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牡丹の園のお導き

先日上野を訪れた際に、上野東照宮の牡丹園に立ち寄った。

実は、当初ここに行く予定は全くなかったのだ。

しかし、牡丹園の前にある看板に「丁度咲いています」といったような文言が書かれている。寄らずにはいられなかった。

私は花に目がない。



心惹かれるまま入った牡丹園は、想像以上だった。

藁の囲いの中で牡丹が大きな花を咲かせる様子に、魅了されてしまった。

赤や黄色、紫色にピンク。バリエーション豊かな牡丹たちが、鮮やかな衣装を着て舞台に上がり、照明の光に照らされて踊っているような…


踊るといっても、イメージ的にはHipHopとかじゃなくて、「日本舞踊」って感じ。

色や形だけ見るとかなり派手だけれど、どこかおしとやかな雰囲気で「和」の雰囲気を纏っている。

今まで意識して「牡丹」を見てこなかった人生だったからか、私はこの牡丹の見事な様子に感銘を受けた。




植えられている牡丹も素晴らしかったが、随所にある活け花もまた、素晴らしかった。

活け花のことについては全く何も知らない私だが、どれを見ても「センスがいいな」と感じる、そんな活け花だった。

牡丹は単体でも美しいが、違う種類の花と組み合わせるとまた違った魅力がある。

活け花の牡丹は、なんだか「看板娘」のイメージが強い。
ちょっとパッとしなくても、それが加わることで雰囲気が一気に明るくなる、そんなイメージ。



今までこんなに心にグッとくる活け花をいたことがなかった私は、またもや衝撃を受けた。



なんとなく訪れて正解だった。

何気ない出会いは、時に私の心を大きく動かす。

今回は、牡丹が私を導いてくれたのだろう。


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