アンビエントヲタの俺がオススメする最高に集中できるアルバム3選
前置き
僕は音楽ヲタで、特に歌がない音楽――インストゥルメンタルという分野の楽曲がめちゃくちゃ好きな人間だった。
特に一時期仕事が激務過ぎて激病みした時、人間の歌声というものがマジでストレスにしかならなかった時期があったのだ。
そうした背景があり、僕は歌が入った楽曲というものをほぼ聞かなくなった時期があった(今は普通に聴く)。
元々バンドマンでありドラムをやっていた為、やがてその嗜好はインストバンドへと走っていく。
マスロックやポストロック、ジャズと呼ばれたジャンルの音楽たちだ。
そうした音楽を長年聴くうちに、またもや僕は思うようになった。
「めっちゃガチャガチャしてうるさいな、この音楽」
そう、それはもはや、ジャンル全体を否定するような根本的な感想だった。
僕はドラムが好きでテクニカルな楽器を好んで聞いていたのだが、むしろドラムの放つアタック音が最高に耳障りに感じていた。
バスドラムとかが放つ「ドゥン!」とか言うあの音である。
もっと静かな曲が聞きたい。
静寂だ、静寂が欲しい。
そうした僕はより色々な音楽を探すことになり、やがてエレクトロニカ、フォークトロニカ、クラシック、ポスト・クラシカルなどのジャンルを通じて最終的にアンビエントと言うジャンルに行き着くことになる。
アンビエントとは
いわゆる環境音楽である。
風の音とか、川のせせらぎとか、街の雑踏とか、子どもたちの遊ぶ声とか、そうした自然音を楽曲に取り入れたジャンルであると理解している。
大抵は先述したエレクトロニカやフォークトロニカなどと混ざっており、この辺りの明確な線引は正直良くわからない。
実際、音楽ジャンルの分類はかなり曖昧な部分があり、作曲者がどのように定義づけるかでジャンルはロックにもなるしオルタナティブにもなる。
とにかく静かな音楽が多いのがこのアンビエントの特徴だと思っている。
僕はとにかくアタック音が嫌いで、バスドラムの「ドッドッ」とか、ハイハットの「チッチッ」とか、そう言う強い音を一切耳に入れたくない瞬間がたまにある。
そうした優しい音を求める時にめっちゃ良いのがアンビエントである。
僕は一時期アンビエントにハマり、CDをとにかく買いあさりまくった。
何枚買ったか正直わからない。
500枚は買ったかもしれないし、話を盛りすぎて実は大して持っていないかもしれない。
でもそれなりに聴いた自信はある。
それでもいまだに知らないアーティストは山程いる。
集中できる音楽はないものか……。
それは僕が長年ずっと抱え続けた悩みであり、命題でもあった。
この記事を読んでいる人は、作業中に音楽などは聞くタイプだろうか。
集中できる音楽と言われて、身も蓋もない言い方をすれば「そんなもん人によるわ」とか言われそうだが、ここではそう言う話を一切捨て置く。
長年インストを聞き続けた僕が現段階で選んだ、最高に集中させてくれるアルバム3枚をここで紹介させていただく。
オススメアーティストたち
Sonicbrat「MURMURATIONS」
はい、出ました。もう最初からボスキャラ登場だね。
ってな感じで、シンガポールが放つピアニストのSonicbratさんです。
もうね、最高なんですよ。
何が最高かってとにかく静か。
ピアノの打鍵の音とかまで聞こえたり、ちょっと足音っぽい音が背後で鳴ってたりね。
もはやどこからが音楽でどこからが現実の音かわかんない。
日常音と音楽の境界線のなさが最高の呼び声にふさわしい音楽だと思います。
耳障りな音が一切ない。
普通に寝れる。
それくらい静かな音で、無音が嫌な人とかは真夜中に鳴らしてみて欲しい。
一瞬で入り込める不思議な魅力が込められた見事な楽曲だと思う。
早いフレーズとかは、リバーブを深くかけた打鍵の音が徐々に重なって一つの効果音みたいになるんだけど、それがまた楽曲を彩っていて、なおかつ一切ストレスが無い。
めちゃくちゃ精錬された砂糖を舐めてるような感覚で、美味しい部分だけちょこっと食べたような心地よさがあるアルバムだと思う。
サブスクにあるから聞け!
関係ないんですが、sonicbratさんのアルバムで「hana」っていうのもおすすめです。
こちらのサイトでフリーダウンロード出来るので興味があればぜひ。
aus「Light in August, Later」
出ましたね。
ええ、出たんですよ。
東京出身のアーティストYasuhiko Fukuzonoさんのソロプロジェクトらしいです。今知りました。
こちらは先程のsonicbratとは違い、電子音がメインの楽曲です。
エレクトロニカってやつですね。
このアルバムに関して言えばエレクトロニカとアンビエントの要素が半々で入っていると思う。
ただ、電子音って結構ピンキリで、はっきり言うとうるさいのはとことんうるさい。
同じジャンルでも、全く印象が変わる作品が多いので、個人的にハマるものを見つけるのはそれなりに色々聴き漁る必要があると思う。
そのなかでこの「Light In August, Later」は自分の趣味嗜好にバチバチにハマりすぎた1枚でした。
僕は最初に「人の歌声がストレスだった」みたいな事を書いたのですが、このアルバムにも普通に歌が入ってる曲が何枚かあります。
ただ、もはや歌声なのか風なのかってレベルで気にならないので、人間の声を聴くと死ぬ病を抱えている人以外は聴いて欲しい1枚。
睡眠導入にも最高。
サブスクにあるから聞け!
Aspidistrafly「i hold a wish for you (reissue)」
出たよ。
もうすでにジャケットが良い。
シンガポール発の男女ユニットらしいですよ。今知った。
ついでにググって見たらめちゃくちゃパンク系のお姉さんが出てきてちょっと慄きました。
そんなわけでAspidistraflyの登場です。
とにかくこのアルバムがすごいのはですね、メインのヴォーカルのApril Leeさんの声です。
「風かな?」って思うくらいの超ウィスパーボイス。
このアルバム聴いてみてくださいよ。風が吹いてると思うでしょ?
それ、April Leeさんの声ですから。
とにかく歌声が美しい。美しすぎる。
そこにアコースティックギターの静かな音が入ってくるんですよね。
むさ苦しい六本木を歩いていたと思ったら、いつの間にか高原に来ちゃったよみたいな感じですね。
とにかく聴き心地が良いです。空間に溶ける感じ。
全然関係ないんですが、僕はこのアルバムを聴いていて「なんか声するなぁ~」と思ってイヤホンを外したら自分が聴いてた曲だったという経験が何度かあります。
それくらい周囲の雑踏に溶け込めてしまうんですよね。
自分が曲を聴いていることも忘れて集中して作業できてしまうと思います。
関係ないけどApril Leeってなんか聴いたことあるなぁと思ったらharuka nakamuraさんとめっちゃコラボしてるんですね。
アルバムで何回か見かけた記憶があるからそりゃ知ってるわ。
とか言う興味ない人からしたらどうでもいい話でした。
サブスクにあるから聞け!
おまけ
上には紹介してなかったんですが、他にも何枚かオススメがあるので軽く紹介させていただきます。ここで紹介するのは有名すぎてちょっとかじったら速攻で行き着くアーティストです。もはやドヤ顔でわざわざ紹介するのも恥ずかしいレベルになってくるわけですが、良いもんは良いんだから紹介くらいさせろや!
AOKI, hayato と haruka nakamura「FOLKLORE」
Takagi Masakatsu「AIR’S NOTE」
serph「vent」
go-qualia「Puella Magi」
※備考 だいたいサブスクで聴ける。
終わりに
そんなわけで今回は僕が個人的にめっちゃ良いと思った楽曲を個人スペースで好き放題紹介させていただきました。
ここまで来たらアンビエントと言うジャンルが沼であることにお気づきになるかもしれませんね。沼ですよここは。底なし沼です。
良い音楽も集中出来る音楽も詰まるところ人それぞれなわけなんですが、ちょろーっと「静かでストレスがない曲が聴きたいなぁ」なんて時はぜひ参考にしてみてくださいな。
では。