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オススメ映画を紹介するよ! 杉咲花の無邪気な狂気編

主演映画が目白押しで大活躍の杉咲花さん。正直言うとタイプです(何の?)。最近見た(見ていない)映画を少し紹介します。

はじめに

杉咲花(以下敬称略)はもうそんなことを話題にする人はいないと思いますが、当初は父親:木暮武彦、母親:チエ・カジウラという所謂2世タレントとして話題になりました。個人的に木暮武彦と言えばレベッカですよ。いや、RED WARRIORSだろっていう人の方が多いでしょう。しかし、浦和出身者としては、郷土を代表するバンド、レベッカを推したいです。「フレンズ」以降の土橋 安騎夫サウンドで知られるレベッカですが、「ウェラム・ボートクラブ」は木暮武彦作曲です。何が言いたいかというと、レベッカを源流に持つというだけで、杉咲花は応援したいのですよ。(レベッカの話がしたいだけ)

法廷遊戯

弁護士を目指してロースクールに通うセイギこと久我清義(きよよし)と、同じ学校で法律を学ぶ幼なじみの織本美鈴、2人の同級生でロースクールの学生たちが行う「無辜(むこ)ゲーム」と呼ばれる模擬裁判を司る天才・結城馨は、共に勉強漬けの毎日を送っていた。無事に司法試験に合格し、弁護士となった清義のもとに、ある時、馨から無辜ゲームをやろうという誘いがくる。しかし、呼び出された場所へ行くとそこには血の付いたナイフをもった美鈴と、すでに息絶えた馨の姿があった。この事件をきっかけに、3人をめぐる過去と真実が浮かびあがっていき、事態は二転三転していく。

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タイトルだけ見ると、ちょっとふざけた感じ。実際見てみると、ソリッドな作品でした。100分を切っていることもあり、刈り込まれて余分なところがない緊張感も。

みんな大好き北村匠海が、いつもの優しげな雰囲気とはちょっと違う渋めの馨、元J系の永瀬廉が清義を演じます。芸達者なキャストの中で、永瀬廉も落ち着いた演技をしていて好感が持てます。

主要登場人物である、馨、清義、そして杉咲花演じる美鈴はそれぞれ過去に秘密を持っていて、馨が殺された事件の裁判で、その秘密が顕になっていき、そして二転三転していく終盤の見事な展開。加害者として被告となった美鈴が見せる、冷徹な表情だったり、清義との面会で見せる囁きだったり、笑顔から怒りに変わる瞬間だったり、空虚な笑いだったり、まさに狂気と言える心情の抑揚を、杉咲花は見事に演じています。演じているというより、ひょっとすると憑依系なのかな。

杉咲花、北村匠海、永瀬廉の緊張感ある演技と、練り込まれてテーマ性を持ったストーリーを楽しめる良作です。是非是非。

市子

川辺市子は3年間一緒に暮らしてきた恋人・長谷川義則からプロポーズを受けるが、その翌日にこつ然と姿を消してしまう。途方に暮れる長谷川の前に、市子を捜しているという刑事・後藤が現れ、彼女について信じがたい話を告げる。市子の行方を追う長谷川は、昔の友人や幼なじみ、高校時代の同級生など彼女と関わりのあった人々から話を聞くうちに、かつて市子が違う名前を名乗っていたことを知る。やがて長谷川は部屋の中で1枚の写真を発見し、その裏に書かれていた住所を訪れるが……。

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この人はいったい誰だったんだ系。「ある男」と似ているなあって最初思いました。貧困とか、断絶とか、虐待とか性被害とか、キーワードとして語られるこの国の現状を見ていると、こうして違う自分を選択せざるを得ない人たちをテーマとした作品が多くなるのも致し方ないのかなって思います。考えると「法廷遊戯」も児童福祉施設が出てきたし。

【ネタバレ】杉咲花演じる市子は結局戸籍を捨てて生きる道を選んで、そのため結婚も仕事も諦めざるを得ない。そして必要とあらば自分が生き抜くためにするべきことをする。あどけない高校生くらいからの、壮絶な人生を選んだ、時には虚無すら感じさせる市子を、やはりその人であるかのように演じる杉咲花。ラストで「にじ」を口ずさむ市子には心をかき乱されます。

因みこの映画、中田青渚と若葉竜也が出演していて、今泉力哉監督の「街の上で」ファンには、イハ&蒼コンビの再来として喜ばれているとかいないとか。

湯を沸かすほどの熱い愛

別記事で紹介しています。

【ネタバレ】感涙必至のこの映画で、杉咲花は学校でイジメられている高校生、安澄を演じています。母親(宮沢りえ)に叱咤され、乗り越えていきますが、他にも突然血のつながらない妹ができたり、突然実の母親が現れたり、愛する人との別れがあったり、「法廷遊戯」や「市子」のように、闇のある役でこそありませんが、初々しさの残る年齢で、難しい役どころを演じきりました。特にイジメに立ち向かう教室の場面、その後家に帰って母と話す場面は必見の素晴らしさです。

杉咲花もあどけない時代の映画ですが、さらに次世代のエース伊東蒼がほぼ幼な子役で登場してます。メイキングがあったので載せておきます。2人とも凄いですよ。

青くて痛くて脆い

実はこの映画、サブスクですぐ見られそうなんですがまだ見ていません。杉咲花は(おそらく)ヒロイン役で出演しています。なぜ見ていないのかというと、原作読んだからです。原作のイメージ壊すとかではなく、この映画を見るとぐりぐり心を抉られることが想像できてしまって、いまだに見ることができないのです。原作を普通の青春物語と思って読み始めた自分は、所謂「共感性羞恥」にグダグダにされました。それが映像化され、映画として完成度が高かったとしたら・・・。たぶんしばらく引きずることになりそうです。「いや、そういうの大丈夫だから」という方か、「そんな羞恥味わってみたい」という奇特な方がいらっしゃったら是非ご覧ください。杉咲花のことです、いい演技しているはずです。

最後に

杉咲花はどの映画でも、文句のない素晴らしい演技をしてきます。ただその演技力から、タイトルにしたように無邪気さや狂気を孕んだある意味複雑な役柄を期待されがちなのかもしれません。テレビドラマはともかく、純粋なラブストーリーの映画に出演することはあるのでしょうか。逆にそんな作品を見てみたいですね。

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