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ドラッカーのマネジメントについて学ぼう - ⑯組織の規模によるマネジメントの考え方

さあ、金曜日だ。
金曜日は、ドラッカーの「マネジメント」について学ぶ日だ。

この本は非常に緻密に書かれており、記事としてはドラッカーが書いた内容を順になぞっていくようなものになってしまうかもしれないと思っているが、可能な限り現代的な解釈をして、わかりやすく解説を加えていきたいと思っている。

先週は「トップマネジメントの役割と仕事」について書いたが、今日は「組織の規模によるマネジメントの考え方」について書こうと思う。


企業の規模感

ドラッカーは、組織(企業)の規模を「小企業」「中企業」「大企業」の3つにカテゴライズしている。

その「規模」を測る基準は、従業員数・売上高・付加価値・製品(サービス)・市場・産業構造など、多岐にわたる。しかし、その中で規模の適切さをかなり正確に示す基準が従業員数だ。ドラッカーはひとりの人間が「本当によく知ることのできる人間の数」が、最大限で12~15人だと説いている。

つまり、社長がひとりで従業員全員(12~15人)に目が届き、それらの人たちの性格や考え方、求めているものなどを把握できる人員数で構成されている企業が「小企業」で、それを超える人員数(トップマネジメント3~4名を介して、各々が12~15人を見る組織、つまり全体で40~60人)の企業を「中企業」と定義する。そして中企業の規模を上回る(ドラッカーの言葉を借りると「組織図や記録を調べなければ、決定的に重要な人物が誰であり、どこにおり、前に何をやり、現在何をしており、これからどのような道をたどることになりそうか、まったくわからない」ような状態の)規模感の企業を「大企業」と定義する。

小企業の規模のマネジメント

一般的に、小企業にはマネジメントは必要ないと思われがちだが、実は大企業以上に組織的で体系的なマネジメントが必要となる。それは小企業には戦略が必要で、その戦略を着々と実現させなければならないからだ。そうでなければ、小企業は業界の中で限定的な存在に甘んじることになる。

そのあたりの詳細は、ボクが別のシリーズで書いている、マイケル・ポーターの「競争戦略論」の記事を読んでいただくのが良いだろう。

中企業の規模のマネジメント

中企業の規模がマネジメントにとって最も適切な規模感である。それは大企業と小企業のいいとこどりができるからだ。

この規模感であれば、特別な仕組み作りをしなくてもチームワークが生まれやすい。従業員ひとりひとりが自分の役割がどんなもので、何を期待されていて、何をすれば会社やチームに貢献できるのかを理解することが容易だからだ。しかも資源も十分にあり、企業自体の知名度もそこそこあるので、(得意分野においては)あたかも大企業のように活動することができる。

つまり中企業は、その得意分野における優位性を維持することが「成功」であり、小企業は(得意分野を有している)中企業を目指すべきだ。ただし、中企業の規模感になると好事魔が多くなることを理解する必要があり、多くの場面で抑制が求められることになる。

大企業の規模のマネジメント

ドラッカーは大企業のマネジメント(不適切な規模感への警鐘やその対策など)についても丁寧に記載している。しかし、この記事の中では大企業の経営者向けのメッセージを書くつもりがないので、その部分は割愛することとする。

(続きはまた来週)


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