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プロデューサーを育てる?

最近プロデューサーをどう育てるか、という課題を持ちながら、さまざまな企画をプロデュースしております(笑)。筆者自身がプロデューサー的役割を長年担ってきて、そろそろ、というかけっこう前から草臥れて来ているのに、おもしろいことを仕掛けるような人が出てきていない(あるいは、視野に入ってこない)ことに危機感を持っています。
とはいえ、そもそも育てられるものなのでしょうか?その前に発掘できるのか。筆者が持つプロデュースというのは、例えばセキュリティ・キャンプのような、あるいはSECCONのような、SecHack365のような事業を企画立案して開催・実施していきながらフィードバックを得て発展させていくことです。プロデューサー!と鼻息荒く「育成」しようとしたところで、唯一の材料であるそれらの事業を深掘り、分析しなければ他に展開しようもないですしね。
といいつつ、本稿ではその答えまでは到達できていません(笑)。絶賛分析中、ということでSecHack365の課題をもとに新展開を考えた経緯をコラムにしたものを掲載してお茶を濁しておきます(笑)。

コラムタイトル:SecHack0(セックハックゼロ=セクハッコー)

本文:ナショナルサイバートレーニングセンターではSecHack365という若手人材育成事業を展開しています。25才以下の若手人材を集め、1年掛けてものづくりを行うハッカソンです。作るものは非常に多岐にわたります。これまでに作られてきたものを息継ぎせずに列挙すると論文システムサービスプロダクトOS小説料理芸人書籍ゲーム開発言語設計ツールピクトグラム農場ファザーSNS暗号化etc.となります(笑)。
この事業のキモとなるのは、なるほどその発想があったか、というような魅力的な課題を設定することですが、これがなかなか難しい。発想がユニークでも現実の問題にフィットするかどうかは、しっかり解像度の高い利用イメージを描くことにかかっているからです。例えば未だ解決されていないサイバーセキュリティの課題に相対するとき、その課題についてこれまでに試みられてきたさまざまなことに関する知識も必要ですし、なぜそれらがうまくいかなかったのか、あるいはなぜそれがうまくいったが完璧ではないのか、深い洞察や分析も必要になってきます。25才以下の若者たちが、それまでの人生においてそういう深い洞察を行う機会があったのかというと、おそらくほとんど無いでしょう。ちなみにSecHack365の中には、課題意識から掘り下げて掘り下げまくるという、「思索」駆動コースもあったりしますが、背景にある問題意識はやはりそういうことだと思います。
そこで、来る前にもう少し解像度が高い課題意識を持って応募してきてもらうように、加えて事業自身のプロモーションのために、出張講義・授業などを行うSecHack0(セックハックゼロ=セクハッコー)というプロジェクトを立ち上げました。出張講義・授業を行うための教材を開発し、教えられる人を増やすために先生用のマニュアルも用意し、議論を中心にワークしてもらうワークショップ形式の講義・授業です。先生方から聞く悩み、情報セキュリティ重要だから教えたいけど教科書でも言及が十分ではないし、良い教材が無いしどう教えたら良いのかも良く分からない、というのにも応えるコンテンツを制作して展開しながら、若者達の課題意識の精度を上げて宣伝もする、という一石三鳥を狙っています(笑)。最初のコンテンツは中高生向けの教材とマニュアル、素材ですが、第二弾として小中生向けのコンテンツ制作も目論んでおりまして、その前振りとして15才以下向けアイディアコンクールを開催しています
正直なところわれわれにとって未知の部分が多い領域ですし、模索しながらの制作になっていますが、現場ではけっこう良い感触もいただいていますので、頑張って仕上げて小中高や高専専門という学校現場に届けたいと思っています。

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