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科学の視点で見る緊張対策

こんにちは!高槻・草津ボイストレーナーの安田結衣です。
今日は前回の記事で書いたお客さんの話しかけることの大切さについて追加で書いていこうと思います。

私が緊張から抜け出せたきっかけ

実を言うと私はかなり緊張しやすいタイプで、数々の苦い思い出があります。今でもステージやレッスンの場に立つと緊張することもありますが、それを隠す技術や落ち着かせるルーティンができ、緊張に飲み込まれないようになりました。

このように緊張とうまく付き合えるようになったのは、数々のトライ&エラーを繰り返したからだと思っています。
昔はリラックスするために呼吸を整えたり、ミスがなくなるまで練習を繰り返したりしていました。そうやって万全な体制でステージに立っているのに緊張してしまう自分。そんな自分ではいけないとさらに練習を重ねたり、メンタルを強くするためにあえて悪い妄想をして練習したり…色んな工夫をしてきました。

自分の視野が狭くなっていることに気づくことが出来たのは、ライブを観に来て下さったお客さんの顔を見た時でした。
緊張する最初の演奏を終えて自己紹介をしている時、ふとお客さんを見る余裕ができました。ステージの明かりから少しずつ目が慣れてお客さんを見渡した時、自分が妄想していた冷たい目で私を見たり何か物を投げつけようとするお客さんの姿は誰一人見えません。

その時私は初めて、お客さんと同じ時間を共有していることを実感したのです。

「お客さんは敵ではない。今私の音楽を聴いてくれている。みんな私と同じように日々を過ごして、色んな不安や悩みを持っていて、たまたま同じ場所にいる。私はもうすでに受け入れられている。この時間が少しでもお客さんにとって楽しい時間になったらいいな。」そんな気持ちが自然と湧いてきました。

緊張はあなたのせいではなく、神経の暴走

お客さんと正面から向かい合った時、何となく敵のように感じてしまうことがあります。それは心理学でも証明されており、「スティンザー効果」と言います。演者とお客さんが相対することが多いステージやオーディションで緊張してしまうのも無理はありません。

だからこそまずは自分から心を開いて話しかけることが大事なのです。もっとお客さんのことを知りたいと思う時、お客さんも同じように自分に興味を持ってくれ、自分に対する眼差しもより温かくなります。

「親しい人と団欒したり、食事をしながら談笑することで、腹側迷走神経(補足:社会との繋がりを感じる神経)が活性化し、交流を活発にする。
ーそのような親密な交流をすると、同時にオキシトシンも分泌されて、相手に親しさや信頼感を感じさせ、いわば相手との関係の接着剤の役割も果たしている。」

山口創著「最良の身体を取り戻す」より

この方法はステージに立つ以外でも、緊張する場面でよく行なっています。
沢山練習しているのに緊張してしまう…とお悩みの方はぜひ試してみてくださいね。

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