10月14日雑詠

愛とうは呪いピアフは金色の髪を黒くも染めんと歌う

それぞれの靴パダムと鳴るふたたびは会わぬどうしの道の後ろに

もみじ葉の真紅きの良し去りゆける恋を蹴散らす靴を購え

破れたるガラス戸まえは家なりし物の月に日に異(け)に崩る

年嵩の人と歩みを同じくし信号などはひとつ見送る