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15年台湾に住んだ私が思う日本と台湾 #3【自国の政治は自分ごと】
日本は【みんなで無理しよう】
台湾は【みんなそれぞれでいいよ】
私が台湾に15年住み、2018年から日本に帰ってきて住んでみて感じたこと。
3回目の今日は、
【自国の政治は自分ごと】という観点から見ていきます。
過去二つ
#1【ママも気楽に生きられる】
#2【台湾におけるLGBTQ+】
投票のために社会人も学生も、世界中から【投票帰国】!
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台湾では、国民が投票して大統領を直接選びます。
つまり、直接選挙です。
前回は2020年の1月。
大統領選挙は4年に1度行われます。
その時の投票率が75.9%!
すごいのは投票率だけじゃないんです。
世界各地に住んでいる台湾人が、この選挙のために台湾に帰国するんです!私もこれを最初に聞いたときは、たまげました。
しかも、帰らないほうがおかしいくらいに思われます。それくらい、台湾人にとって、【投票する】ことが常識なんです。
日本に住んでいる私の友人も、みーんな台湾に戻って投票しました。
場所によっては、30時間もかけて帰国し、投票したらすぐ帰るということもあるようですね。
移動のための費用補助も?!
2020年当時、日本に住んでいる台湾人の友人から聞いた話では、
皆が一斉に帰国するため、航空券がかなり取りにくくなっていたそう。
投票日当日の1月11日は土曜日でしたが、前日移動して投票が終わったら翌日帰るという【弾丸帰国】がほとんどだそうです。
だから皆、往復の便がかぶってしまい、航空券が取りにくくなるという事態が起こったのかと考えられます。
このように、他国から台湾に大移動する人も多くいますが、台湾国内でも大移動があるんです!
というのも、台湾では、現住所ではなく本籍地で投票します。なので、仕事や学業で他の場所に移り住んでいる人たちも、皆で大移動です!
そしてなんと、お金があまりない学生の交通費を支援するという人や団体、学校もあります!電車や新幹線などの交通費を、学生の家庭の所得により半額や全額出すというのです。
今日の香港・明日の台湾
![](https://assets.st-note.com/img/1662297446230-5nIsePeGUI.jpg?width=1200)
【2019年-2020年香港民主化デモ】
これは、2019年3月から2021年8月まで香港で行われていた一連のデモ活動の総称。
前回の台湾大統領選挙は、2020年1月でした。
つまり、この香港民主化デモの真っ只中。
【今日の香港・明日の台湾】
台湾ではこのスローガンを掲げ、若者を中心に投票に行くことを呼びかけました。
また、今年2022年には新たに、
【今日のウクライナ・明日の台湾】というスローガンが掲げられるようになりました。
中国とロシアが使っているロジックの共通点は「歴史的、民族的に我々は一つである」
大国対小国。ロシア対ウクライナの戦争は、台湾人にとって決して他人事では済まされないのです。
15年台湾に住んでいた私が、台湾人から感じること
『自由はいつもそこに自然に流れているものではなく、自分たちの手で守っていくもの』
そんな想いや考えが台湾人からは感じられます。
とても穏やかでフレンドリーな台湾人。
でも、ひと度政治の話題になると、激論を交わすこともしばしば。
【緑?青?】
これは台湾の二大政党を表す色です。
緑は民進党、青は国民党です。
興味深い図を見つけました。
![](https://assets.st-note.com/img/1662300178845-7YCji8sbBU.jpg)
台湾のイデオロギー(政治的立場)は,台湾ナショナリズム(独立志向),中国ナショナリズム(統一志向),そして2つのナショナリズムの中間にあるゆるやかな「台湾アイデンティティ」(現状維持)の3つである。このイデオロギー構造に二大政党の立ち位置を重ねたのが図2(上の図)である。
この二大政党を巡る議論は、家庭内や友達同士、職場でも行われます。
私も友人から聞いたことがあるのは、家庭内(特に二世代・三世代家族)で支持政党が緑と青に分かれ、それで口論になることも多々あるとか。
また、私と日本語の授業をしている学習者、特に若者は政治や選挙について、自分の意見が言える人がとても多いです。
例えば、「このコロナ禍における政府の対策や支援について、自分はどう思う」とか。「次回の大統領選挙2024年には、私はこうなるだろうと思う」とか。
きちんと、現状を把握し、自分の意見を持って、そして将来の予想まで述べられます。
台湾人の【自国の政治は自分ごと】。
それは、当たり前のことなんです。だって、自分の国のことなんだから。
でも日本はどうでしょうか。
もちろん選挙の方法の違いもあります。台湾は直接選挙なので、自分の一票がわかりやすく結果に表れます。
自分の一票で国が変わる。
自分がまさに国をつくっている当事者の1人なんだ。
そんな想いが台湾人からは感じられます。
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