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スタッフのこと

こんにちは、ついに低温調理器を買いましたmirume 深緑茶房店長の松本壮真です。#低温調理器で調理するお茶屋は聞いた事がない

今日はスタッフについて書こうかなと思いました。何を考えて何を大事にしているか、ってなかなかスタッフにも伝える事が少ないですしメモ代わりに書いておこうかなと思いました。

「深緑茶房で働くの楽しそうですね」ってよく言っていただくんですが、楽しい職場にする&そこで働くってけっこう大変な事だと思っています笑

Netflixの人事方針は「優秀な社員のみを残し、その社員に潤沢な報酬と最大限の自由を与える」とされています。さすがにここまで厳しくはないですが、僕はモチベーション(真面目さ?)だけは重視します。ミスも能力不足も全然いいけど、サボるとか手を抜くはNGです(いやもちろん人間なので手を抜く事もあるとは思いますが)。

そんな感じで緩そうに見える中でも結構厳しいかもって所を書いてきます。

スタッフが将来自由に選択できるようにしたい

AIが人間の仕事を奪う時代が来ると言われています。これはたぶん普通にその通りで、そもそもAIに限らずテクノロジーによって人はどんどん仕事を奪われてきました。機械が生まれて、パソコンが生まれて、インターネットが生まれて……新しいものが生まれる度に少しずつ人間が仕事を奪われてきた歴史を見れば、AIが進化すると人間の仕事が奪われるというのは極自然な事のように思います。

せっかくご縁で関わったスタッフにはそういった中でも生き残れるような、自分で自分の仕事を選べるような人であって欲しいと思っています。

そのためには代替しがたいスキルが必要で、何よりラクをしようと“こなす”事なく真面目にコツコツ努力する事、そして失敗を重ねて自分で試行錯誤する力が大切なのかなと思ったりします。話すと長くなるので割愛しますが、現代においては昔よりも断然「真面目に努力する価値」が上がっているように思います。

応援される人であってほしいなと思うし、努力できる人であって欲しいと思っています。僕の価値観を押し付けているように聞こえるかもしれないですが、これはお互い(僕とスタッフ)に選択の自由があるので合わなければ辞めるという選択をすればいいだけだと思っていて、僕の価値観が合わなければ価値観の合う人を探してもらうのが良いと思います。これはお互いにとって本当に。僕の時間は有限で、その有限の中で僕にできることをちゃんとやりたいと思うので。

厳しいのかもしれない

僕はけっこう社員・アルバイトなどの雇用形態に関わらず、仕事を任せます(というかほぼ投げます)。例えば、「Instagramの投稿してほしい」から始まり「A型看板描いて」「〇〇しようと思うけどどう思う?」「〇〇をやろうと思うんだけど考えて欲しい」「〇〇を調べといてほしい」「〇〇のデザインをしてほしい」などを依頼します。絶対に自分でやる部分もありますが、だいたいの事は任せます。あ、もちろんそういうのが嫌いなスタッフには任せないです。出来そうだな、好きそうだなと思うからこそ任せます。

これはせっかく働いてくれてるからこそ色んな経験をしてほしい、というのがあります。これから時代が大きく変わっていくだろうなと思いながらも、10年後や20年後の正解は僕には分かりません。だからこそ自分で考えてやってみて失敗して成功して、経験を積んでほしいなと思っています。これは僕に提供できるものを考えた時にそれが一番良いなと思ったからです。

「ミス」なのか「サボり」なのか

僕はミスも能力不足も全然OKです。ミスとか能力不足に対してイライラする事ってほんとにないです。失敗して何がダメだったのかを考える事はお店にとってもプラスですし、能力不足でも改善しようとする姿はお店にとってもプラスなので。「挑戦することを応援する」お店でありたいなと思っていますし、本気で取り組んだ事は評価したいと思っています。あとあんまり意識しないかもしれないですが、他人のお金で失敗できるって本当にありがたい事だと僕は思っています。

ただそれがミスではなく「サボり」だった場合には結構ドライかもしれません。サボりの場合には再現性があるので(何度も同じミスをするのはその防止策を考えてないのでサボり)、またサボるかもしないと思いながら管理とかをする必要が出てきます。それってお互いに負担が大きいと思うんですよね。だからシンプルに仕事を任せるのを辞めます。もちろん一発でアウトみたいな話ではないですが。

「仕事の報酬は仕事」と誰かが言ってましたが、僕もその意見には賛成で、どうせ同じ時間拘束される(働く)なら学びがあった方がいいなと考えています。

めっちゃオープン

わりと何でも喋ってしまうので、ほとんどの情報はオープンにしています。それも前述のように色んな経験をしてほしいからというのと、普通に性格上隠せないので喋ってしまうというのがあります笑

けっこうな機密事項も喋ってしまうので、良くない部分もあるなと思いつつ(漏れたら大変)それでも『まぁいいや』と思って喋るのは、スタッフを信用してるのもありますし、それに何でも話す事によってお店や僕の価値観を伝えたいというのがあります。何でも包み隠さず何度も何度も話す事でそういう価値観を理解してもらえるかなと思っています。

マニュアルはつくらない

何度かスタッフから言われた事があります。「マニュアル作りましょう」って。何度も言われるので作った事があるんですが、そもそも結局使わないんですよね。

というより、ウチは何年もやってやり方が固定化してきたお店ではないので、毎日のように新しい情報が加わります。前までAとしてたけど、これからはBにしてみよう。あれを加えてみよう、無くしてみようなど。それだけ変化のある職場だとマニュアルが追いつかないですし、そもそもそのマニュアルを作っている時間のうち無駄になる時間が多いです。

基本的に固定化された作業に対してはマニュアルがあってもいいと思います。レジ閉めの方法とか掃除の順番とか。チェックリスト代わりに作るのもありだと思います。

ただ接客とか日々の業務に関しては、マニュアルを作って読んでもらうよりも結局日々ちゃんとスタッフとコミュニケーションを取ってお店の価値観を理解してもらって逐一声がけして調整していくのが一番近道だと思っています。『あの人のあの言い回し良いな』と思ったら真似してもらうとか。

なのでウチはマニュアルではなく、スタッフミーティングをしたり不定期でグループLINEに「松本はこういう時にこのようにしている」という情報を流していました(結局スタッフミーティングはあんまり出来ませんでしたが)。

一概には言えないですがマニュアルは作る側の自己満足で、本当にお店の運営を考えるなら地道に一人ひとりと話した方がいいと思いました。マニュアルを作ってしまうと店長側も「マニュアルに書いてあるでしょ」ってなりがちで、お互いに言質取りゲームみたいになるのも嫌いでした。マニュアルに書いてあるからやって当然と思うのも嫌いだし、マニュアルに書いてないからやらなくても仕方がないと思うのも嫌いでした。だったらマニュアルを作らずに、スタッフがやれなかったのは僕が説明してなかったからだと思うほうが納得ができるなと感じてもいました(これ伝わってますか…?)

頑張ってる人が評価される社会であってほしい

ちゃんとお店の事を考えてくれる人、そして頑張っている人が評価されるお店でありたいと思っています。

もちろん皆がハッピーであればそれが一番良いですが、経験として頑張らない人が組織にいると頑張る人のモチベーションが下がって組織にマイナスに働く事が多いように思います。『あの人が頑張ってないからいいや』とか。

頑張ってる人が間接的とはいえマイナスの影響を受けるのはイヤだなぁと思うので、やっぱり頑張る人を応援したい。

大事にしたい人を大事にできるお店でありたい

これはお客さんに対してもそうですし、スタッフに対してもそうです。社会に出ると、色んな“しがらみ”があったり、忖度があったり、思惑があったり……色んなものが邪魔をして本当は大事にしたい人を大事にできない事ってあると思います。大事にしたいと思った人を大事にできるって貴重なことだと思っていて、そういう部分では素直でいられるお店と自分でありたいと思っています。

ポケットマネーから投資してた話

ウチはカフェなので給料が高くないです(てか安いです)。カフェって居酒屋さん並みにお客さんの滞在時間が長いけどお客さん単価は1/3〜1/4なので、非常に利益率が低いんですね。

もちろんなるべく他の部分で売上が上がるようには考えますが(オープンまでには新しく始めるサービスについても書こうと思います)、お客さんはカフェとして来店されるし、カフェとして売り出していくのでなかなか最初は厳しいと思います。

そんな中で頑張ってくれるスタッフや何か目標を持ってるスタッフの事は応援したいなと思ったりします。もちろん親戚のおじさんではないので『お店にとってもプラスになるなら』という条件付きですが笑

僕は本当にあまり物欲がないので、そんな時にはポケットマネーからお金を出してました。

日本茶インストラクターのテキスト、Illustratorの講座、PRセミナー、書籍、色んな産地のお茶を仕入れたり、美味しいお店に行ったり(味とか接客とかを学んでほしいと思って)などなど。

タイトルに「投資」と書きましたが、特に回収する気はなくて将来的に社会に還元してくれればいいなと思っています。

時給を上げられないぶん経験を積んで欲しいなという思いがあります。これは前述した挑戦する場所を提供するという事にも繋がります。せっかく縁あって関われるので、出来る範囲で出来る範囲の事はしてあげたいなと思っています。まだまだ特に最初は余裕がないと思いますが、余裕が出てくればそういう部分でも還元していきたいなと思っています。

スタッフにとってだけでなく、お店にとってだけでなく、お客さんにとってだけでなく、みんながプラスになるようにお金を使いたいと思います(次の展開のためのお金はちゃんと貯めないといけないなとは思ってます笑)。

信頼の話

僕は基本的に仕事をする上で『信頼』を大事にします。ちなみに信用と信頼の違いについてはコチラ(他サイトに飛びます)

最近この言葉が軽く使われる機会が多い印象を受けますが、これって本当に重い言葉だと僕は思っています。ただ人間関係を築く上で非常に大事なものですし、信頼できる人と仕事をすると非常に快適です。疑わなくていいし管理しなくていいし、任せられるので。

『信頼を築くのは時間が掛かるけど崩れるのは一瞬』みたいな事を言いますが、これは本当にそのとおりだと思います。わりと僕はすぐ人を信用してしまうのですが(笑)、崩れるときは一瞬だなぁと思う瞬間があります。それは自分もそうあってはいけないという自戒の念を込めてというのもありますが。前述した、ミスなのかサボりなのかにも通じますね。

信頼しているスタッフと仕事をするからこそ快適ですし、惜しみなく自分の持っているものをあげる事ができます。そして自分が回収する気もないのにその将来に対して投資する事もできます。

自分で発信できる人が圧倒的に増えた現代において、これからの会社はプラットフォーム化していくように思います。『会社を通すより自分でやった方が得(金銭面だけでなく)』と社員が思えば辞めていく事になるでしょう。それを会社への愛とか恩だけで繋ぎとめるのは個人的にナンセンスだと思います。こういった変化に対応しないと優秀な人から辞めていく会社になってしまいます。自分でも出来るけど、それでもウチで働いてくれるというお互いに独立した中で良好な関係を築けるのが理想だなと思ったりします。

色々と文字にするとキツく感じる事を書きましたが、これを理解してついてきてくれるスタッフは全力でサポートすると決めています。プライベートの人間関係でもそうですが、どっちかが負担になるような関係性ではなくお互いに前向きで良い関係性が築ければと思っています。利用し利用される関係性ではなく、お互いに与え合える関係であればいいと思っていて、そういう意味で時間とお金の交換にきているだけだと正直ちょっと色々重いと思います笑

前述しましたが、全員がハッピーであればそれに越したことはないけど、僕もお店も持っている資源(時間もお金も)は有限なので、優先順位を考えた場合にそうならざるを得ないよねという話です。ただ本当に全員ハッピーならいいなとは思うので、ちゃんと収益が出たら社会に対して還元はしていきたいと思っています。一緒に働くとなった時に少し厳しく聞こえる部分はあるかも、とは思います。ただ何にせよ「深緑茶房で働くの楽しそうですね」と言われるのは嬉しいですし、新店舗になるというタイミングでスタッフ全員が「次でも働きたい」と言ってくれていたのでおそらくスタッフも楽しく働いてくれてたんじゃないかなとは感じています。
※新店舗のオープン予定が大幅に遅れしまい、卒業や出産なども重なって実際に残るスタッフはだいぶ減りましたが…笑

そんな感じで本日はスタッフのことを書きました。なかなかここまでオープンに書く人も少ないと思うので、もし心象を悪くされた方がいたらごめんなさい。

mirume 深緑茶房の店長松本壮真でした。また次回!

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