散歩帰りに買った花がメンヘラお気持ちヤクザでした。継続中
お花買ったんです。鉢植えの小さな花。
確かその日は晴れていて、寂れた花屋を何気なく覗いて、そういえば花を買ってほしいみたいな事政治家の人が言ってたな、と思い出しながら店頭に出ていた鉢植えのいくつかについて検討を始めたのを明確に記憶している。色が派手な物や高い物、立派な花がついている物、まだ蕾の物。今にも枯れてしまいそうな茶ばんだ鉢植えもある…その中で、安いのにしっかりと色付いて蕾も花もつけている草を見つけた。これならすぐ枯れそうにないし、安いし、社会貢献したつもりになれそうだ。その花を買う。150円。店内に入ると複数の客が思い思いの花を買っていることに気付いた。寂れているのは見てくれだけだったかな。2人だけの店員なのにテキパキと会計が進み私の番。「サービスで100円でいいですよ。」さすがに100円じゃ社会貢献にはならないな。そう思いながらも100円を渡し、新しい友達と家に帰った。まぁまぁいい気分だった。キッチンに置いたのは、植物の置き場所として最適という記事を見たため。スペース的にも見た目的にも良い具合だ。
その翌日、ネットで見た"朝水をたっぷりあげて夜乾くくらいがちょうどいい"という情報をなるほどと鵜呑みにして朝水をあげた。その日は夜まで綺麗な立ち姿をしていた。確かそう。
朝起きて愕然とした。項垂れる友人。土は少し湿っていた。今から推測するとこの種は蒸れが苦手なためキッチンという環境が悪条件だったのだと思うが、昨晩まであんなに元気だったのに萎れてしまった!その衝撃で心配になり栄養剤を買うか、土を良いものにするか、など悩んだ。しかし、花屋から持ち帰ってさほど経っていないのだから、栄養が突然足りなくなったようには見えない。土も特別良いものではないかもしれないが、悪いわけじゃないだろう。
とりあえず直射日光に当てよう。キッチンの光じゃ物足りなかったのだろう、おそらく。(と、その時は考えた)
しばらくするとあんなに萎びていた茎が立ち上がり太陽を見るように花を伸ばしている。よかった…すぐ斜陽になるがとりあえず外に出しておこう。半日ほどしてすっかり元気そうにしていたので夜にはテーブルの上に乗せて食卓の花として仕事をしてもらった。
月曜日、起きたらまた萎びていた。やはり一度失調してしまうと枯れてしまうのか。諦めに近い感情で、水をあげて外に出した。(今考えると毎日せっせと出し入れしていることが間違いなのだが、花を見ながら生活したいがために買ったので見えない外に置いたら本末転倒だったのだ)
ビニールは良くないかなと思い、捨てても良い布の上に置いてみた。これは大して効果がなかったが悪い方法でもなかった。
帰ったら、もしかしたら枯れているかも。そう思いながら出勤した。帰りに植え替え用の鉢を買ってあげよう。素焼きのやつがこいつには良いらしい。100円ショップを2件見たがプラスチックのものしかない。安価主義め、反吐がでる。家具屋とかにあるのかと思いイオンを一周。無い。ディスプレイの造花を怪訝な顔で見やりエスカレーターを降りる。あいつを救うことは出来ないのか。エスカレーター脇に花屋があることに気付く。
ははぁ、花は花屋だな。
鉢植えを買って帰宅。本体100円、付属品400円。モンハンをやるためにPSPを買ってアドパをするためにPS3を買ったみたいな感じだ。懐かしいな。
その日の夜(先ほどの写真の同日である)。お前今にも死にますみたいな顔してたじゃないか。まぁいいだろう。鉢植えに植え替えをした。
うーん我ながら丁度いいサイズだな。
ちなみに穴用の網が売ってなかった(あと小石が高かった)ので手元にあったインド綿のスワッチを切って底に敷いてある。
人生何が役に立つか分からないな。
翌日も順調であった。
この日はややくったりとしていた。水をあげてから、もしかしてお水をあげすぎなのかな…と逡巡。とりあえず外に出したまま出勤。
翌日は元気そう。やはり水をあげすぎたのが良くなかったんだな。そう判断して(友人の助言もあり)この日はこのまま、水をあげずに出勤した。
なんということでしょう。
もうさすがに死んだと思った。慌てすぎて家中鉢植えを持ってうろついてしまった。茹ですぎた春菊みたいになってるし、茎も完全に寝てる。お気持ち長文アタックだ。変わったのは明らかに水。夜だがやむを得ないだろう、コップいっぱいの水を注いでやる。弔いの水となるならそれも私の責任だろう。
…さっきまでのガチギレヤンデレムーブはどうした。たったの2時間でこんなに立ち上がって水を歓迎している。まぁいいだろう。悪かった。とりあえず持ち直したようだし、もう外に出したまま家の中に入れるのは諦めることにする。
これが昨日。蕾も花の形を成してきた。たった1週間でこんなに表情豊かに訴えてくるお気持ちメンヘラヤクザ、この先枯れるまで2ヶ月ほど振り回されると思うとやや気が重い。
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