友達と会って、なにを話すか迷ってしまう。

昨日、高校時代の友達と会ってきた。

卒業式以来、4年ぶりの再会だったため、まあ見事に胃がキリキリして、会う直前まで「ドタキャンしてくれないかな〜」なんて最低なことを本気で考えていた。

医学部に通う彼女は、研修終わりらしく、品のいいスーツ姿で現れた。綺麗になったなぁ〜などと親戚のおじさんのような感想を持ちつつ、高校時代の彼女に想いを馳せた。

彼女は、筋金入りの本の虫で、中高6年間ずっと図書委員だった。高校の教室の中で、私は彼女から数多の、魅力的な本を教わった。

そんな彼女との今回の会合で、私には、大学4年のこの時期恒例である(?)お互いの進路報告会を序盤でさっさと済ませちゃおうという目論見があった。

なんせ、私は就職しないのだ。あまり騒がれたくない!心配されたくない!心配は、ご本人様分だけで十分なのだ!

彼女の「医学部での今後」の話を興味深く聞いたあと、私はさらりと、「こっちは、就職せずもう1年、〇〇という専門学校に入ることになったわ〜!」と言ってみた。

すると彼女は、前のめりになって、「なにそれ、1番おもしろいじゃん」と強気で言い放った。そして、「ほんと、あなたサイコー」と言いながらゲラゲラ笑っていた。


想像と違う反応に戸惑っているうちにも、彼女はこう続けていた。


「私が高校時代に光っているなぁと思っていた子たち、なんだかんだ言いつつもみんな就職して収まるべきところに収まっていくから、少し悲しかった。あなたは、光ったままでいてくれてすごくうれしい。」

「もはや、光増してない? こんな世の中でそんなことがいかにして可能なのよ? さすが、変わってないね〜〜」と笑っていた。


私からすると、就職しないで専門学校で学ぶことは、ただ病み続けていたら辿り着いてしまった答えでしかなかった。

光とは程遠い、もはや逆の方向に進んでいる。ついに社会から振り落とされたか〜。ここで脱落か。まあ逆によく大学までしがみついてきたなという感覚だった。


もう、みんなと同じゴールを目指さなくてもいい。エリートコースをゴールに設定しなくてもいい。なぜなら、私にはその資格がないから。そこまで社会に適合できる能力がないから。そう割り切ると、気持ちがスッと楽になり、なんなくこの決断ができた。そうだ、戦場を変えよう。



「悩むけど、とにかく目の前のことが大事だから就活を続けて、なんとか内定をもらうまで頑張る」というのがマジョリティで、でもそういう適切(?)な判断ができなくなるところまで、私が勝手に病んじゃっただけだ。



だから、彼女の言葉を聞いた時、自ら選んだ進路の上で、キラッと光る勝ち筋が浮かび上がったような気がしてクラっとした。そんなのただの自信過剰だし、社会を舐めたら痛い目みるけど、彼女の言葉が、今後私のだいじなだいじな栄養素になることは間違いない。


その後は、平和に高校時代と同じような話をした。「社会人になって好きな作家としてあげるのに適した作家は誰か?」とか「チームラボやアートアクアリウムに惹かれないのはなぜか?」とか・・・

私たちは会うといつも、現実以外のことばかり話している。エンタメを、空想を、思考を、共有できるのはやっぱり気持ちがいい。


帰り際、彼女はボソッと「あなたの人生、エッセイにしてほしいなあ〜読みたい・・」と言っていた。

ごめん、実はもうnoteで散々書き荒らしてまして・・・と思ったけど、さすがにそれは言わなかった。


それはそうと、
あなたを笑わせる人生をこれからも送るという、新たな目的ができて、私はすごく嬉しかった。


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