三百九十話 マモン様

「ごきげんよう」「神のご加護を…」

朝の清冽な空気の中、女子生徒の挨拶がこだまする…。

学校の校門をくぐると、そこは身も心も清らかな乙女の園…。

そう、ここは神田ミカエル女学院…。

中庭の大天使ミカエル像が、通う女子生徒たちを守護している…。

天界の大天使ミカエルは、ここに通う女子生徒たちを見て何を思うか…?

その御心は、まさに神のみぞ知るということなのだろう…。

ここに三年間通えば、お淑やかなお嬢様になって卒業できるという…。

制服は翻さないように、静かに歩き…。

清廉潔白で文部両道、それでいて純粋無垢な心を持った乙女たち…。

この学院には、そういった生徒しか存在しないのです…。

否、今日から新たに校門をくぐった、たった一人の生徒を除いて。


『小悪魔の休憩所』と言うお店で…。

数時間?バイトしていた私…。

かわいい女の子たちが…。

座って寛いでいるところを…。

かわいい女の子が大好きな…。

お姉さんが眺めるという…。

システムのお店…。

そこで私は隣にいた…。

眠子さんという女の子と…。

お知り合いになった…。

眠子さんは名前の通り…。

すごい眠たそうな女の子で。

私の膝枕で寝てしまうのであった。

私はそんな眠子さんを…。

ナデナデしまくってしまう…。


バイト2日目が終わり…。

私は着替えて帰ろうかと思った。

しかし、眠子さんの家にお呼ばれされ。

眠子さんの家に向かうのであった…。

眠子さんの家はこのビルの最上階に…。

あるらしく私は眠子さんの後に着いて行った。

5階に眠子さんの家はあって…。

私と眠子さんはそこに入っていく…。

ビルの一室なのに…。

中は普通の家の内装なので…。

私はすごい不思議な気持ちになった。


眠子さんのお母さんが…。

夕食を作ってくれるらしいので。

それまで眠子さんの部屋で待つことに。

眠子さんのお母さん…。

マダムKこと真門圭子さんに…。

このバイトを斡旋してもらったのだ。

お給料ももらっているので…。

私の雇い主ということになるだろうか?

それで、夕食までいただいてしまうとは。

私はなにか緊張してしまうのであった。


夕食が出来上がるまで…。

私は眠子さんが用意してくれた…。

ルームウェアに着替えることに。

私は青いモコモコルームウェア。

フードがイルカさんになっていた。

私がこんなかわいいのを着ていいのだろうか?

眠子さんはピンクのルームウェアで…。

フードが羊さんになっている…。

眠子さんらしくて、すごいかわいい…。

私はフードが恥ずかしくて…。

かぶっていないのだが…。

眠子さんはフードをかぶって…。

すでに眠そうであった…。

目がとろんとして…。

ゆらゆらしている…。

眠子さんもうすぐ夕食だよ?

私はそう言い眠子さんを起こす。

どうにか眠子さんを起こして。

私たちはダイニングルームに…。

向かうのであった…。


ダイニングルームでは…。

眠子さんのお母さん…。

真門圭子さんが…。

シチューを作ってくれていた。

鍋のシチューをお皿によそって。

夕食の準備をしている…。

マダムKこと圭子さん…。

まだチャイナドレスを着ている…。

チャイナドレスでシチューを作る。

結構シュールな光景だけれど…。

私はあまり気にしないようにした…。

私と眠子さんは席に着いた…。

眠子さんはまだ眠そうだ。

「それじゃ、いただきましょうか?」

と圭子さんが仰るので…。

私たちはいただきますと…。

言ってシチューをいただくことにした。


シチューはホワイトシチューで…。

スプーンで一口啜ると…。

あったかくて…。

牛乳のミルクのコクと…。

ルーの味が口内に広がった…。

すごい美味しい…!

シチューの中にある…。

お肉とお野菜もすごく美味しい。

カップ麺を毎日食べていた…。

私にとって感動してしまう味だ。

シチューとっても美味しいです!

私は圭子さんに伝えた…。

「あら!嬉しい!毎日食べにきてもいいわ」

圭子さんは本当に嬉しそうだった。

私は本当に毎日食べたくなってしまう。

シチューの横にはパンもあって…。

シチューとパンが合いすぎて…。

すごい美味しかった…。

うまいうますぎるこのシチュー…。

私は無心で食べるのであった…。


「ところで真島乃亜ちゃん…」

圭子さんが改まったように言う…。

「あなたグレモリーの所の乃亜ちゃんよね?」

いきなりそう言われたので…。

私はなんで知ってるの!?と…。

びっくりしてしまうのであった…。

「私は七つの大罪の強欲を司るマモン」

真門という名字なのでマモンなのかな?

私は呑気にそんなことを考えてしまう。

だって、今までシチューを食べていて…。

その作った人が七つの大罪の1人だなんて。

いきなりすぎて、頭が追いつかないのである。

強欲を司る大魔王マモン…。

マンモンと言われることもある…。

元々は富、財を意味するシリア語で。

悪魔の名前ではなかったようである…。

これが悪魔学において金銭の悪魔として定着したのは『マタイによる福音書』の「汝ら神と富とに兼ね事ふること能はず」の解釈によるらしい…。


原義は定かになっていないが…。

要はお金儲けが大好きな悪魔ということらしい。

と、私はようやく頭が追いついてきて。

大魔王マモンの調べた知識を思い出してきた。

この現界では私がしているようなバイトで…。

マモン様はお金儲けをしているようだ…。

他にもいろいろバイトを斡旋しているようだ。

「ルシフェル様の寵児、乃亜ちゃんのことはよく知っているわ」

マモン様はこちらをウィンクしながら言ってくる。

どうやらバイトに来る前から知っているようだった。

私はマダムKであり真門圭子さんであり…。

強欲の大魔王マモン様であられる方を…。

前にして緊張してきてしまうのであった…。

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そのさき@小説
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