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詩にしたとたんに空に飛んで行ったらいい、悲しみというものは

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詩集 ❘ 感情の端の一瞬のきらめき。 【テーマ:悲恋、孤独、抑圧】
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記事一覧

ありえた日

私が過ごすはずだった平凡な日常が、私によって過ごされなかった平凡な日常が、ときどきぽんと…

銀森 そのみ
1か月前
2

見えない致命傷では死ねないから

覚えてる、 悲しかったこと 全部 忘れられない、全部 去年の傷 一昨年の傷 もっとずっと前の…

銀森 そのみ
8か月前
3

冷たい波をもつ海が

温かい言葉をかけてくれた人がいた。 その時ほしかった、とても優しい言葉 誰かがかけてくれ…

銀森 そのみ
8か月前
3

うさぎは寂しいと死んじゃうんだよ

寂しくて 寂しくて うさぎだったらもうとっくに 死んでいるだろうというくらいに 寂し…

銀森 そのみ
8か月前
2

流れる詩

さっき胸の中で流れた詩の 最後を忘れてしまった ざらざらと音をたてて 粉々に消えてくれ…

銀森 そのみ
8か月前
5

神様の天秤

ずっと自分で決めたいと思っていた 自分のこと 全て。 服、 髪型、 食べるもの、 話す言葉…

銀森 そのみ
8か月前
4

噛みつきたいよその顎(あご)に

むしゃぶりつきたい あなたのその、白い顎(あご) 昔あなたが嫌いだった 凡庸な顔にいらだった 今、あなたの顔が好きだ あなたの石鹸のような白い肌が好きだ マシュマロのようにやわらかさの透けて見えるその肌が好きだ あなたの美しさがわかる大人になれてよかった 噛みつきたいよ、あなたの顎に 吸い付きたい、白い頬に あなたの中に溶けて溺れたい 生クリームの海のようなの かじりつきたい、あなたの顎に 女神の顔はきっと黄金の林檎なの (2022年11月23日 

前髪

前髪の乱れを ゆっくりと なぞるように直された。 あの瞬間にイイネをつけて 何度も何度もリ…

8

戻らないきらめき

一瞬のきらめきを あの夏の思い出を 抱えて海の底に沈みたかった きらめきを、あなたが汚した…

5

消えてしまった私の言葉は

twitterの誤作動に 軽い気持ちでアプリを消して、入れ直したら 下書きが全て消えてしまった …

悲しい調べの海は、癒やし

悲しい歌を、そっと弾き語る 胸にしみこむ甘い粒 どこまでもどこまでも、沈んでいく 悲しい…

4

恋しい

寂しいよ あなたが寂しがってくれないからさ

2

昔住んでいた街に

空が青くて紫くて美しくて、寂しいよ きっと、私はまた寂しくなるために戻ってきた わたしの…

4

今夜は電話をしなかった

あなたとは 何度めぐりあっても やっぱり私ばっかり片思いなんだな そう思いながら 昨日の夜にあなたと話をした でも今夜は電話をしなかった 来週また話すかもしれないけれど 今夜は電話をしなかった あなたを好きだった頃は まだ子供で 子供だからあなたに恋したのかと思ったけれど 大人になってもやっぱりあなたが好きだった   それがわかるくらいに何年も あなたなしの日々を 生きてこられてよかった 私の恋は、いくつになってもちゃんと恋だった 昨日、 あなたの声に一瞬にじんだ色