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そもそも魔王って倒さなきゃ駄目なのか?【第2章 謎のシスター少女編 9(終)】

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ーフィールド リベール街道 エリア2ー

リベール街道


「うはは!!なおったなおった!気持ちわるいのなおったぞウマオ~!」


「よかったっすね。グリル君食べてもすぐ吐き出すから、毒消し草無駄に使ったっすけど」


「なおったらお腹減った~!あ、これうまそう!」


【グリルは水色のキノコを手に入れた!】


「グリル君!?ダメっすよ!また拾い食いしたら!」


「けどおもしろい色してるぞ~?」


「隠す気ないくらい毒キノコじゃないすか!また気持ち悪くなるっすよ!」


「本当か!?じゃ、じゃあやめる…ふつーにウマオのきゅーりょー食べるよ」


「何が普通になんすか!?マサアキさん早く戻ってきてくださーい!!」


「そういえばマサアキはどこ行ったんだ~?」


「さっきの女性と戦いながらどっか行っちゃったっす。何やら防戦一方…というより殆ど殺人鬼に襲われているみたいだったので少々心配っすね…」


「ま~マサアキなら大丈夫だろ~」


「そうっすかね…」


「大丈夫だよ~おいらと同じくらい強いし」


「心配っす…」                              



バキバキバキ…!!
【木々が薙ぎ倒されていく!】


「むお!?なんだなんだこの音!?」


「…この音は…またっすか…」


ドシィィィィィ…ン!!


「危なっ!危ないっすね!あなた達ちょっと度が過ぎるっ……すよ?…」


「あ!マサアキだ~!!お~い!」


「何だか様子がおかしいっすね…」



マサアキ
HP 14
MP 0
LV.8


……はぁ…はぁ…おうぇ…


「…これは…勝負ありましたかね…」


「…まさか惨鬼君が折られてしまうとは思いませんでした…」


…ギギ…ギ…
【慘鬼は折れてしまっている!】


はぁ…はぁ…


「…一体何をされたのでしょうか?…」


…まぁ……ちょいと腕力にはな…自信あんだよ


「…自信がどうこうの次元じゃないと思いますけど……」



ゴホ…ゴホ…!


村出て半日も経たない内にいきなり村娘の言いつけを破っちまった……!


一瞬だったからまだ良かったものの、手と足が今だに痙攣してやがる…やっぱり多用できそうにないなこの技は



「………」

【リリアルは折れた惨鬼を見つめている!】


…さて……どうするお前?

相棒が殉職しちゃった訳だが


「…とりあえずお墓を建てて好きだったオイルをかけてあげます…」


いや、そんな弔い方を聞いてるんじゃなくて

降参すんのか?


「…確かに惨鬼君は駄目になってしまいましたが……私はまだ戦えます…」


まだやんのか?無理すんなよ


「…してません…私はこれくらいで屈してられないのです…」


ガクガク…
【リリアルは怯えている!】


してるだろが。震えてるって、さっきから


「……貧乏ゆすりです…私の村は貧しいので…」


だとしても今すんな、ややこしい


「…いきますよ…歯を食いしばって下さい…」

「…私のスペシャル右ストレートであなたの左胸を貫きます…」


じゃあ歯、関係ないだろ

やめとけよ、なぁ


「…心臓を…えぐりとって………うっ……」


バタ!
【リリアルは気絶した!】


っ!?お、おい…!しっかりしろ!

おっかねぇ台詞だけ残して気絶すんな!


リリアルを倒した!
マサアキは220の経験値を獲得!




「…スー…スー…」


「う~ん…呼吸も穏やかだし命に別状は無さそうっすね。たぶん疲れて寝てるだけだと思うっす」


そうか、そいつはよかった

まぁ特に武器折った以外何をしたわけでもないから、当然っちゃあ当然だけどな


「武器折ったって…あの馬鹿デカイのこぎりをっすか?一体何したんすかあなた…」


だから腕よ腕、腕力には自信あんだって

ドミリアの伝統行事、腕相撲大会少年の部優勝は伊達じゃねーぜ


「それがこの結果に本当に結びついてるならバケモノ級のレベルの高さじゃないすか、うちの村」

「しっかし、腕と言えばこの子の腕とか凄く細くないっすか?体も全体的に痩せてるように見えるっす」


「ねーちゃんご飯しっかり食べてんのか~?」


…………


「…フィールドに寝転がっているような金品の一つもない女など…もてあそばれて終わりですよ…」

「……お金も食料もない…人に縋る術を奪われた私達が出来ることって何がありますか…」

「…教えて下さいよ…」


……作戦の筋がいいかはさておきだ

それでもいろんなリスクを承知の上で、お前なりに一杯一杯な決断だったんだな


「…強欲で凶暴な二人組で…数日前に突然私たちの村に現れ…襲われたのです…」


魔族、ねぇ…


リリアルと名乗る少女を助ける
モンバルヘ行かなきゃな


無視して行くのは簡単だが

事情を知っちまった上で見捨てんのもな


リリアルと名乗る少女を助ける   ◀︎
モンバルヘ行かなきゃな




ウマオさん、ラスンって村知ってるか?


「ラスン?はい、確か村の人口の8割が女性という信仰心や宗教に重きを置いた村っすよね?昔そこの住民を村まで送った事があるっす」


行き方とかまだ覚えてる?


「え、覚えてるっすけど…何でまた…」


こいつの村そこなんだってよ。とりあえず村まで送ってやれるか?


「けど…それだと今日中にモンバルまで行くのは無理っすよ?いいんすか?」


んーしょうがないだろ、このまま放っておく訳にもいかないしな


「マサアキさんが言うなら、分かったっす」


悪いな、頼むよ

…………


「………スー…スー…」


まぁ…行くだけは行ってみるけどよ

俺に何が出来るかなんて分かんないから、あんま期待はしないでくれよな


Next town…活気を失った村 ラスン


──第2章 Fin


~To be continued~

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