【経済編】若手行政官への推薦図書
さっそく、標題の書籍を紹介する(歴史編は後日)。なお、引用元は、いずれも人事院のサイトだ("210623_" note参照)
■Kenneth J. Arrow ( ケ ネ ス ・ J ・ ア ロ ー ) “ Social Choice and
Individual Values”(「社会的選択と個人的評価」)
個人の私的善に関する情報に基いて、社会の公共善を構成するプロセスないしルールをはじめて公理主義的研究の対象としたアローの「社会的選択と個人的評価」は、繰り返して読むたびに新たな発見に導かれる現代の古典である。民主主義的な社会的決定プロセスに興味をもつひとにとっては必読の文献である。
一応経済学士なのだが、著者が記憶にないぞ、、穴に入ります。。
■マックス・ウェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」
禁欲的プロテスタンティズムの合理的精神が、いかに経済発展に貢献したかを示した古典である。
これは、さすがの私も知っている(読んでいるとは言ってない)。このジャンルなら野中侑次郎先生の名著『経営管理』をお勧めしたい。
■ジョン・メイナード・ケインズ「平和の経済的帰結」
第一次世界大戦後のドイツへの過大な賠償請求は将来に禍根を残すことを明らかにし、その結論に殉じて自らの進退も決めたケインズの、専門家としての慧眼と良心を示した名著である。
世界戦争をリアルに経験すると深く考えるんだろうね。。さすがやで、ケインズはん!kindle版やっす(訳がへぼいので注意)。
■ハーバート・A・サイモン「経営行動」
本書は、ノーベル経済学賞受賞者のハーバート・A・サイモンによって著された経営組織論の書である。サイモンはバーナードの組織均衡理論を継承しつつ、限定的合理性や満足基準などの諸概念を用いて、組織を無数の意志決定の体系として捉える意志決定理論を構築した。本書は、その後の行政組織研究に多大な影響を与えており、行政組織を分析する際の理論的基礎の1つとして位置づけられるゆえ、行政組織を理解しようとする際に本書を参照する意味は大きいといえよう。
日本の大学の先生たちが、理論を数学使わずに説明しちゃうところは、世界的に称賛されるべき(ええ、ディスってます)
■ P・F・ドラッカー「ネクスト・ソサエティー歴史が見たこ
とのない未来がはじまる」ダイヤモンド社
経営分野の古典中の古典、ドラッカーの一冊。(この本にこだわらないが、一例としてあげてある)ドラッカーの書は、いずれもかなり前に書かれたものだが、2010年にも通用するコンセプトや考え方を示している。時々見直すと新しい発見がある。
そこのアナタ、お金抜きのコミュニティありますか??(いま妻に捨てられたら、オワリやなぁ、、)
■原丈人「21世紀の国富論」
著者はアメリカのIT産業で成功したベンチャーキャピタリストであり、現在はBOPビジネス(ベース・オブ・ザ・ピラミッド、社会の下層の人々が抱える問題を社会貢献としてではなくビジネスとして解決すること)の実践者でもある。会社の存在価値は、事業を通じて社会に貢献すること、株主に利益をもたらすのは、事業の目的ではなく結果であると主張し、アメリカ型資本主義の問題を指摘している。そもそも企業経営とは何のためかを考えさせられる本である。
こんな人とそれに共感する先駆者が、次の時代をつくっていくのだろう。いつの時代も勝者は、 Rule maker だと思うのだが、それでも私はフォロワーの先頭20%ぐらいが居心地良いのだ。
■ ケビン&ジャッキー・フライバーグ「破天荒!―サウスウエスト航空
驚愕の経営」
アメリカの格安航空会社の創業と発展についての事例研究。コスト削減、お客さまの満足度向上、社員を大事にすること、これらが企業の競争力の源泉であることは経営者はだれでも理解している。サウスウエスト航空の場合、これらすべてが驚くほどの徹底ぶりであり、かつ、それを面白がってやっている企業文化が魅力的である。企業経営の本質を考えさせられる非常に面白い事例である。
これはもっとも有名なケーススタディ。未読の方は、ググって知ったかぶりする方がよいだろう。
■ マイケル・E・ポーター(土岐ほか訳)「国の競争優位」(上下)ダイ
ヤモンド社
日本の競争力が最強の1980年代後半から90年初頭に書かれた壮大な研究書。地域活性化、競争力向上に官民NPOなどの連携が不可欠であることを示した古典。分析単位が国からクラスターや都市に広がる中、最近、実証的研究が進み、各国、各地域で実践に拍車がかかっている。原語が読みやすい。
それにしても、タケーな。。御上がお薦めしてるんだから、重版出来なさい!(原語は嫌だ←ワガママ)
以上、経済編(今回は、ついていけたように思う)。
次回こそ、歴史編かな。さようなら。
みなさんもお元気で。ではまた。