ロスジェネが思わずうなずいてしまう、少し悲しいハナシ。
どうも。前回散々ロスジェネがなんだと語っていたやつです。
ぶっちゃけると、ロスジェネロスジェネってさんざん言ったくせに、正直ロスジェネという言葉を知ったのはつい最近です。
ロスジェネは自分がロスジェネって知らない
新天地(急成長中小企業)のボスが「rai-zuさんも、ロスジェネだもんなぁ。おれもさ、ロスジェネでさ」と話しをふってくれたのがきっかけ。
ん?
なんだ、ロスジェネって。
聞きなれない言葉でありながらもコソコソ調べつつ「へぇ、わたし、ロスジェネなのか」といっきに腹落ちしたものだ。
どうやら私は自分が『ロストされていたジェネレーション』だということにすら気がつけない環境にいたらしい。
いいなー、先輩も後輩も同期がいて
思い返せば、学生時代にバイト入社しそのままズルっと契約社員登用された会社では、先輩にも後輩にも、“同期の仲間”ってやつがいた。
競ったり、うぇいうぇいやったりして、なんかすんげー楽しそうだった。
私はというと、無理やり同時期に入社手続きをした人たちに「同期だよね!」って接していたわけで、なんか今思うとかなりかわいそうなヤツだった気がする。
ま、ようは同期がいないんだから、自分がロスジェネですよってことを認識しあう相手もいなかったわけで。
結果的に転職をしたことで、同じ境遇にいたアンテナの高い人から指摘を受けたという感じになったわけだ。
ロスジェネは、転職先でモノサシを手に入れた
転職先である中小企業で、私が見聞きした事象はどれもこれも新鮮……いや、未知との遭遇レベルだった。
※サラっと書くには気が重たい内容なので、別途記事化していく予定である。
おそらく多くのロスジェネは「次こそは終の会社にする」と決意をして初めての転職をする。
そしておそらく、そこで初めて「自分が思っていたよりも社会人ができていたこと」に気が付く。
「なんだよ、世の中そこまで厳しく考えなくても生きていけそうじゃん」
一度転職を知ったロスジェネは、自分と社会との距離感を掴む尺度を手にしている。
すがりつくことをやめ、次の一歩へと足を踏み出すことをいとわない。
回生のはじまり
かくいう私も、外の世界(転職先)に出て初めて知った。
何もなかった私は回生の祠を出てからただひたすらに迫ってくるゴブリンや怨念と戦わなくてはならなかった。
英傑たちの力でようやく記憶を取り戻……
あ、なんかうっかり人気ゲームの話になっていてごめんなさい。
でも本当にそれくらい、裸一貫で社会に放り込まれていたんだと思うわけで。
まあ、ロスジェネは汚名だ。
ロスジェネは、汚名という名の言い訳だ。
なんとも他責感にあふれている。
でも同時にすごく肯定感に包まれる言葉だ。
「ロスジェネ」というキーワードを手に入れた、あの時のスルスルと糸が解けていった心地の良さは言い訳というジャンルのものとは確かに違っていた。
世界は広く、走るに足りる。
おそらく、孤独と知らずに孤独だった我々は「我々」と言える同士がいることに気が付き、安堵し、ロスジェネという言葉に光を見たに違いない。
もしもこの記事を同士が見ているなら、恥ずかしいけどロスジェネって認めたうえで、それを思い切り言い訳にして胸をはろうぜって言いたい。
正社員にはなれなかったし、同期もいないし、待遇も変わらなかったけれど、日本中に同士はいる。
いつかきっと、あのゲームみたいに世界中を好きなように走り回ることができるはずだから。
待ってろ、世界。ロスジェネたちがそろそろ走り出すぜ。
【この記事を書いた人】
NAME: rai-zu
新卒でアルバイト入社した広告代理店でそのまま14年ほど働き、30代後半で中小企業にてライターデビュー。数えきれない違和感の末、2度目の転職をもってある程度落ち着きだした40代のロスジェネライター。