若手育成をしたいとき、社長が現場にすべきこと【情熱社長倶楽部】VOL.122
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【今週のご相談内容】
1年前に初めての新卒採用を行ないましたが、
続けていこうかどうか迷っています。
理由としては「新卒が楽しそうに働くことができていない」
という声が現場から挙がっているからです。
働いている社員は、年齢が40代~60代の方が多く、
新卒との年齢差があり、新卒が社内に
馴染めていないように見えています。
かといって、社員も積極的に新卒が職場に
なじむような工夫をしているようにも見えず、
ここから新たに新卒が育つ環境をつくろうと思ったら、
私が動くしか方法がなくなってしまいます。
幹部やリーダー育成もままならないタイミングで、
新卒育成ばかりに時間をかけてもいいのかという思いもあります。
今の新卒のためにも採用を続けていきたいとは思いますが・・・
どうしたらいいでしょうか。
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【今週の回答】担当:代表取締役 長友威一郎より
ご相談いただき、ありがとうございます。
新卒採用における入社3年以内の離職率が4割を超える中で、
新卒の方が、現在も働き続けてくれていることが嬉しいですね。
初めて新卒採用を実施する企業様からは、
育成体制が整っていないままで
採用をしてもいいものかどうか
という相談を受けることが多くありますが、
新卒採用は組織を大きく変えるきっかけになるので
是非続けていきましょう!ということが私の答えです。
そして貴社の場合、
「新卒が楽しそうに働くことができていないかもしれない」
と心配の声が挙がっているとのことなので、
これは新卒の方に対して“何かしてあげたい”という
既存社員様の気持ちの表れでもあると思います。
ただ、既存社員様からしてみれば、育成体制が整ってない中で、
年齢が離れた新卒の方との関わり方がわからないことは
不安だと思いますし、
会社からは「新卒を大切に育てていこう!」
と言われているからこそ、
下手な関わりをして辞めさせてしまうのではと、
腫物を触るような感覚になっているかもしれませんね。
そこで実践していただきたいことは、経営者様自らが、
“既存社員様が、新卒に関わるイメージを持つための
きっかけづくり”をすることです。
「結局自分が動くのか・・・」と思われるかもしれませんが、
理想の関わり方をしてもらうための“最初の第一歩目”
という認識で捉えていただければと思います。
まず、新卒育成に関わる既存社員様を集めて、
自社が新卒採用を実施する目的や意味を伝え、
「だからうちは新卒を採用するんだ」
と理解してもらうことです。
そして、新卒の方に関わる上で気がかりになっている点や、
業務において、何ができるようになり、何ができないのかの
成長度合いを聴いてみてください。
この際の注意点は「事実と解釈」を分けて話していただくことです。
例えば、既存社員様からの
「何回も教えていますが、新卒は分かってくれなくて・・・」
という発言は“解釈”である場合があります。
“事実”を抑えるためには
「何回、どのような場面で、どのように教えたのか」
「それに対して新卒はどのような返事をし、行動しているのか」
など、具体的なシーンを話してもらうことが大切です。
次に、業務でできていないことは
どのようにしたらできるようになるのかという
アイデアを出してもらいましょう。
“業務スキルを習得する”ことは、既存社員様であれば
自らが経験してきたことだからこそイメージができ、
良い意見を出していただけると思います。
そして最後に、新卒ができていない業務を、
誰が、どのように、どれぐらいの期間で
教えていくのかを明確にしてください。
具体的な役割や方法が分かれば、
既存社員様も動きやすくなり、
サポート体制も整ってくるでしょう。
以上が、経営者様に取り組んでいただきたい
きっかけづくりです。
どの企業様も、最初から完璧な育成の仕組みはありません。
だからこそ、経営者様が未来を見据えた上で、
「新卒採用をする」と決断をされているのなら、
既存社員様にその意味や目的を伝え、理解してもらうこと、
そして、既存社員様が、どのように新卒の方を
育成をしていくのかを考える場を設けることは、
経営者様にしかできない役割だと考えています。
このステップできっかけづくりができた後は、
口出しをせずに、既存社員様に任せていきましょう。
そうしなければ、育つものも育たなくなりますので
忍耐と任せる勇気をお持ちいただければと思います。
経営者様が思っている以上に、
既存社員様は考えてくれると思いますよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
長友 威一郎