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「嫌われる勇気」 -実践編-

こんにちは!最近、以前も取り上げた『嫌われる勇気』という本を周りの友人にもおすすめしているのですが、思いのほか共感や反響が大きくて驚きました。

「まさにそういう悩みをずっと持っていた」「自分が誰かに必要とされてるのかわからなくなる」という悩みを持っている友人が、意外と周りにいたのです。

そしてこの本を読んだけれど、「結局どう実践すればいいのか分からない」「まだ自分を受け入れられない」と悩んでいる人もいることを知りました。

なので今日は、私も自分なりにこれを噛み砕きながら、そんな人一人にでも届くような記事が書けたらと思っています。

ちなみに、この本でよく出てくる「課題の分離」という考え方については、以前まとめたものがあるので、気になる方はぜひそちらから読んでみて下さい。

おさらい

さらっと前提の大事な部分をおさらいしましょう。
アドラー心理学によると、すべての悩みは対人関係であるといいます。しかし、私たちが生きていく上で対人関係から解放されることは、たった一人で宇宙のかなたにでも行かないかぎり不可能です(笑) 

となると、対人関係において自由になるためには、他者から嫌われることを受け入れるしかないのです。確かに、嫌われたいと望む人はいませんが、誰からも嫌われないためには、あらゆる人にいい顔をして、忠誠を誓うことになります。でもそれは、少なからずどこか嘘をついてるということですよね。そして何より常に他者の顔色を伺い続けるのは不自由な生き方です。

なので、自分の生き方や方針を貫き自由に生きていくには、「嫌われる勇気」を持つ必要がある。というのが、まさに本のタイトルでもある核心部分でした。

しかし、それはわかっても、「結局どうしたら嫌われる勇気が持てるの、、?」というのが、切実な心の声だと思います。

1  | 「課題の分離」を思い出して

ではまず、「嫌われる勇気」をもう少し言い換えてみると、「ありのままの自分をさらけ出す勇気」だと思います。

つまり、これが持てないという人はまだ、他者の目線や評価が気になっているのだと思います。とても分かります。そういう方はもう一度、「課題の分離」を思い出してみて下さい。

つまり、他人が自分をどう評価するかは「他人の課題」であって、自分がどうにかできることではないのです。悩んでも仕方ないですし、それは他人の課題に介入しているということです。

まずはそれを割り切ること。そしてもう一つ私が楽になったのは、「自分の顔を気にしているのは自分だけ」という考え方です。実は自分が思っている以上に、他人は自分のことを気にしていません。

例えば私は、人前で自分の意見を発言することに抵抗感を持ちがちでした。「こんな中身のない質問したらアホだと思われるかな」とか、まあ色々考えて(笑) でも実際は、周りの人ってそこまで気にしてないし、誰もそんなこと覚えていません。それよりも、わからないことをわかるようにすることで、自分の知識や能力を上げていく方がいいと思いませんか?

なのでまずは、「自分の意見を発言してみる」などそういうところからやってみると、色々と他のことも変わってくると思います。

また、「課題の分離」に関連してもう一つ言えるのは、「変えられるもの」と「変えられないもの」があることを知るというのも大事です。そして、あくまで「変えられるもの」に注目して、それを変えていく努力をすることが大事です。

例えば、いくら自分が羨ましく思う容姿の他人がいたとしても、自分がその人になることはできません。変えられないことについて嘆き続けるのではなく、「与えられたものをどう使うか」というのも、この本の中でとても響いた考え方です。

こうした「肯定的なあきらめ」というのも、ありのままの自分を許して受け入れるのに重要な考え方だなと思います。

2 | 貢献することで自分の存在価値を感じよう

次に、承認欲求からどうしても解放されない人。「やっぱり嫌われたくないし、自分が必要だと言われたい」という友人の言葉が頭に浮かびます。

でも、自分の存在価値というのは、他者からの承認からしか得られないわけではなく、共同体に対して貢献することによって、「ここにいていいんだ」という所属感や存在価値を感じることができるというのです。

例えば、「ありがとう」と感謝された時や、「うれしい」と喜んでもらえたとき、自分が役に立てたことに最上の喜びを感じますよね。

人は、誰かに貢献できたとき・誰かの役に立てた時に自分の価値を感じることができるそうです。自らがこの「貢献感」を感じることができれば、もはや他人に振り回されるだけの承認欲求はいらなくなります。

この本の中では、これを「共同体感覚」と呼んでいて、対人関係のスタートを「課題の分離」とした時、「共同体感覚」がそのゴールだと位置づけています。ちなみにここでいう「共同体」というのは学校や会社に限らず、国や社会など他者とのあらゆる関係を指します。

共同体にコミットすることによって所属感を得られ、自分の価値を感じられるということはわかったと思うのですが、そのためには超えなければいけない大きなハードルがあると思います。

つまり、その共同体に貢献するためにはまず他者を「敵」ではなく「仲間」だと思う必要があるのです。最後に、ここを克服するために大事な考え方を紹介したいと思います。実は結構多くの人に当てはまる話ではないかと思っています!

3 | まずは一つでも横の関係を作ろう

最後に、「課題の分離」から「共同体感覚」というゴールに至るために、どのように対人関係を築いていけばいいのかという話をしたいと思います。

・「ほめても叱ってもいけない」

これ、結構衝撃的な考え方だと思うのですが、実は人を褒めるという行為は、「能力の高い人が低い人に下す評価」という側面が含まれているそうです。

なので、それは「縦の関係」を築くことに繋がります。例えば、親が子供を自分よりも下に見て自分の都合のいいように操ろうとしたり、専業主婦に対して「誰のおかげで飯が食えると思ってるんだ」と夫が罵ったりするのは、対等ではなく「縦の関係」になっています。

これは行き過ぎた例ですが、人を能力の高い低いで評価したり、経済的に裕福かどうかで価値を判断したりするという見方を無意識に持ってしまっている人は、少なくないのではないでしょうか。

こういう見方を持っている人は、自分自身もそれを常に気にして生きているのだということに、私も最近気がつきました。つまり、常に劣等感を感じている人というのは、対人関係において無意識に縦(上下)の意識を持っているのです。

でも、本書のいう通り「経済的に優位かどうかなど、人間的な価値にはまったく関係ない」のです。「同じではないけれど対等」という意識のもとで横の関係を築くことが、他人を敵ではなく仲間と捉えられるようになるためには非常に重要だと感じました。

なので、例えば何かをしてもらった時に、相手を上から褒めるのではなく、「ありがとう」と感謝を伝えたり、「うれしい」「助かったよ」などと素直な気持ちを伝えることが、「横」の対人関係になります。

「上司との間で上下関係ではなく対等な関係なんて無理だよ〜」
と思う人もいるかもしれません。でもそれは、何も友達のように接しろという訳ではなく、意識の上で対等であり、主張すべきことは堂々と主張することが重要なのだそうです。

ここまですぐにできるようになるかやや不安ではありますが、でもこれは逆に、自分の考えに責任をもち、自立することでもあると思います。親子関係においても言えることだと思いますが。

横の関係を築く自信がないと思ってしまう時は、自分が上下関係の意識を持ってしまっていることを自覚しましょう。そして、他者に貢献し感謝されることによって自分の価値を確かめていくと、少しずつ自信がついていくのかなと思います。

最後にこの言葉をこの本から引用します。

「あなたが誰かひとりとでも縦の関係を築いているとしたら、あなたは自分でも気づかないうちに、あらゆる対人関係を「縦」で捉えているのです。」

これを読んだ時は思わずぎくっとしました(笑) つまり、人は縦の関係と横の関係を器用に使い分けることはできないのです。

でも逆に言えば、もしも誰か一人でも横の関係を築くことができたら、あらゆる対人関係が「横」になっていくとも言っています。

なので、まずは他者との間に、一人でもいいから「横の関係」を築いてみること。ここから始めてみましょう!そうすれば、他人に対する見方が大きく変わってきて、他者を仲間と捉えることができ、あらゆる他者に貢献することができるようになると思います。


長くなりましたが、最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。少しでも何かのヒントになったら嬉しいです。

これらはすぐにできることばかりではないと思います。でもこれらを克服できた方が、確実に対人関係が楽になり、自分らしさを持って自由に生きることができると信じています。

私にとってもまだまだ時間がかかることだと思っているので、一緒にじっくり向き合っていきましょう!

ではまた!

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