かわら版No.76 2つの“値上げ”“引上げ”について (米沢市下水道料金の値上げと特別職の期末手当の引上げ)
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今回は、11月の議会に報告のありました2つの“値上げ”“引上げ”についてです。
1つ目は、米沢市下水道事業が赤字経営であり、現在一般会計からの繰入金に依存している。したがって、今後令和7年9月検針分(10月請求分)から値上げが必要であるとのことです。
これは、米沢市長から令和6年6月26日付け米沢市水道事業及び下水道事業運営協議会に諮問があり、令和6年11月5日付けで「適正な下水道使用料のあり方にいついて(答申)」として答申されました。
主な課題としては(令和6年11月27日・市政協議会資料から原文引用)
①能登半島地震の被害状況を踏まえると、耐震化を始めとする、地震や自然災害への備えが重要であること。
②原材料や燃料等の物価高騰、人件費の高騰の影響が今後も続くであろうこと。
③米沢市の人口ビジョンによると人口減少傾向が続き、使用料収入、有収水量はともに減少するであろうこと。
としています。
なお、県内13市の上下水道料金(使用料)・口径20mm、20㎥の1か月の場合(一般家庭)の比較ですと、現在米沢市は、上下水道料金合計7,172円と13市で最も低水準です。次に低い村山市で7,590円、13市で最も高い長井市は9,020円です。13市の平均は8,132円です。
2つ目は、市長等の常勤の特別職、私たち議会議員の期末手当について、一般職との均衡を考慮し、期末手当の支給割合引上げとするものです。支給割合を現在水準から0.05月分の引上げする内容です。
これは、人事院勧告(令和6年8月8日)と山形県人事委員会勧告(令和6年10月7日)を受けて、市の一般職の給与について「初任給21,400円又は23,800円と大幅に引上げ。また、若年層に特に重点を置きつつ、おおむね30歳代後半までの職員に重点を置いて、全ての職員を対象に全俸給表を引上げ改定」されることとの、均衡を考慮してとのことです。
以下、佐野の考えを述べます。
まず、下水道料金の値上げについては、最近の連続的かつ急激な物価高騰等で市民生活の窮状を考えると必ずしも望ましいものではありません。人口減少傾向を値上げの課題とするのであれば、その前提として市として人口減少政策に一定の成果を上げてから実施すべきです。もちろん、答申の内容は正当なものです。大きな災害への備えの重要性も理解しますが、広義の増税の実施は、市民感情としては忸怩たる思いがあります。
次に、議会議員の期末手当の引上げは必要ありません。市長等の常勤の特別職については、本人が必要性・許容性を自律的に判断し、議会に仰ぐべきです。市民に公共料金の“値上げ”を要請しながら、議員が特段の事情もなく期末手当の“引上げ”を甘受することには違和感があります。
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かわら版No.76