![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/15362134/rectangle_large_type_2_a422513807abb89c4455f32de421cee1.jpeg?width=1200)
混沌。50歳。
電話番号が思い出せず。
ネットで調べようと思うのだけど、上手くキーボードが打てない。
マウスも思い通りに動かせない。
手が悪いのか、指が悪いのか、マウスが悪いのか。
イライラしてマウスを叩き落した。
隣に座っている同僚に聞けばいいか、と閃き、聞くと教えてくれたけど、覚えられず何度も聞く羽目になった。
え、もしかして、私、認知症になったのか?
なんか変じゃない?
そう言えばここはどこなんだろう。
会社だと思ったけど、家のような気もする。
知らない道を歩いてきた記憶がある。
でも、そんなことを周りの人に悟られてはいけないような気がして、必死に電話番号をメモする。
直接ボタンを押せばいい、と気付き、電話する。
発信音が鳴らない。やっぱり間違ったのかな、と思ったら、相手が通話している気配がする。
「もしもし」と話しかけるけど、返答はない。
「もしもし」
「もしもし」
気配はする。繋がっている。
なのに、返答がない。
イライラする。
なんか変だ。やっぱり、私、認知症になったのかもしれない。
でも、周りには悟られてはいけない。取り繕わなければならない。
不安が大きい。
そんな夢を見ることが最近多い。
仕事柄、自分が認知症になったら、と考えるせいなのか。
夢のもどかしさが、認知症の方の葛藤を連想するのか。
早い人は30歳代でもアルツハイマー病になる。
50歳代から違和感を感じ、早期アルツハイマーと診断される人もいる。
現実に、記憶力は落ちているし、不安も大きい。
でも、100歳まで生きる時代。
病気でも、歩けなくても、動けなくても、生きる時代。
少し前なら、認知症になったらどうせもう長くないとか、80歳なら死も近いとか思われていたと思うけど、
そう簡単には死ねないの。
私、これから何十年も、同じような夢を見るのだろうか。
それとも、やっぱり認知症が現実になるのかな。
どっちにしても苦しい。歳を取る恐怖。