになり、同じくバロック音楽が重要なレパートリーとなるオルガン科の森先輩に伴奏をお願いしたことが出会いのきっかけでした。
大学院時代に一番多く共演させてもらった森先輩とコラボレーションをすることで、自分の原点を見直し、そして自分自身さらに成長したい。早速森先輩と連絡を取ることにしました。
再会そして大切なプログラム構成
森先輩とは7年ぶりくらいの再会となりましたが、今回の企画を快諾してくれました。気さくで優しい森先輩と話をしていると、当時と何も変わっていないような気持になると同時に、試験目前に一緒に練習を重ねた緊張の日々も蘇り、俄然やる気が出てきました。選曲にも気合が入ります。
「アヴェ・マリア」
まず、真っ先に思い浮かんだのがJ.S.バッハ=C.F.グノーの「アヴェ・マリア」。舞台『蜜蜂と遠雷~ひかりを聴け~』の劇中でも歌った私の大切なレパートリーです。バッハが鍵盤楽器のために書いた曲を元に、グノーが声楽曲に編曲をした曲なので、「オルガンと声楽」という今回のコラボレーションにはもってこいの選曲です。
「シオンの娘よ、大いに喜べ Rejoice Greatly, O Daughter of Zion」
ハイライトには、大学院時代に2人で追求したバロックの音楽を必ず入れたい、「ソプラニスタとパイプオルガン」=「木村優一と森亮子」でしか演奏できない曲を入れたい、と決めていました。選んだ曲は
G.F.ヘンデル作曲のオラトリオ『メサイア』より、ソプラノのアリア「シオンの娘よ、大いに喜べ Rejoice Greatly, O Daughter of Zion」華やかな装飾に彩られた名曲です。
森先輩とこの曲を演奏するのは初めて。経験上、万全な体調と十分な練習、集中力がないと歌えない難曲なのでプログラムに入れるのには勇気がいりましたが、あえてハードルを上げて成長できるライブにする! 逃げずに頑張ろう、と決断しました(リハーサルでお互いに「これは大変だ!」となるのですが、それは別の機会に書きたいと思います)。
「蘇州夜曲」
この曲については、『蘇州夜曲~水郷の街に思いを馳せ~』に詳しく記していますので、ご覧ください。
「トッカータとフーガ ニ短調BWV 565」
森先輩のソロ曲。オルガンといえば、というJ.S.バッハの名曲です。
「ふれあうだけで~Always with you~」
そして今回のラストには、三浦大知さんの「ふれあうだけで~Always with you~」。動画撮影やコンサートで歌い、最近の私のお気に入りの一曲です。愛にあふれた歌詞が、恋愛だけでなく、もっと広い愛の歌とも解釈できるこの歌。不安定で暗いニュースが多い今の世の中、人々の心に少しでも届き、癒しとなればと願いを込めて選曲しました。
プログラムが決まったところでいよいよリハーサル、そして本番の話を! と思いましたが、かなりの文字数になってしまいましたので、続きはまた次回に。お楽しみに!