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電影鑑賞記『破浪男女 The Chronicles of Libidoists』(2024)

Wu Kang Ren 吳慷仁ファンとしては観に行かずにはおれない。なんだか世間では騒がしいし、このビジュアルはとても魅力的だ。

吳慷仁は Jessey Tsang 曾翠珊の『非分熟女』で知った。阿Saの体当たり演技なんかより吳慷仁の芝居の良さで成り立つ映画だった。ここからファンになった。

『富都青年』『但願人長久』で縁起が多くの人に認められて本当に嬉しかった。様々なインタビューなどで人品も良いと思っていたところ、今年の香港電影金像獎でよろめいた梁擁婷をさっと支えようとする仕草を目の前で見て本当に好人だと確信し、余計にファンになった。

なので世間もいろいろ騒いでいるし、とても期待して観に行った。

吳慷仁は悪くなかった。とはいえ、『富都青年』『但願人長久』のようなしっかり考えて消化した芝居というよりは、演出が入ったのではないかという部分もあって芝居についてはちょっと物足りない感も残った。

しかし吳慷仁はやはり凄い。『富都青年』では社会の最下層の不法移民を演じる為に随分体重を落としてガリガリに痩せた。本作では全裸も見せるからか、美しい身体に作りあげていた。腹筋を割るようなムキムキ系にもっていく手前の、見ていて自然でしかも好感の持てる身体。男性の身体(筋肉)にうるさい私が高得点を差し上げます。

作品としては、とても Yang Ya-che 楊雅喆な作品と言って良いと思う。『血觀音』でもそうだったけれど、人間の欲をキリキリと描くので電影作品としては私はあまり好きではない。本作も結局何を描きたかったのか、という疑問しか残らなかった。これはもしかしたら私自身が台灣國語をわかりきらないせいかもしれないので私個人の感覚として受け取ってもらえたら。

私は make love には相手の嫌がることは絶対に許されないと考えるので、嫌がる吳慷仁に3Pやケツ掘りを強要するシーンは嫌だったな。

インタビュー等を読んでいないので、なぜこの作品に突然 Will Or 柯煒林が出ているのかが謎。

ということで全体的な感想としては、吳慷仁が素晴らしい俳優なだけにとても期待していたので、吳慷仁を上手く使いきれていなくてもったいない、としか思えなかった。

高先電影院にて鑑賞。★★

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