明け方の若者たち
自分の人生はなんなのか、こんなはずじゃなかったのなら、どんなはずだったのか、それを考えた時に、自分で言葉を定義付けしていく必要があると感じた
人生は加点式だと主人公が考えたように
親友が、覚悟の意味を語ったように
大企業に勤めれば勝ち組、やりたいことを仕事にできたら幸せ、というような人の価値観や軸でできた言葉や世界で生きることではなく、自分の中で言葉を定義付けて生きること
こんなはずじゃなかった人生を捨てたいなら、まずはそこからじゃないか
人と比べることをやめる、人を羨むことをやめる、人を妬むことをやめる、環境のせいにすることをやめる
自分の人生に責任を持つこと、それが、こんなはずじゃなかったと自分の人生を振り返らない一つの道なのかもしれない
私は、この本を読んで、こんなはずじゃなかった人生を歩まないようにどうしようか、と考えた
でも、この本の主人公は違ったのかもしれない
愛した人は、こんなはずじゃなかった人生を一緒に歩みたかった、それくらい夢中になって好きな人だった
自分のものには一生なれない人、法的にも倫理的にも結ばれない人との生活は非日常すぎて、こんなはずじゃなかった人生からは絶対抜け出せない
でもそれでもよかった、むしろそれがよかった
だから主人公はとことん、こんなはずじゃなかった人生を歩みたかったのかもしれない
それは現実からの逃げのようにも感じるし、盲目的に人を愛した人の末路を表しているような気もする