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【2024年上半期】 本好きアラサー女子が選ぶ!面白かった本ジャンル別BEST3

はじめに

あっという間に2024年も半分が過ぎましたね。パリオリンピックを見ながら、「東京オリンピックからもう3年も経ったのか…」と感慨深いです。

あっという間だった気がするのに、あの時とは仕事も住む場所も変わっていて、変化が起きるには十分な時間が確かに経っているのだなぁ、と。とはいえ、年々速さを増しているように感じる時の流れにはビビりますが。笑

さてさて、飛ぶように過ぎた2024年上半期ですが、気づけば53冊も本を読んでいたようです。

Instagramでは、「2024年 上半期」というタイトルで上半期に読んで良かった本をすでに紹介しているのですが、各月のBEST本を紹介するというスタイルの投稿だったため、実際のランキングとは相違があるというのが正直なところ。(正直、すごく豊作だった月とハズレの月がありました…)

また、小説メインのアカウントということもあって、コミックや一般書はランキングから除外してしまうことが多いんですよね。(そもそも投稿内でもあまり紹介してない)

ということで今回は、上半期に読んだ本を〈小説部門〉〈エッセイ部門〉〈コミック部門〉〈一般書部門〉に分けて、部門別にBEST3を発表していきたいと思います!!


〈小説部門〉

第1位 『スモールワールズ』 一穂ミチ

1月に読んだ一穂ミチさんの『スモールワールズ』が堂々の第1位。

最近、日常生活の中での迷いや鬱屈を描く作品(そして最後に癒しがあるような)を好んで読んでいたのですが、読み過ぎたせいかちょっと飽きが来てたんですよね。

それをいい意味で裏切ってくれたというか、新たな風を送ってくれたのがこの作品。

これも確かに日常生活の中での迷いや鬱屈を描いているのだけど、どのお話も「きっとここに収まるだろう」という結末からはするりと抜け出ていて。予想外の展開なのに最後には納得感もあり、大満足の一冊でした。

一番好きな短編は「魔王の帰還」なのですが、収録されてる短編すべてが完成度高く、それぞれがまったく異なる雰囲気を持っているのも良かったです。

はじめて読む一穂ミチ作品でしたががっちり心を掴まれて、その後すぐに『光のとこにいてね』も読みました。今後は他の作品も読んでいきたい!!

第2位 『猫を抱いて象と泳ぐ』 小川洋子

こちらも1月に読んだ作品(1月が豊作すぎた)。『スモールワールズ』とめちゃくちゃ迷ったのですが、小川洋子さんの『猫を抱いて象と泳ぐ』が限りなく1位に近い2位にランクインです。

『博士の愛した数式』を読んで以来、天才だと思っている小川洋子さん。『博士』が良すぎるせいで、他の作品を読んでもなかなか『博士』の感動を超えてこないと思っていたのですが、これは…!

『博士』より好きとは断言できないですが、作品の雰囲気はこっちの方が好きかもというくらい素敵な作品でした。

寡黙だけど優しい少年が、チェスを通して対戦相手と心を通わせていく物語。登場人物の人となりを肉付けしていくエピソードの一つ一つが、ちょっと滑稽なのに愛おしくて泣けてきます。

取るに足らないものにも温かい眼差しを向ける小川洋子さんの物語が、やっぱり大好き。下半期も小川洋子ワールドにどっぷり浸りたい!

第3位 『さんかく』 千早茜

3位は2月に読んだこの作品。直木賞を取る前からお名前は存じ上げていたけれど、なかなか読む機会がなかった千早茜さんの『さんかく』です。

京都の街を舞台に、大人の男女による駆け引きにまみれた三角関係が展開していきます。

…が、主要人物3人がとにかく狡い!

付き合ってない男に同居を提案したり、彼女に黙ってその誘いに乗ったり、「彼氏がいる自分」をキープしておいて肝心の彼氏は放ったらかしだったり。

でも、ある程度の年齢を重ねてきている私たちなら、自分自身や身近な人たちの中に、こんな狡さはいくらでも見出せるのではないでしょうか。

そして、浮気するわけじゃないからこそ複雑な心理の描き方の巧いこと巧いこと。

最後まで読んでも決してスッキリする物語ではありませんが(イライラしちゃう人もいる気がする笑)、今の私にはめちゃくちゃ刺さりました。刺さりすぎて「うわ〜!」って言いながら読んだくらい。笑

語りすぎましたが、「出てくる料理がどれも美味しそう」ということにも最後に言及しておきます。夕香さんのご飯が食べたい!!

〈エッセイ部門〉

第1位 『幾千の夜、昨日の月』 角田光代

1月に読んだ作品がまたまたランクイン。しかもKindle Unlimitedで無料で読めた作品です。

直木賞作家・角田光代さんによる「夜」がテーマのエッセイ集。臨海学校で友達と過ごす夜や病院で明かす一夜、旅先でたったひとりで迎える夜など、たくさんのエピソードが収録されています。

角田さんと似た体験が自分にもあるかと言えばないのですが、読んでいるうちに自分自身の印象深い夜に思いを馳せてしまうから不思議。

誰だって、不安で泣きたくて、理想に焦がれて眠れなくなって、孤独なのに自由でどこまでも行ける気がする、そんな夜を過ごしたことがあるのではないでしょうか。

最近は何か考える暇もないくらい一瞬で寝落ちしてしまう私ですが、そんな夜が確かにあったなと、思い出させてくれる作品です。

書店では見かけたことのないこの作品、Kindle Unlimitedを利用していなければきっと今後も出会うことはなかったでしょう。
神サービスに改めて感謝です!

第2位 『旅をする木』 星野道夫

2位は、6月に読んだ星野道夫さんの『旅をする木』。『幾千の夜、昨日の月』が今の私の気分に刺さりすぎたためこちらが2位なのですが、正直今まで読んだどのエッセイよりも後世に残すべき作品だと思う。

アラスカの美しくも荒々しい自然、それを形作ってきた悠久の時の流れ、そして自然が与える生も死もすべて受け入れる人々の暮らし…。

人間が文明を築き、環境を破壊し、憎み合って殺しあう、それらすべてがなんとちっぽけなことかと拍子抜けさせられてしまうほどの広くて深い世界を、この本は垣間見せてくれます。

少年時代から焦がれ続けたアラスカの地で写真家として活躍し、そしてアラスカの大自然の中で亡くなった星野さん。

事故はもちろん残念だけれど、アラスカの自然と向き合うことに命を懸けたその生き様は、大人になるにつれて私たちが忘れてしまった情熱を思い出させてくれる気がします。

今後もずっと読み継がれていくべき名著!!

第3位 『とりあえずお湯わかせ』 柚木麻子

3位は、3月に読んだ柚木麻子さんのエッセイ『とりあえずお湯わかせ』。コロナ禍を挟む4年間の記録です。

制限の多い暮らしを知恵と工夫で面白おかしく乗り越えていく前半パートから、「不便さを個人の工夫でしか解決できないのはおかしい!」と社会のあり方へ目を向けていく後半パートまで、エッセイにも関わらず流れがあってグイグイ引き込まれました。

女性で子持ちで持病持ちという、コロナ禍では「弱者」にならざるを得なかった柚木さんが、その立場から声を上げるその勇姿に、読み進めながら「そうだそうだ!」と何度も拳を突き上げたい気分でした。

また、社会に物申す内容でありながらも、ユーモラスな視点も忘れず相手の立場も思いやった書きぶりに、柚木さんのお人柄がよく表れているな、と。書き手の素顔が垣間見れることも、エッセイを読む醍醐味ですよね。

柚木さんの小説は大好きでよく読んでましたが、このエッセイを読んだことで柚木さんがより身近に感じられて嬉しかったです。

〈コミック部門〉

第1位 『もものききかじり上・下』 今日マチ子

4月に読んだ今日マチ子さんの『もものききかじり 上・下』が1位にランクイン。というか4月に読んだ小説が全体的に不作で、Instagramで毎月選んでいるBEST本にもこの作品を選びました。(小説紹介アカウントなのに…)

派遣社員として働きながら舞台女優を目指す26歳の女の子、もものストーリー。

夢に向かって一直線の劇団仲間や、いい相手を見つけてさっさと身を固めてしまった友人を横目に見ながら、夢を追いたいけどついつい現実も見てしまう、等身大のももの姿にめちゃくちゃ共感しました。

その迷いは自信の無さから来るもので、本当はどうしたいか心の中でははっきり分かっているはずなのに、「アラサーにもなったら地に足つけるべき」みたいな世間体に邪魔されちゃうんですよね。(分かるなぁ…)

今日マチ子さんといえば『センネン画報』のような、セリフがなくてイラストの雰囲気で語る、みたいなイメージがあったので、しっかりストーリーのあるこの作品の読み味はなんだか新鮮でした。(こっちもめっちゃいい!)

個人的には今日マチ子さんの後書きの言葉もめちゃくちゃ刺さった。フルカラーなのも嬉しかったです。

第2位 『ミカコときょーちゃん』 世紀末

6月に読んだ世紀末さんの『ミカコときょーちゃん』が2位にランクイン。

「泣ける四コマ」で話題の世紀末さんは、『殺さない彼と死なない彼女』を読んで以来ずっとXをチェックしている作家さん。ミカコときょーちゃんの物語も、ずっとXで追っていました。

お互いを想い合う2人の関係性が素敵だな〜と思いながら読んでいたら、結構序盤できょーちゃんはもういないことが明かされて、衝撃を受けたのを覚えています。

大切な人を失っても、その人との思い出すべてが悲しいものになるわけじゃない。家族であれ友人であれ恋人であれ、みんな誰かをなくした経験があるからこそ、ミカコときょーちゃんが過ごした一瞬一瞬がとても尊く感じられるんだろうな。

四コマというスタイルと素朴なタッチのイラストのおかげで、精神的に辛い時でも気軽にパラパラとめくれるところも魅力。さみしい夜に、心の支えになってくれる作品だと思います。

第3位 『泣きたい夜の甘味処』 中山有香里

悩める人が喫茶店を訪れる小説が好きで、『今宵も喫茶ドードーのキッチンで』『満月珈琲店の星詠み』『純喫茶トルンカ』などなど、とにかく読み漁っていた時期があったのですが、この作品もその流れで読んだもの。

仕事や人間関係などで辛い思いを抱えた人々が、突然姿を現した甘味処でふらりと足を止め、甘いお菓子に癒されるというストーリーです。

ブラック企業での勤務経験が豊富な私は、仕事で理不尽な思いをした人のエピソードにとにかく感情移入。当時読んでいたら涙が出てしまったのではないかと思うほど、あたたかなセリフが心に沁みました。

中山有香里さんは今回はじめて読む作家さんでしたが、ほのぼのとしたタッチのイラストにめちゃくちゃ癒される!『疲れた人に夜食を届ける出前店』も良かったです。

〈一般書部門〉

第1位 『ME TIME 自分を後回しにしない「私時間」のつくり方』 池田千恵

2月に読んだ池田千恵さんの『ME TIME』が1位にランクイン。

手書きの手帳でスケジュールやタスクを管理している私は、手帳系のYouTubeやInstagramの発信を見るのが好きで、この本もその流れで手に取ったもの。

しかしこの本は手帳術というよりは、自分のための時間(=ME TIME)を確保するための時間管理術について書かれていて。

期待していた内容とは少し違ったのですが、「人は”自分”のための時間より”誰か”のための時間を優先している」という言葉にはハッとさせられました。

会社での残業も、家事も育児も、私たちが「時間が足りない!」と思いながら費やしている時間は、すべて誰かのための時間なんですよね。

まずは自分のため、自分が本当にやりたいことのために時間を使うためのマインドセットを整えてくれるこの作品。

時間に追われがちな現代人は全員読むべき一冊です!

第2位 『感性のある人が習慣にしていること』 SHOWKO

第2位は、またまた1月に読んだこちらの作品。SHOWKOさんによる『感性のある人が習慣にしていること』です。

感性やセンスって生まれながらのものっていうイメージで、「センスがある人」のファッションやライフスタイルに憧れても、「センスのない自分には真似できない」と諦めてしまいがちでした。

しかしこの本には、「感性は習慣によって後天的に身につけることができる」ということが書かれていて目から鱗でした!

感性を高めるための方法がたくさん紹介されているのですが、「気温を当ててみる」「裸足で過ごしてみる」「美術館に行ってみる」などなど、意識すればすぐにでも実践できそうなことばかり。

感性って、自分自身に手間暇をかけて労りつつ、身の回りの自然や季節の移ろいを全力で味わう力のことなのかもなぁ。

こちらも、感性を働かせる時間も心の余裕もない現代人におすすめな一冊です!!

第3位 『ソロ活はじめました! 独身アラサー派遣OLが生活費15万円でも毎日を世界一楽しむ方法』 よしみ子

5月に読んだよしみ子さんの『ソロ活はじめました!』が第3位。

私はひとりランチとかひとり旅とか、気楽な単独行動が大好きなので、「ひとりだからこそ楽しめることもある!」というよしみ子さんのスタンスにめちゃくちゃ共感。

マニアックな趣味とかって、「こんなのに誘ったら引かれないかな…」とか考えがちですが、ぐちゃぐちゃ考えるくらいならひとりで行ったほうが人目も気にならなくていいじゃん!というね。

ひとりで楽しむ活動、いわゆる「ソロ活」のアイデアが70個も収録されたこの本。

ひとり焼肉などのライトなものから、はとバスツアーや果物狩りバスツアー、ひとり登山などハード(?)なものまで、「試してみたい!」と思えるアイデアが盛りだくさんで、読んでてワクワクが止まらなかった!

お金をかけなくても楽しめるアイデアや、ソロ活を充実させるための節約術が掲載されているのも嬉しいポイントです。

まとめ

この投稿では、上半期に読んだ53冊の中から、〈小説部門〉〈エッセイ部門〉〈コミック部門〉〈一般書部門〉それぞれのBEST3を紹介してきました。

振り返ってみると、本当に色々な本を読んでいたんだな〜。そして、1月に読んだ本のランクイン率の高さが凄すぎます。2024年、めちゃくちゃ幸先のいいスタートを切っていたようです。笑

この調子で行くと、2024年下半期もあっという間に過ぎていくんだろうなぁ。7月も今日で終わりですしね。

下半期も素敵な本とたくさん出会いたいです。


最後までお読みいただきありがとうございました!
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