見出し画像

日本のダイズが変わる! アレルギー対策の新技術に世界が注目

この記事は「外来DNAを用いないゲノム編集にダイズで初めて成功~ダイズの迅速かつ的確な品種改良への貢献に期待~」をより多くの方に知っていただくため、専門的な内容をできるだけ身近な言葉で説明しています。正しい内容が知りたい方は、元のプレスリリースをチェックしてくださいね。

挿入画像の出典:PDF

みなさん、豆腐や納豆、味噌など、私たちの食卓に欠かせないダイズ製品。でも、ダイズアレルギーで食べられない方もいらっしゃいますよね。今回は、そんなダイズをより安全に、より使いやすく改良する画期的な研究成果についてお話しします。北海道大学、カネカ、京都大学、農研機構の研究チームによる共同研究の成果なんです。

なぜ今回の発見が注目されているの?

これまでダイズの品種改良は、外からDNAを入れる必要があり、とても手間がかかっていました。特に、植物を育て直す「組織培養」という難しい作業が必要で、うまくいく品種が限られていたんです。

どんな新技術を使ったの?

今回、研究チームは発芽したばかりのダイズの芽の先端、つまり新しい芽や葉を作り出す「生長点」に直接アプローチする方法を発見しました。とても小さな金の粒子に必要な物質を付着させ、高圧ガスの力で生長点に届けるという驚きの技術です。この技術は「iPB-RNP法」と名付けられ、カネカと農研機構が特許を取得しているんです。この技術のおかげで、これまで改良が難しかった日本の品種「ユキホマレ」や「フクユタカ」でも、スムーズに品種改良ができるようになりました。

アレルギー対策への第一歩

この新技術を使って、研究チームはまず、アレルギーの原因となる「Gly m Bd 30K」というタンパク質を作る遺伝子を狙い撃ち。その結果、見た目は普通のダイズなのに、このアレルギー物質を作らない新しいダイズができたんです。

新しい技術の成功率は約1%と、従来の方法(2-4%)より少し低めです。でも、より多くの品種で改良できる可能性が開けた上、組織培養も必要ないため、品種改良にかかる時間も大幅に短縮できます。

これからの期待は?

実は、ダイズには10種類以上のアレルギー物質が含まれているんです。この技術を使えば、それらの対策も、より早く効率的に進められるかもしれません。また、従来の品種改良と組み合わせることで、よりアレルギーの心配が少ないダイズを効率よく作れるようになる可能性も広がります。

まるで魔法のような新技術ですが、これは日本の研究チームが世界に先駆けて成功させた快挙なんですよ。私たちの食卓がより豊かで、より多くの人が安心して食べられる未来が、少し近づいてきたのかもしれませんね。

内容を振り返りたい人は以下PDFを見てね!

その疑問にQ&Aでお答えします!

Q:この研究は遺伝子組み換えとどう違うのですか?

従来の遺伝子組み換えでは、外からDNAを入れて植物の遺伝子を変えていました。でも今回の技術は、外からDNAを入れずに、ダイズが本来持っている遺伝子を直接編集します。そのため、余計な遺伝子を取り除く必要もありません。

Q:このダイズはいつ頃食べられるようになりますか?

研究段階なので、すぐに食べられるわけではありません。でも、この技術によって品種改良の時間が大幅に短縮できるため、従来より早く実用化できる可能性があります。

Q:アレルギー物質を完全になくすことはできるのですか?

今回の研究では一つのアレルギー物質(Gly m Bd 30K)を作らないようにすることに成功しました。ダイズには10種類以上のアレルギー物質があるので、この技術を使って順番に対策していくことが期待されています。

Q:成功率が1%と低いのに、なぜ画期的なのですか?

確かに成功率は従来法(2-4%)より低めですが、この技術の強みは「より多くの品種で使える」点です。特に、日本の伝統品種など、これまで改良が難しかった品種でも挑戦できるようになりました。また、手間のかかる組織培養が不要なので、全体的な効率は格段に上がります。

Q:この技術は他の作物にも使えるのですか?

この技術(iPB-RNP法)は、もともと小麦で開発された技術をダイズ用に改良したものです。そのため、他の作物への応用も期待されています。

Q:アレルギーがない人にとってはどんなメリットがありますか?

この技術は、アレルギー対策以外の品種改良にも使えます。例えば、栄養価を高めたり、環境ストレスに強い品種を作ったりすることも可能になると期待されています。また、品種改良の時間が短縮されれば、私たちの食生活をより豊かにする新しいダイズ製品が、これまでより早く開発できるようになるかもしれません。

Q:なぜ「生長点」を使うのですか?

生長点は植物の新しい部分を作り出す場所です。ここで遺伝子を編集すれば、その後に育つ植物体全体に編集の効果が行き渡ります。また、傷つきにくく再生力も強いため、このような技術に適しているのです。

執筆の励みになるので、内容がおもしろかった!参考になった人は「いいね」お願いします。他の研究も知りたい人は「フォロー」しておくと漏れなくチェックできますよ!

いいなと思ったら応援しよう!

日本の研究最前線
いただいたチップは日本の「研究最前線」を製作するために使わせていただきます🙇‍♂️