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親の当事者意識と子離れの関係
次女が喉が痛いというので、小児科に連れて行きました。
その帰り道、次女が通っていたこども園の前を久しぶりに通ったんです。そうしたら、たくさんのお母さんたちが担任の先生を囲んで、熱心にお話を聞いていました。
とても見慣れた光景で懐かしくなりました。私もかつては、幼稚園のお迎えに行って、担任の先生が話してくれる「今日の様子」や「明日の持ち物」などを聞き漏らしてはいけないと、食い入るように聞いていたな-。
そこでふと思ったんです。
子どもが幼い頃は、親も【当事者意識】全開で、園や先生と関わっているんだな。
そう言えばそうだったなと。
平常時はもちろん、お楽しみ会や運動会などの特別行事、それから謝恩会まで。ありとあらゆることに親が参加することが当たり前。
そして、そうやって親同士が集まれることが楽しみでもあったし、子ども・先生・親で一緒になって園を創り上げている感じがしていました。
子どもたちが小学生になった今。
「保護者の当事者意識のなさ」が何かと話題になっています。
教育に関する書籍を読んでも、教育系のオンライントークイベントに参加しても、専門家や学校関係者から現代の学校教育に対する否定的な意見、また保護者の意識についても語られることが多いです。
何を血迷ったのか、私は小学校のPTA本部副会長をしています。
経緯を少し。
15年間住んでいた台湾から本帰国し、長女が小学校2年生として学校に通い始めました。
初年度はPTAの中でも負担がなさそうな役職に立候補しましたが、他の保護者たちも私と同じ考えだったようで、立候補者多数によりじゃんけんに。私は負けて、何の役職にも就かずに1年目終了。
そして2年目は立候補もせずにスルー。そして、長女が4年生、次女が1年生に上がる直前に隣の学区(現在2人が通う学校)に引っ越しすることに。
運良く前の学校ではPTAの役職に一度も就かなかったので、やったのにゼロに戻るということは避けられました。ラッキー!
で、この新しく通い始めた学校では、PTAがポイント制です。子どもが卒業するまでに、1人2ポイント獲得しなければなりません。
学級部や広報部などの活動が多めな役職は、1年やると2ポイントがもらえます。一方、バザー委員や研修委員など仕事が少なめな役職は1年で1ポイント。
転校してきてすぐはキツイなと思ったので、長女が4年生の時には何もやらず。そして、5年生になりいよいよポイント獲得できなくない?!と心配になり始めました。
で、次女のこども園のママ友(本部書記経験者)が「本部役員をやると、子どもが何人いてもその全てのポイントが免除になるよ!」と教えてくれて、「え!一気に終わらせられて、めっちゃいいじゃん!」とほぼ勢いだけで本部書記に立候補。で、なぜか結果的に、誰もやり手がいない副会長になることに。
そうなんです。全てはポイントゲットのため。それで本部役員になったんです。当事者意識ゼロ。
今はもう本部副会長2年目になりました。
もともと海外が長かったので、「PTAってなに?そもそもそれ本当にいるの?余裕ないよ、こっちは。」という【PTAいらない派】でした。
だけどですね、やっぱり中でとことんやってみると、色々なところで「やっぱり自分たち保護者が当事者意識をもって、地域・教師・保護者・親で学校を創っていかなきゃ」と思える場面に出くわしました。
その中で一番大切なのは、やはり【子どもの安全面】。地域のスクールガードという名のおじいちゃんやおばあちゃん多数の(最高齢は90歳らしい)方々が、酷暑の日も台風の日も、雨の日も雪の日だって毎朝通学路に立ってくださっているのです。
そんな方々と会議で話し合ったりして、交流を繰り返していると、他人のおばあちゃんおじいちゃんがあそこまでしてくれているのに、保護者である私たちがこのままでいいのだろうか。
私たちこそが、子どもたちの親であり【当事者】なのに。
と思うようになりました。やっぱり外で「PTAなんていらない!」「PTAなんて昭和の組織じゃん。」とワイワイ言っていても何もわからないし、何も変わらない。
それならガッツリ中に入って、体験する。そして、最上位目的である【子どもの安全を守る】だったり【子どもの学校生活を豊かにする】だったり、そういうものを叶えるために、必要なことだけをする組織に変えていく。
そうやっていく必要があります。
子どもの安全で健康な学校生活に関わる親としての【当事者意識】。
子どもが小学校に入ると、親も否が応でも【子離れ】しないといけない。
その【子離れ】と共に、親の【当事者意識】が薄れていくのかも。
娘を連れて行った病院の帰り道、懐かしい子ども園の前を通ってそう思ったんです。
物理的にも心理的にも。
子どもが小学生以下の時には、お母さんもまだパートに行っていなくても、子どもが小学校に上がったらパートに出る人も多くなります。
子どもが家から離れている時間が長くなるので、お母さんも時間ができ、それならパートにでも出て家計を支えようかとなります。これが物理的な子離れ。
心理的としては、お母さんと子どもの離れている時間が長くなると、やはり四六時中その人のことを考えているわけではなくなりますよね。
子どもにも新しい友だちができるし、好きなことや気が合う友だちと過ごすほうがきっとおもしろい。それに自分一人でできることも、どんどん増えてくる。
こうやって心理的にも【子離れ・親離れ】が進みます。したいとかしたくないとかに関わらずです。
子どもが園児の時は、親も先生と一緒に子どもたちの安全を守ろうとしたし、親・先生・子どもと一緒に園生活を創り上げようとした。
つまり、親が園に関わっているという【当事者意識】が強かった。
でも、子どもが小学校に上がると、【子離れ】と共にその【当事者意識】が弱まり、子どもの学校とも距離が自然に離れていってしまう。
「当事者意識を持て!」「当事者意識を持とう!」とよく耳にしますが、実はその背景には、また他の原因があるのかもしれないなーと思いました。
そんな私の、副会長としてのPTA生活はまだ続きます。
自分ももちろん保護者の一人。だからこそ、保護者の方々にちゃんと届くように言葉を選んで伝えていきたいなと思いました。
染