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「ファスト&スロー」を読む - ⑧直感力と認知的錯覚

さあ、木曜日だ。

木曜日は心理学を取り上げていきたい。
このシリーズでは、ダニエル・カーネマンが書いた「ファスト&スロー」という本を取り上げて、ボクが読み進めながら受けたインスピレーションを書き連ねていこうと考えている。

ご興味おありの方は、ゆっくりお付き合いいただけると幸いだ。


疑うより信じたい

ボクたちは進化の過程で環境のほんの僅かな変化を感知する習性が身に着いている。たとえ、それがランダムなプロセスのゆらぎ・・・であったとしても、それを何かの規則性もしくは一貫性であると考える傾向がある。

ヒトは「疑うより信じたい」というバイアスを持っている。
それはシステム1の連想マシンの機能であり、ボクらは与えられた情報の範囲で、できるだけつじつまの合う筋書きをスラスラと作ってしまうからだ。システム2はその筋書きを疑おうとはするものの・・・・・・・・・・、システム2の特性である「疲れやすさ」から徹頭徹尾疑い続けることはできない。

直感力の優れている人

ボクたちのシステム1は原因追求が大好きだ。
それは、遥か昔の祖先から受け継いできた警戒行動の一部だ。古来よりヒトは自分の周に起きる事象に規則性を見つけ出し、その変化に気づくことによって危険を回避する確率を上げてきたのだ。

そういった連想マシンの働きが「直感」と呼ばれているものだ。
直感力の優れている人は、身の回りで起きている事象の機微な変化を感じ取り、他の人が気づかないプロセスのゆらぎを発見することができる人だ。当然そういった人は危機回避能力が高く、また他者に見えてないことが見えているという点においても、周りから一目置かれる存在になるだろう。

認知的錯覚

しかし、直感(経験則や先入観などを基にした判断)が先行してしまうと、時として非合理な判断をしてしまう場合がある。

ボクたちのシステム2には「システム1の判断を疑う」という機能が備わっている。システム2が正常に機能している限り(経験則や先入観ではなく)論理的な考えを基にして、全く異なった判断を下すことができる。それが将来的に正しい判断となるか、皆が気に入る判断となるかは別として…

しかし、システム2は疲れやすい。
すぐにその機能を低下させてしまう。
よって、ボクたちの思考の中には、かなりの割合でシステム1の「非合理な判断」が紛れ込んでいる。

それが「認知的錯覚(認知バイアス)」だ。

来週以降、主な認知バイアスとその詳細(傾向)について書いていこうと思う。


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