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日本人の睡眠休息感はコロナで改善していた!?
この記事は「コロナ禍で日本人の睡眠休養感は改善」をより多くの方に知っていただくため、専門的な内容をできるだけ身近な言葉で説明しています。正しい内容が知りたい方は、元のプレスリリースをチェックしてくださいね。
みなさんは、コロナ禍で自分の睡眠が変わったと感じていませんか?在宅勤務が増えて通勤時間がなくなった、リモートワークで生活リズムが変化した、そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。最近、奈良県立医科大学の研究グループが、とても興味深い調査結果を発表しました。日本人の睡眠の質をあらわす睡眠休養感(睡眠によってどれだけ体が休まったと感じるか)が、実はコロナ禍で良くなっていたんです。
研究が明らかにした睡眠の変化
この研究では、コロナ前の2019年とコロナ禍の2022年を比較しています。すると、男性では21.4%から18.8%へ、女性では23.7%から21.2%へと、「睡眠で休養が取れていない」と感じる人の割合が減っていたのです。この変化の背景には、主に2つの要因があると考えられています。1つは、在宅勤務の増加により、平日と休日の睡眠時間の差が少なくなったこと。もう1つは、義務的な付き合いが減ったことで、心の負担が軽くなった可能性です。確かにコロナの自粛ムードによって睡眠を削る要素(通勤やちょっとした付き合い)がなくなり、休めてるって感覚が増えた感じがありましたね。
見逃せない影の部分
しかし、この変化は全ての人にとって良い方向に働いたわけではありません。研究では、次のような課題も指摘されています。まず、コロナ禍による影響は、働き方によって大きく異なりました。在宅勤務という選択肢があった正社員と違い、非正規労働者の多くは失業や賃金減少などの深刻な影響を受けました。また、自宅で過ごす時間が増えたことで、とくに女性の家事や育児の負担が増加したことも報告されています。つまり、睡眠の質の改善は、必ずしも全ての人の生活の質の向上を意味するわけではないのです。
これからの睡眠を考える
この研究からは、私たちの働き方や生活様式の見直しが、睡眠の質の改善につながる可能性が示されました。しかし同時に、その恩恵を受けられない人々がいることも明らかになりました。コロナ後の社会では、良い変化は継続しつつ、負の影響を受けた層へのサポートも考えていく必要があります。柔軟な働き方の選択肢を増やすことや、家事・育児の負担の偏りを解消することなど、誰もが質の良い睡眠を取れる環境づくりが求められているのです。
今回の研究では、コロナによって睡眠休養感が改善していたことが分かりました。けど、そもそも睡眠感覚は当てにならないよ!って研究もあるんで、参考程度にしてた方がいいです。
より詳しい内容をQ&Aでお答えします!
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睡眠休養感って具体的に何ですか?
睡眠休養感は、朝起きた時に「よく眠れた」「体が休まった」と感じられるかどうかを表す指標なんです。この研究では4段階で評価していて「あまり取れていない」「まったく取れていない」と答えた人を「睡眠休養感が悪い」と定義しています。日本人は先進国の中で睡眠時間が最も短く、この睡眠休養感の改善は以前から大きな課題だったんです。
この研究はどうやって行われたのですか?
厚生労働省が実施している「国民生活基礎調査」のデータを使って分析されました。このデータはとても信頼性が高く、2019年と2022年の比較ができる貴重な情報源なんです。研究チームは、性別や年齢、睡眠時間だけでなく、社会経済的な状況や生活習慣なども考慮に入れて、丁寧に分析を行いました。
年齢によって結果に違いはありましたか?
はい、興味深い違いが見られました。49歳以下の男女では睡眠時間が短い人の割合が減少したのに対して、50歳以上の男性と75歳以上の女性では逆に増加していました。ただし、睡眠休養感については74歳以下の男性と、すべての年齢層の女性で改善が見られました。この年齢による違いは、在宅勤務などの生活様式の変化がどれだけ影響したかの違いを反映している可能性があります。
パンデミックのストレスによる悪影響は出なかったのでしょうか?
これは研究チームも注目した点です。コロナ禍の初期(2020年)には世界中で睡眠の質が低下したという報告が多かったのですが、この研究は3年目の2022年のデータを使っています。実は2020年から2021年にかけても、日本では徐々に睡眠休養感が改善していることが確認されています。これは日本特有の現象かもしれません。研究チームでは、もともと睡眠に問題を抱えていた日本人にとって、生活様式の変化がかえってプラスに働いた可能性を指摘しています。
考察:睡眠の質は「時間の余裕」から生まれる?
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この研究で分かったのは、必ずしも睡眠時間が長くなったからよく休めたわけではないということ。実は、睡眠時間が短い人でも「休めた」と感じる人が増えていたんです。これは何を意味しているのでしょうか。おそらく、私たちの睡眠の質は、単純な時間の長さではなく「時間に追われていない」という心理的な余裕と深く関係しているのかもしれません。つまり、通勤時間や義務的な付き合いがなくなり「急いで寝なきゃ」「早く起きなきゃ」というプレッシャーが減ったことで、同じ睡眠時間でもより深い休養が得られるようになった可能性があります。
もしかすると、良質な睡眠のカギは時計の針ではなく、私たちの心が感じる「余裕」にあるのかもしれません。これは、アフターコロナの働き方や生活リズムを考える上で、とても大切なヒントとなりそうです。
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