駐車場内の事故 客観的証拠が乏しく、交渉が長引く事案の対応策は?
ある日、ソニー損保の損害サービス部門のスタッフにあてて、お客さまからこんな声が寄せられました。
【お客さまの声】
この声をいただいた損害サービス部門のSさんに、普段の対応や心がけていることについて聞きました。
相手方は責任割合「100対0」を主張、お客さまへの説明は?
今回のケースは、駐車場内での事故でした。60代の男性のお客さまが車で駐車場に入ろうとしたところ、出ようとしていた相手方の車とぶつかったのです。幸い、双方にケガはありませんでしたが、車は2台とも修理が必要でした。
「駐車場内で事故が発生するケースは多いのですが、双方の主張が食い違い、解決に時間を要するケースは比較的多くあります。今回も事故の状況から時間を要するかもしれないと思いました」
今回のような事故の場合、お客さまと相手方の責任割合は50対50から交渉がスタートするのが一般的です。ただ、相手方は「自分の車は停止していたため、責任割合は100対0」との主張でした。一方、お客さまは事故直後から大変冷静で「相手方のお気持ちが収まるのなら、責任割合はお任せします」とのご意向でした。
双方の主張が食い違い、長引くことが多いケースの一例として、①双方の車に損害が出ている場合②時間帯や場所から目撃者が少ない場合③防犯カメラ・ドライブレコーダーといった客観的証拠がない場合などがあげられます。
Sさんは、契約者であるお客さまの側に立つことが大前提ということ、お客さまのお話を聞く限り、相手方の主張をそのまま受け入れることはできないことを伝えました。双方の車にドライブレコーダーはなく、相手方の「100対0」の主張を立証することは困難だったためです。
相手方の話をじっくり聞き、主張は簡潔に
交通事故の対応では責任割合を巡り、お客さまや相手方が感情的になる場面も少なくありません。
「まずはじっくり話を聞きます。相手方と交渉をする際は、相手方のお話が途切れたところで、こちら側の主張を簡潔にお伝えします。『粛々と進める』という言葉が適切かもしれません」
こうしたやり取りは対面ではなく電話です。表情がわからない分、難しさがあると思いますが、電話での信頼関係の築きかたについて、Sさんはこう説明します。
「自動車保険の専門用語を極力使わず、わかりやすい言葉に言い換えます。また、冷たい印象にならないよう落ち着いた声でゆっくりと話すよう心がけています」
Sさんは相手方や、相手方の保険会社と粘り強く交渉し、最終的に責任割合はお客さま80、相手方20に。事故から半年ほどで示談が成立しました。
「お客さまは私からの経過報告を好意的に受け取ってくださったのだと思います」Sさんは相手方との交渉に動きがあると、こまめに報告するよう心がけていました。このようなSさんの対応がお客さまに安心感をもたらし、今回のお礼のメールにつながったのかもしれません。
「未経験の仕事にチャレンジしたい」 上司や先輩の面倒見のよさに驚き
Sさんは2012年にソニー損保での仕事をスタートしました。新卒で入った会社が金融業で大きなくくりでは同じ業界であること、普段車を運転するので自動車保険を身近に感じていたことがソニー損保を選んだ理由です。自動車保険の仕事は未経験で、転職するなら新しい仕事にチャレンジしたいという思いもありました。
「入社して、上司や先輩たちの気さくさと、面倒見のよさに驚きました。仕事の質問をすると忙しいのに手を止め、私のほうに体を向けて、解決するまで親身になって教えてくれるんです。私もそのような姿を見習い、指導できるようになりたいと思いました」
つねにさまざまな案件を担当するSさん。示談が成立したときにお客さまから「解決して安心しました」と言っていただくときに、仕事へのやりがいを感じるそうです。
自分を前面に出さず、お客さまの意向を尊重
仕事で心がけていることや、今後についてSさんは「自分を前面に出さないようにしています。仕事を始めたころは、自分の感情が入り込みすぎてしまうこともありました。しかしあまりいい結果を生まなかったように思います。そのため当事者であるお客さまの意向を尊重し、それに合った選択肢を提案するようになりました。これからもお客さまの話に耳を傾けていきます」と語ります。
最後にSさんにとって自動車保険とは何かを聞きました。
「”安心してできることを広げられる存在”ではないでしょうか。自動車保険があるからこそ、安心して車を運転できます。そういった意味では、なくてはならないもので、自動車保険があることで多くの可能性が広がるものだと思います」
まとめ
今回は損害サービス部門のSさんにお話を聞きました。
お礼のメールをいただいたお客さまへの事故対応を丁寧に説明してくれたSさん。その姿から、仕事でのお客さまへのきめ細かな対応が伝わってきました。
今後も現場スタッフに関する記事をnoteに投稿していきますので、引続きよろしくお願いいたします。
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