【映画】ムコリッタ
『川っぺりムコリッタ』
ムコリッタとは、仏教における時間の単位のひとつで、1日(24時間)の1/30、48分を意味する言葉。
穏やかな世界のなかに、ささやかな幸せが詰まっている作品。孤独な青年・山田が築50年の安いアパート、ハイツムコリッタに暮らし始めたところから物語は始まり、山田とハイツムコリッタに住む住人たちの交流が描かれる。彼らは皆それぞれ辛い気持ちを抱えていて、一文無しに近い状態ではあるものの、お金では買えない人の温もりを与え合う。一緒にご飯を食べて、笑って…。優しい世界で生きている。
映像が独特で綺麗なのが特徴的で、のんびりとした雰囲気がそこからも伝わってくる。騒がしい日々を送っている人に、ゆったりとした時間を過ごさせてくれる映画だった。
全体の温度感やテンポが日本っぽいというか、とても邦画的だなと感じた。好き嫌いは別れそうな作品だが、ぜひ日曜日の夕方とかに観てほしい。