日々欠かすことができない音楽~『再会 日本の心コンサートvol.4』を終えて~
2022年3月3日(木)渋谷区文化総合センター大和田さくらホールで、スマイル合唱団、青春ポップス合唱団の皆様を対象にした『再会 日本の心コンサートvol.4』が開催され、久しぶりの大舞台に立ちました。合唱団の皆様に歌を聴いていただいたのは実に2年ぶりです。
2020年から続くコロナ禍の影響で、何度かコンサートの企画が持ち上がり、練習をスタートしても中止、延期に、まだまだ音楽家には厳しい状況が続いています。しかしまん延防止等重点措置の中、無事に今回のコンサートを終えることができたことは本当に有難く思います。
練習も大変なんです
今回、私は3つのソロ曲がありました。山田耕筰作曲、北原白秋作詞の日本歌曲「からたちの花」、三浦大知さんのカバー曲「ふれあうだけで~Always with you~」、太田裕美さんのカバー曲「木綿のハンカチーフ」です。
通常、共演者と事前に何度か練習をするのですが、このような状況下では、極力対面する機会を減らすため、ピアニストとの合わせ練習は最低限。「ふれあうだけで~Always with you~」「木綿のハンカチーフ」を弾いてくださった飯田俊明さんとは本番一週間前に1度練習でお会いすることができましたが、「からたちの花」を弾いてくださった渡辺優美さんとは当日のリハーサルで初合わせ練習でした。
「ふれあうだけで~Always with you~」は動画撮影をしたことがありますので、基本的にはそのスタイルを踏襲しました。
「木綿のハンカチーフ」は今回初めて挑戦する歌でしたので、どのようにアプローチしていくか迷ったのですが、まずは太田裕美さんのオリジナルに寄せて練習していました。しかし、天才ピアニスト飯田さんも秘策を考えてきてくださっていたようで、YouTubeに投稿されている女優の橋本愛さんが歌う「木綿のハンカチーフ」のように歌ってみてはどうか、と提案されました。歌ってみると、私の声にはこの方向の方が合っていると確信し、橋本愛さんバージョンに方向転換しました。
体力、気力を一気に投入する本番
本番当日は出演者、スタッフ全員の抗原検査を実施し、開場後は客席と舞台裏を完全に遮断、スタッフの往来もしないという徹底した感染予防の元で開催されました。
初めての合わせ練習となる「からたちの花」をはじめ、全体のリハーサルが終了し、本番を迎えるのみとなった時点で、近年なかなか経験していないほどの緊張を感じました。2年前に合唱団の皆様に歌を聴いていただいたのも同じホール。いろんな思いがこみ上げてきます。
本番がスタートし、序盤のプログラムを舞台袖で聴いていると、どれだけこの日を皆さんが待っていてくださっていたのかということが伝わってきました。このご時世なので、声援こそないのですが、一曲ずつ終わるたびにお義理ではない拍手が響き、笑顔が見えるのです。
私も自分のソロ曲を歌いながら、それをひしひしと感じました。曲によってはすすり泣きも聞こえてきました。
コンサートの最後に出演者全員で大合唱をしました。例年であれば、客席の皆さんも一緒に歌って盛り上がるところなのですが、今回は心の中で歌っていただきました。それでも私の耳には、その声が聞こえていたと思います。
終演後、ホワイエでのお見送りもできないため、客席から最後の1人が見えなくなるまでステージから全員で手を振り続けました。
コンサート終了後、近年になく疲れてしまい、順調に増えていた体重が、数日で減ってしまいました。そうだった、コンサートとはこんなに体力、気力を使うものだと再認識しましたが、それ以上に音楽がいかに我々の生活に欠かすことのできないことかということを皆で確かめ合った気がします。
いっぱい食べて、いっぱい勉強して、いっぱい練習して、また次の舞台に上れる日を楽しみにしています。
コンサートまでの奮闘記をYouTubeチャンネルにアップしていきます。まずは第1弾 を是非ご覧ください。