【2022宝塚記念予想】そねみのラップタイム分析
はじめに
こんにちは、そねみです。
今回は中央競馬上半期の総決算、宝塚記念のラップタイム分析をしていきたいと思います。
そねみのラップタイム分析では、次の2つのステップを踏んで、今回のレースで好走が期待できる馬を導き出します。
つまり、今回のレースの推定ラップと近いラップのレースで好走した実績のある馬は今回も好走する可能性が高いだろうということですね。
②ではズレの指標として偏差SDという値を算出しています。
これは比較2つのレースのラップごとのタイム差にどの程度ばらつきがあるかを示す指標です。
またここでは独自の方法を用いて、距離の異なるレースのラップであっても比較できるようにしています。
細かい算出方法についてはまた今度記事を書きたいと思います。
出走予定馬
6/21 (火) 時点のnetkeibaさんの想定オッズ順に記載
タイトルホルダー
エフフォーリア
ディープボンド
デアリングタクト
パンサラッサ
ヒシイグアス
アリーヴォ
オーソリティ
ポタジェ
ステイフーリッシュ
ウインマリリン
ヒートオンビート(※)
アフリカンゴールド
マイネルファンロン
キングオブコージ
サンレイポケット(※)
グロリアムンディ
メロディーレーン
アイアンバローズ
ギベオン
※ヒートオンビートとサンレイポケットは除外対象
コース解説と推定ラップ
過去10年のレースラップは以下の通り
過去10年のラップ傾向
阪神芝2200mは外回りコースの4コーナー出口付近からスタートするコースで、初角突入までにスタンド前の直線を500mほど走ります。そのため他のコースと比べて2ハロン目から3ハロン目の減速が少ないのが特徴です。
4ハロン目は1~2コーナーにあたり、ここでラップがガクッと落ちます。
5, 6ハロン目が向正面です。1~2コーナーで一度隊列は落ち着きますが、動き出す馬がいるとしたら向正面なのでここでラップが上がるケースもあります。
7, 8, 9ハロン目が3~4コーナー。ここは緩やかな下り坂になっており、最後の直線が短いという騎手心理も相まって早めにペースが上がります。
10, 11ハロン目が最後の直線。
ゴール前に急坂があり、最終ラップは大きく減速するのが一般的です。
今回の逃げ馬
間違いなくパンサラッサでしょう。
昨年4月から10月までの半年間の長期休養後は逃げる競馬が板についており、5戦して4-0-0-1と有馬記念 (13着) 以外は逃げて勝ち切っています。
同じく逃げて結果を残している馬にタイトルホルダーやアフリカンゴールドがいますが、後続を引き離した逃げをするパンサラッサがハナを取り切るはず。
スタート後初角突入までの直線が長いので、外枠に入ったとしても無理なく先手を奪うことができると思います。
昨年10月以降国内のレースでパンサラッサが逃げた4戦のラップタイムは以下の通り(全レースを2200mに調整した値)
コース形態によって若干の違いはありますが、宝塚記念の過去10年平均と比べて概して前半が早いですね。今回も前傾ラップになることが予想されます。
推定ラップ
改めて宝塚記念の過去10年分のレースラップを数値で見てみましょう。
年によって前半1000mが早い前傾ラップと後半1000mが早い後傾ラップにはっきりと分かれていることがわかります。
この点を踏まえて、今回はパンサラッサが逃げた過去のレースと宝塚記念の過去10年で前傾ラップだったレースをもとに推定ラップを算出しました。
この推定ラップを軸に過去のレースから注目レースをピックアップしていきます。
注目レース
出走予定馬が3着以内に好走した重賞レース(※)のうち、偏差SDの上位5位までをピックアップします。
※メロディーレーンは重賞での好走歴がないため、古都S (3勝クラス) 勝利時のラップを分析
第1位
2021年福島記念 (偏差SD=20.9)
1着パンサラッサ、4着ステイフーリッシュ(0.7秒差)、8着マイネルファンロン(1.3秒差)
パンサラッサが勝利した2021年の福島記念です。この馬が逃げ勝ったレースなので、上位に来るのは当然といえば当然ですね。
ただし今回は福島記念と比べて相手関係が格段に強くなっていますし、悠々と逃がしたら逃げ粘られることは他馬の騎手もわかっていますので、もっと早い段階から後続が捉まえに来るでしょう。
福島記念当時よりも数段上の力が要求されるのは間違いありませんが、ハイペースで後続を引き離して逃げることができればパンサラッサの逃げ粘りは十分に考えられます。
第2位
2021年天皇賞(春) (偏差SD=30.9)
2着ディープボンド(0.1秒差)、5着ウインマリリン(0.9秒差)、10着オーソリティ(2.0秒差)、11着メロディーレーン(2.7秒差)
ワールドプレミアが勝利した2021年の天皇賞(春)です。
久しぶりに阪神3200mで行われた春天でしたが、長距離戦らしくラストはバテ合いになる中で早い上がりを使えた馬が好走したレースでした。
阪神3200mは外→内周りなので、2周目は宝塚記念と同コースです。同じコース,同じラップで好走しているディープボンドは高く評価したいですね。ウインマリリンは状態が戻っていれば…というところ。
第3位
2021年有馬記念 (偏差SD=35.0)
1着エフフォーリア、2着ディープボンド(0.1秒差)、5着タイトルホルダー(0.5秒差)、13着パンサラッサ(2.4秒差)、15着メロディーレーン(3.2秒差)
エフフォーリアが勝利した2021年の有馬記念です。
この時も逃げたのはパンサラッサですが、4角出口付近でタイトルホルダーに捉まり、直線ではずるずると後退してしまいました。さすがに距離が長かったですね。
ラップは向正面で一度ペースが緩んだ後3~4角でペースが上がる持続力勝負になりました。
勝利したエフフォーリアはもちろんですが、早めに逃げ馬を捕まえに行って5着に粘りこんだタイトルホルダーも評価したいです。このレースの上位4頭はどの馬もG1実績のある馬ですし、6着馬とは0.5秒差をつけていますからね。今年の日経賞も勝利して中山2500mでは実績がありますが、今回はさらに距離短縮になります。菊花賞や春天で勝利しているようにもう少し距離があったほうがいいのは間違いないので、阪神2200mに対応できる適性があるかどうかがポイントになりそうですね。
第4位
2021年中山記念 (偏差SD=38.2)
1着ヒシイグアス、7着パンサラッサ(2.4秒差)
ヒシイグアスが勝利した2021年の中山記念です。1800mのレースなので推定ラップよりも全体的にラップが早くなっています(偏差SDは1800m→2200mに引き伸ばして算出)。
4ハロン目(初角突入時)のペースダウンを除けばほぼ同じラップ傾向になっていることがわかります。つまり、今回のレースは中山記念よりもタフなレースになることが予想されます。ヒシイグアスがこのタフさに対応できるだけの力をつけていれば勝ち負けになってもおかしくないラップ構成だと思います。
ヒシイグアスはこれまで1800m~2000mのレースにしか使われておらず、今回が初の2200m戦になります。ハーツクライ×Storm Catという比較的軽めの血統なので、阪神2200mのタフさに対応できるかがカギになると思います。
第5位
2020年秋華賞 (偏差SD=38.7)
1着デアリングタクト、15着ウインマリリン(2.5秒差)
少し古いですが、デアリングタクトが史上初の牝馬三冠を達成した2020年の秋華賞です。京都競馬場の改修前なので京都2000mですね。
牝馬限定の世代戦なので道中のペースは比較的緩めで、淀の坂を超えたところからペースが上がり、ラスト2ハロンでは12秒前後のラップでレースを終えています。
この時のデアリングタクトの通過順位は13-13-8-5で、ラップが加速するラスト3ハロン目から2ハロン目までで位置取りを押し上げて差し切っていることがわかります。前傾ラップのレースで後半早めに動いて勝ちきっている点は評価したいですね。
前走は1年以上の長期休み明けでヴィクトリアマイルを使われての6着。春のメイチは明らかに宝塚記念でしょう。頂上決戦と言われた2020年のジャパンCで3着するなど元々の能力は申し分ない馬で、休み明けを叩かれての上積み次第では復活の激走があってもおかしくないと思います。
推奨馬
ラップ分析を踏まえた今回の推奨馬は
◎ディープボンド
です。
2021年天皇賞(春)、2021年有馬記念と、今回取り上げたレースのうち2つで好走している点は評価したいです。そもそも古馬になってからは有馬記念の除外で調整がうまくいかなかった中山金杯を除くと国内では2-3-0-0と連対率100%です。G1では勝ちきれない競馬が続いていますが、ここで初タイトルを取ってもらいたいですね!
ただ、その5戦すべてが2500m以上の長距離戦である点は見逃すべきではないでしょう。タイトルホルダーと同様今回は春天から一気に1000mの距離短縮になります。パンサラッサが作り出すタイトな流れはこの馬に味方すると思いますが、トップスピードは足らない馬なので末脚のスピード勝負になると分が悪いですね。雨は歓迎のタイプだと思います。
以下、印を打つとしたら
○パンサラッサ
▲タイトルホルダー
△エフフォーリア
△ヒシイグアス
☆デアリングタクト
パンサラッサは今回取り上げた福島記念の時と比べると馬が明らかに進化しています。2200mの距離が持つかどうかがポイントですが、大逃げに期待したいですね。
偏差SDはこの馬が逃げ勝った21福島記念が他と比べて圧倒的に高指数です。このメンバーを相手に福島記念と同様のパフォーマンスができれば勝ちきっても不思議ではありません。
タイトルホルダーはディープボンドと同様前走から1000mの距離短縮になります。スタミナはある馬ですが、ディープボンドと比べるとタフな展開や馬場に対する適性は高くないように感じます。自分のペースでレースを進められた時の強さは申し分ないですが、今回はパンサラッサがいますからね。逃げ馬を捕まえに動かなくてはならない役回りになります。早めに動いた結果最後は後ろから差されるという、有馬記念と同様の結果になることも想像に難くないです。
エフフォーリアとデアリングタクトは状態面が懸念材料。またエフフォーリアは近走で後方の位置取りが続いていることも不安です。本質的には道中押し上げて自分から動いていくような持続力勝負は向かない馬だと思います。流れについていけないと、大阪杯のように直線で伸びず惨敗という可能性もゼロではありません。
ヒシイグアスはパンパンの良馬場がベストだと思います。雨が降ったらちょっとどうかな・・・というかんじ。国内G1では馬券になったことがないので上位人気には推されていませんが、キャリア14走のうちラジオNIKKEI賞以外は全て掲示板(6-4-0-4)ですからね。良馬場なら軽視はできないと思います。
まとめ
今回は宝塚記念のラップ分析を通して推奨馬を6頭ピックアップしました。
推定上位人気馬ばかりでインパクトはありませんが、実績馬が適正に評価されているということでしょう。参考にしていただければ幸いです。
繰り返しになりますが、そねみのラップ分析は出走馬が過去に好走したレースのラップから今回のレースへの適性の高さを推測するものであり、この指標だけで予想が完璧にできるものではありません。
私自身、調教や血統、指数など、他の情報と合わせて最終的な印と買い目を決定します。
みなさんの予想の片隅に、そねみのラップ分析も入れていただければ嬉しいです。
宝塚記念の最終的な印と買い目は気が向いたら(=余力があれば)またnoteで公開したいと思います。
また今回用いた指標は開発中のもので、予想を重ねながら改良しつつ、より精度の高い注目馬を推奨できるようにがんばっていきたいと思いますので応援よろしくお願いします!